ざざむし。





ハコフグ肝の味噌漬けとかカワハギ肝キムチとか。

ハコフグ戦隊
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ウゴケンジャー!

夏から秋にかけて釣れるハコフグ
昔は憧れめいたものもあったが、慣れとは怖いもので最近は釣れても「めんどくせーな」とか思ってしまうことも。
美味しいんだけど、肝が多すぎて困るのだ。
1匹くらいならまだしも、2~3時間に5匹も釣れるようになると始末に困るので手際よく外してそっとリリースが増えている。

一般的なアン肝やフォアグラの調理法はそれなりに通用する肝だと思うのだが、ハコフグの肝臓は加熱すると半分くらい液化してしまうので融点の低い脂質がより多い印象がある。
だから冷製で食べられる調理で美味しいもの・・・ということでアン肝に習って味噌漬けにしてみることにした。

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ハコフグの肝をラップに包んで整形します。

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比較対象にカワハギの肝でも作ってみます。

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10分蒸します。

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蒸しあがりました。
ラップの隙間から漏れた脂がとんでもない量です。

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ラップに薄く味噌を延ばし、蒸した肝を巻きます。

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この状態で冷蔵庫で寝かします。

一週間後

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えーと。

控えめに言ってうんこですね。

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食べてみましょう。

まずはカワハギの肝味噌漬けから。

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ぉおぅ!?
押し潰し溶けるように舌の上に広がる感じはまるでチーズのよう。
肝の旨味はしっかりそのまま、味噌の風味が移っていてこってりと美味い。
これ、味噌に少し泡盛加えて漬けたら豆腐っぽくなるんじゃないか?

では問題のハコフグはどうか。

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ん!

明らかにカワハギより口溶けが良い。
部屋が暑いからか、皿の上でも室温でどんどん脂が溶け出してくる。
蒸した時点であれだけ脂が溶出したというのに、つくづく脂の塊だな。
チーズのようなねっとりとした感じはなくカワハギとは全く別物だが、これはカワハギかハコフグか好みが分かれるだろう。
いずれも思いのほか塩分を多く吸収しているので、1週間も漬けず3~4日くらいで十分かもしれない。

ひとつ言えることは
酒が足りなくなって危険である。

実験段階なのでまだ改善の余地だらけだろうが、それでもこれはなかなかイケる。
野食会などに持っていきたいくらいだが、残念ながらハコフグは要フグ調理師免許になってしまったので私が振舞うことはできないし、そもそも肝は提供不可の扱いだ。
残念だなぁ。
ハコフグについてまとめた記事に記していますが、たまたまパリトキシンを蓄積したハコフグに当たった事故が発生して以来、肝を公に提供することはできなくなり、食べる人も自己責任となっています。
毒性が毒性だけに当たればの可能性が非常に高いので、勧めはしません。
安全なカワハギの肝だけで作って楽しんでみてはいかがでしょうか。

そしてカワハギの肝でもうひとつ。
カワハギ好きな人ってカワハギ大量に釣ってどう処理してるんだろうね。
自分なんかは25cm以上のキモパン1匹分の肝臓で十分満足できるから、大量にありすぎてもいつも困る。
保存食にしたくてもだいたいは加熱調理になってしまうので、生や湯引程度で得られるあの舌にねっとりと纏わり付くような旨味の愛撫は失われてしまう。
かといって食中毒が怖いのでいつまでも生では食べられない。

ということで今年ふと思い立って試してみたカワハギの肝キムチ。
キムチもゼロから作っても良いが、この場合はそんなに長期間寝かせて本気で発酵させる訳ではないのでキムチの素で構わない。
キムチの素もいろいろ販売されているけど、化調込みで反則的なバランスの味なのがコレ

海鮮キムチの素という上位商品もあるが、それでなくてもかなり「俺、桃屋!」って味になってしまうので素材を活かしたい人はノーマルに留めておいたほうが無難。
普通にカワハギの肝和えを作る分量の身と肝に対し、肝と同量程度のキムチの素を準備する。
ここでキムチの素が多ければ保存性は増すだろうが、割合を変えてみた感じでは肝の風味が殺されるので同量程度までが無難だと感じた。
キムチの素の分量が少ないほど肝感は増すので短期間に食べきる前提でいろいろ試してみると良いと思う。

カワハギの刺身に潰した肝とキムチの素を混ぜる。
混ぜてすぐでも食べられるが、明確にキムチの素の味が立ちすぎていてまとまりが無く、この時点ではいかにも「混ぜただけ」という味だ。
これを清潔な瓶やタッパーに詰め、できるだけ空気に触れない状態にして冷蔵庫で寝かす。
いまのところ1週間くらいなら大丈夫っぽいことがわかっているが、塩分もカプサイシンも少なく長期間の保存は未知なので注意してほしい。

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2日ほど寝かすとキムチの素と肝の味が渾然一体となり、刺身にも染み渡って全く別物になっている。
酒のアテにチビチビやるにも堪らない旨味で、数日楽しめるので毎回作ってもいいなと思っている。
あと、必ずしもカワハギの身でやらなくても良い。
本体を唐揚げで食べたければ唐揚げにして、イシダイやカゴカキダイなどのしっかりした白身をカワハギの肝キムチで和えて寝かしても良い。このへんはお好みで良いだろう。

今回のハコフグ肝味噌漬けはフグ調理師免許があっても禁忌の部分だからロシアンルーレット。
カワハギの肝キムチに関しては保存性がどこまで得られるかが未知だし、よほど鮮度がよくないとやってはいけない。
どちらも自己責任で楽しむものとなるので・・・試したければまぁ死なない程度にどうぞ。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 6 )
  • トラックバック ( 0 )
  1. 私はカワハギもハコフグも肝は醤油で煮てます。(ワラ
    煮た肝をご飯に乗せて食ってます。

    今年も刺しに行こうかと思います、ハコフグさん・・・。

  2. ハコちゃんパーティーだぁ!!しかも今回の料理!全部絶対試しちゃります!(めちゃくちゃ美味そう♪)
    目が合うと可愛いのでためらうことが多いけど、負けない!!突く!!!
    ところで、あの六角形の骨、おはじき以外に何か使えませんかね~?

コメントしたければしてもいいのよ?(カエストハイッテナイ)

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