ざざむし。

羽毛だらけのバンをロウ攻めして食べてみた

バンはカモのように水に浮くタイプではなく、水かきがなくて歩いてエサをとるタイプの水鳥。
狩猟鳥獣ではあるが、県によっては準絶滅危惧種にもなっている。
丸のまま1羽いただいたので食べてみる。
バン01嘴が赤くなっておらず、全体に黒い部分が多いので若鳥でしょうか。
この鳥、味はそれなりに良いほうみたいなんだけど、厄介な点があるらしい。
それは羽毛の量が凄まじいということ。
カモでも最後に産毛みたいなのを焼くが、バンはその前にどこまでやったらいいのかと思うくらいに羽毛が多くて大変なのだとか。
解凍したので早速やってみよう。
ブチブチ
バン02軽く羽をむしっていくと・・・
こ・・・れは・・・
確かにヤバイ感じがする。
バン03
細かい羽毛がビッシリ生えてて、鳥というより一見ネズミか何かにも見えるくらい。
まだ長い羽毛は簡単に抜けるけど、それにしてもこの量はめんどくさい。
これだけの量だと、早々に諦めて焼いてしまったら残った羽の毛根が食感を悪くしそうだ。
かといって地道にむしっていたら時間かかりすぎて腐ってしまいそう。
羽毛くらいなら罰ゲームのガムテープ脛毛バリバリでなんとかならんのか?
バン04全然ダメじゃんバーカバーカ
最初はバンと聞いて、これでなんとかなるんじゃないかと甘く見てたんだけどな。

こんなこともあろうかと準備していてよかった。

いわゆる、蝋でございますよ。
絵的には室内ピンクにして赤い蝋燭でやるのが良いのかもしれませんが、そこまでサービス精神旺盛ではございません。
バン05鳥が小さいので、今回は試しに小鍋に500g投入。
バン06融点が低いので結構簡単に溶けていきます。
全部溶けたら、凝固しないくらいまで温度が落ち着くのを待ってバンを
鍋にバーン!
て、やかましいわw

全体に満遍なくロウが付いたらすぐ引き上げ、冷凍庫で一気に表面を冷やす。
べつに水に溶ける訳じゃないから冷水のほうが早かったかもしれない。
バン07蝋でカチコチの哀れな姿になったバン。
ヒビを入れて剥いてみると
バン08おぉ!
めっちゃ簡単に毛が全部抜ける!
懐かしいチョコエッグのチョコを割るようにいとも簡単にペリペリ剥ける蝋と羽毛。
なんやこの気持ちいいのは・・・
バン09最後の最後まで、型とってるみたいに綺麗に剥けた。
カモなら羽もむしらずいきなりドブ漬けしてしまえば、数回バリバリッとやるだけで全部繋がって剥けるらしい。
バンは皮が薄そうだったから破れてしまうんじゃないかと思いおおまかに羽だけむしってからやった為、その分、剥がれる蝋は細かくなってしまった。
それでも地道にあの羽毛を抜くことを考えたらどれだけ楽なことか。

パラフィンワックスの融点が58℃くらいなので、一瞬なら肉にはたいして影響ないと思う。
その上、羽が飛ばないし、ハジラミなどもまとめて固めてくれるので室内でも気兼ねなくできるのは嬉しい。

バン10めっちゃ楽だった。
しかも産毛もほぼ残ってないから焼く必要もなさそうだ。
普通に抜いてたらどれだけ時間かかってたのやら。
バン11見るからに皮は薄い。
やはりある程度羽を抜いてから蝋漬けにしたのは正解かも?

腿肉と少々の胸肉を切り出し、手羽は食べるところが殆んどなさそうなのでガラと共に出汁に。

バン12赤黒い身もすっかり白くなり、結構よい出汁は出たが、1羽では薄いのでキノコや昆布で補って蕎麦出汁に。
出汁ガラもまだ味があったので、せっかくの蛋白源なので筋肉だけほぐして棒々鶏に。

バン14タモギタケが美味すぎてバンの出汁がよくわからなくなってしまったw

そんなつもりはなかったんだけど、この棒々鶏はバンだからバンバンバンじゃないのかね。
でも中国語だと鷭はファンなのか。
どーーーでもいいね。

腿肉と胸肉は半々にして、グリルとスモークで食べてみる。
バン13常に水辺を歩いてるだけあって、腿の筋肉は小さいにもかかわらず凄い自己主張。
歯応えは強く、かといって硬いという訳でもなく、味は肝にも近い濃い風味のある、いわゆる野鳥の味。
皮は硬めだが薄いので悪くもない。脂は美味しい。
全体にジューシーさが少ない。

色は腿とたいして変わらなかった胸肉だけど、若干こっちのほうが柔らかい感じ。
肝っぽい風味もこっちのほうがちょっと強いかな。

首は焼いたら皮以外食えるとこがなくなった。
バン15スモークは小さくて味がわからなくなりそうなのでソミュール漬けから燻煙はサクラで30分だけ。
あんなに赤黒かったのに、身が白っぽくなる。
腿の腱がめちゃくちゃ丈夫だなと思った以外、筋肉の味はあまり感想変わらず。
胸肉の皮は美味しかったけど、腿の皮はゴムみたいになってしまった。
砂肝はクセ強めだったので、片割れを一緒にスモークしたら個性がなくなった。

野趣溢れる鳥肉が好きな人には堪らないかもしれないけれど、手間のわりに可食部位の少なさを考えると、果たしてどうなんだろうか。
それとも、成鳥だったらまた違うのかな?

尚、鍋に余った蝋は放置すれば固まるので次の鳥に使用可。
鳥にまとわりついて剥がしたほうの蝋は、今回は50g程度なので捨ててもたいしたことはないと思う。
でも無駄にするのもなんなので、一応、リサイクルを試してみる。
皮が丈夫な鳥で羽を全くむしらず蝋漬けする場合はもっと大量に蝋を使うはずだから、リサイクルはできたほうが経済的だよね。
バン16鍋に湯を沸かし、羽毛を固めた蝋を入れた金ザルを入れて蝋だけ溶かし出す。
予想できるだろうけど、後始末が面倒なので100円均一などで激安の鍋かステンボウル、味噌濾しや金ザルを買って専用にしたほうがいい。
バン17ザルを上げたら羽毛を捨て、冷めるのを待つ。
急ぎならこのまま冷水に浮かべればいい。
かなりの脂が浮いているのが見てとれ、これが毛根にある脂と尾脂腺の脂でしょうね。
バン18鍋が冷めたら表面に固まった蝋だけ剥がす。
水鳥の出す脂がニオイの原因になると思うんだけど、融点も比重も違うので固まった蝋の裏側表面に脂がついてくる。
濾過しないで使いまわすと、これが蝋の中に残ったままになって、そのもののニオイと酸化したニオイで次第に使い物にならなくなるのではないかな?
これを中性洗剤で洗い流しておけば、そんなにニオイも残らないんじゃないかなぁ。
バン19サッと洗うだけで気泡は壊れて、表面の脂は殆ど流れたと思います。
何度か使って捨てる分には、この程度のリサイクルで十分なんじゃないでしょうかね。

剥くのがめっちゃ気持ちいいので、頻度の高い人はやってみても良いかもしれない方法でした。

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Comments & Trackbacks

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  1. 江戸時代に美味しいものとして三鳥二魚と称し、
    雲雀・鷭・鶴の三鳥、鯛・鮟鱇の二魚を珍重したと
    いうように、以前テレビで見ました。

    それから鷭にとても興味があったので、興味深く拝見しました。
    たれに漬けて焼く、ウズラ炉端焼きのようなものを想像していましたが、
    こういう凝った料理も美味しそうですね。グリルの盛り付けも毎度ながら
    キレイで惚れ惚れしました。ロウでの毛抜きもビックリです!

    わたしはキノコ好きなのですが、たしかにタモギタケは絶品の出汁が
    出てしまうので(笑)、味見には向かないかもですね。

    • ぇ、鶴も食ってたんですかw
      そのへんは全然知らなかったんで面白いですね。
      今ならともかく、昔でアンコウなんて鮮度維持も大変だろうに。
      バンは濃い味つけても十分イケそうなしっかりした味の肉でした。

      タモギタケは株が崩れたのが2パック50円と破格だったので初めて栽培物を買ってみたんですが、栽培でも十分すぎるほど美味いですね。
      一緒に並んでたらブナシメジとかもう買わないわw

  2. モロダシ・バン

  3. バンの情報が少ないので勉強になります。

    調理について質問です。
    グリルのソースはどのような味付けにされたのでしょうか?
    色から想像するとマスタードソースですか?それともオレンジ?

    モモ肉が発達しているというのは意外でした。水の上にいる鳥なので足はそれほど発達していないとばかり思っていました。歩く鳥なのですね。

    • 肉料理はよくわからないので超テキトーです。
      しっかり味ありそうだったのでそのまま食べ、気付いたらソース付けずに食べ終わっていました。
      生の時に一部キンクロと微妙に似たクセもあったのでソースは魚介寄りにしてみました。
      オレンジ色はウニのせいです。イロイロ適当に混ぜてるので同じものはできませんw

      結果から言うと、焼いただけで結構クセが飛んでしまうので、ただのバターだけでも良さそう。

コメントしたければしてもいいのよ?(カエストハイッテナイ)

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