ざざむし。

クスサンが食べられたそうにこっちを見ていたので食べたらメダパニった

動物にしろ植物にしろ、食材とするか否かの判断基準に量がある。
香りつけや飾り程度なら僅かで十分な場合もあるが、一品を占める量が必要なものや主食となると難しいものは数多い。
昆虫食として今まで日本で根強く残ってきたイナゴ・カイコ・ざざむしなどは容易に数がまとまるものだ。
また、ミールワーム類(ゴミムシダマシの仲間)やコオロギ、アメリカミズアブなどは養殖も容易なので世界でも食用生産が上向き傾向だろう。
そういう意味では、セミやモンクロシャチホコなどは発生ポイントさえわかれば容易に数がまとまる上に美味しいときているのだから天然でありながら優秀で、もっと広まっても良いのではないかと思う。
どうしても昆虫は小さいものが多いので普通には主食になりにくいが、タガメなどカメムシの仲間は独特の芳香があるので、そういった特性を見出すことができれば少量でもスパイスの役割をこなすことができる。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
そういった事例を元に、可能性の片鱗を感じるものを食べてみる訳だが、単体でよほどのインパクトがないと食指が伸びないので基本的にはある程度の数がまとまるものを試すことが多い。
こと蛾などの鱗翅目においては鱗粉のウザさもあってわざわざ食べることはあまりない。

今週は某山奥の使われていない別荘に泊まっていたのだが、朝起きるとOLYMPUS DIGITAL CAMERA
オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー オハヨー
この両脇にもガラスがあるのだが、一面に30頭ものクスサンが来てた。%e3%82%af%e3%82%b9%e3%82%b5%e3%83%b3%e6%88%90%e8%99%ab03外に出てみると外灯などいたる所にビッシリといる。
幼虫の段階で相当駆除されていたらしいが、周辺にはオニグルミの大樹が無数にあり、この辺りではキリがないほど繁殖しているっぽい。
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たまたまかもしれないが、8割以上がオスだなぁ。
成虫はこんなにまとめて見たことなかったが、雌雄で色が違うとかそんな単純ではないらしいカラーバリエーションがあるね。

蛾というだけで嫌われる節もあるが、このモフモフ感はどこか猫っぽさもあって好きな人も多いようだ。

そして飛ぶのがめちゃくちゃ下手。
勝手に地面でパタパタ音を立ててバタついているものをよく見かけるが、全てが死にかけている訳でもない。
単に飛ぶのがヘタなだけだ。
パタパタ飛んでいて急に落ちる奴など、一体何がしたいんだろうか。居眠り飛行か。
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これがオス。
蛾の仲間はメスのフェロモンを感知できるようオスの触角が大きいものが多いとかいう話で見分け易いのが結構いる。
RPGによくこういう爺が出てくる印象。村山元首相を思い出す。
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こっちがメス。一目瞭然。
人間と違って眉を細くしたいからしてる訳でなく、大きくする意味がないだけみたい。

クスサンが食べられたそうにこっちを見ている
_食べない
>食べる

と、いうことで冒頭の写真に移る訳です。

今回は味見なので、とりあえずバラツキがある可能性も踏まえて雌雄各4頭を試します。
こんなに大量に囲まれたら、少なくとも「数がまとまらないから」なんて言い訳が通用しない。
ネックになるとすれば鱗粉か。
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まず洗浄。
やはりサッと流しただけでは鱗粉は流れないので軽く擦ってやると難なく流れます。
ボディーの鱗粉は若干しつこくて取りにくいですね。
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雌雄2頭ずつを素揚げして塩をふり
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残りの雌雄2頭ずつは塩茹でに。
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できました。
揚げたほうは美味しそうにも感じますが、茹でたほうはどうなんでしょうか。
ちなみに翅を閉じているか開いているかは加熱の瞬間に死亡するクスサン次第なので揃えられませんでした。
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まずは驚くこともなさそうな揚げたほうからいってみましょう。
左が雌、右が雄です。

まずは雌から・・・
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ボリボリボリボリボリッ

うっはw
すっげぇ歯応え。
ハタハタのブリコをそのままの強度でスモールライト当てたような感じ。
味は特別とりたてて言うほどのことはなくサクサクで、一般的に多い虫の味。

そして潰れた卵は中身が流れて空カプセルのような殻が残る。
これは昔、料理の鉄人道場六三郎が興味を抱いたカイコの卵同様、卵単体で炒るなどして使用したほうが良い気がする。

では雄はどうか。
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スカスカ。

ほんとにスッカスカだ。
幼虫の時にあったナッツ香は殆どなく、バッタによくあるエビ的な風味も弱いから完全にサクサク感を楽しむだけのものになっている。
雌雄共に、翅も異常なまでに軽やかなサクサク感で、逆にいえば他の食材の邪魔をするような尖った風味がないので使い方によっては使えるかもしれない。
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では、茹でただけのものはどうだろうか。
左が雌、右が雄だ。

まずは雌から。
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ぷジュワ
えっ
もう産卵した後の個体だったんだろうか。
無い訳ではないが、入っている卵が少なく、この黒い液体は何だ?
旨味よりは若干の苦味と脂っぽさが気になり、正直あんまり美味くはない。

もう1頭のほうは普通に卵が詰まっていたから、やはり個体差だね。2頭でよかった。
しかし揚げた時より明らかに硬い。
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バツバツ!!!!!

これは硬すぎやろ。
揚げたものは水分を奪われて凹んでいたが、茹でたものは見るからにパッツンパッツンだ。
やはり卵は別枠調理したほうがいいだろう。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
胸部にある筋肉はトンボやセミの成虫と似たような風味で味は濃く、悪くないんだが。

では期待の欠片もなくなった雄はどうか。

ぷちっ

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んごほォォォォ!!?
クルミだ!
胡桃バターより更にそのまんまクルミだ。
ゆるいカスタード状でトロッとしているのに、舌にまとわりつくクルミの油の濃厚な味と感覚、ふわっと香る渋皮の風味まで完全にクルミと一致していて頭が混乱した。
それが腹部にパンパンに詰まっている。
揚げた時にはこれが熱で溶出してしまったんだな。

蛹を食べた時にはここまでクルミには感じなかった。
成虫になることで精巣が成熟し、成分に変化があったことで食草の影響が出たのだろうか。
脂質が凄くてカバーしてくれるからか、残った産毛の違和感も雌に比べると殆どないので翅以外は快適に食べられる。
正直、網戸に群がるクスサンの大群を見ても食指は動かなかったが、俄然、食材に見えてきた。
それも、個体数の多いオスが最も美味いんだから言うことなし。
雌は我々の手から逃れた運の良い雄の遺伝子を残せばいいんじゃないのかな。

ちなみに茹でた羽はモサモサして不快で食えたもんじゃない。
いまのところ、まとめるとこうか。
雌は採卵して本体は揚げ、卵は炒る。
雄は翅を切り揚げ、本体は茹でる。
むしろオスだけ食べてればいいんじゃないかと思うくらいズバ抜けて美味かった。
尚、前回同様、今回の成虫もオニグルミを食べて育ったものである可能性が高いので、食草によってはとんでもない味になる可能性もある。
クスサンは20種以上の植物を食べるので、食草のわからない状態で捕獲したものの味を保障するものではないことを覚えておいてほしい。

しかしオニグルミの葉を食べていただけで炒った実の味になるとは恐れいった。
オニグルミで育ったクスサンの雄は空飛ぶクルミだった。

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Comments & Trackbacks

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  1. クワガタ採りに標高の高い地域に行くと、夜の駐車場では
    こいつらが飛べなくなって大量に落ちていて潰れてたりしますね。
    単純に飛ぶのも下手そうですし、急激に気温が下がってくると
    体がうまく動かせなくなって飛べなくなるような印象があります。
    体に詰まってる脂肪っぽい物の粘度があがるのかなぁ。

    ちなみに夜の駐車場では、こいつらにクワガタのメスが寄って来ます。
    産卵するのにたんぱく質が必要らしいんですけど、標高が高い場所だと
    いい樹液があんまり出てないのか蛾を積極的に食べるようです。
    飼育下でもカブトの蛹とかあげると喜びますが、臭い(^^;)。

  2. クスサンの顔を見て可愛いと思ってしまった

  3. 鱗粉洗い流したら大分印象が変わりますね

  4. 空飛ぶクルミ。いつか食べてみたいフレーズです。

  5. ファーブルさん「メス置いとけばオス死ぬほど採れるで」

コメントしたければしてもいいのよ?

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