ざざむし。





天然ナメコしこたま堪能

先日の台風は日本全国を荒しに荒し、こちらの近所も海岸沿いはダメージを受けました。
同時に一気に気温も下がり、冬キノコのスイッチも入ったんじゃないかと思うのですが、海抜の低い海岸沿いは軒並み波の直撃を受けた形跡があり望み薄。こりゃぁ山のキノコに賭けるしかないかと、初めてのナメコ探しに行くことにしました。
関東ではヌメリスギタケモドキやエノキは生えるけどナメコ出なかったんで楽しみです。

まずは近場から。
獣道から入り藪を分け入っていきます。立ち枯れは結構あるものの気配はない。
気配といえばここ3日連日、市内でクマの目撃情報もあるので注意が必要です。住んでる身としてはいつものことですが。

あった!
初めてのナメコ。
大きさこそ売っているものの大粒サイズですが圧倒的に美味そう!
2mほど豆粒のような幼菌が顔を出していたので2~3日後にはびっしりの光景が見られるはず。

しかし急斜面の藪を探し回るも後が続かず。

でかいクリタケ!
これはこれで嬉しい。

この木の周りだけで2Kgくらい収穫。


ナメコも発見!
並んで生えている薄黄色いのは猛毒で最悪の場合死亡に至るニガクリタケです。こんなの間違えて採っていく人はキノコ狩りなんて向いてないのでやめたほうがいいでしょう。小さなクリタケと混ざって生えていることもあります。


標高の低い近場はやっぱりまだちょっと早いんだなということで移動。
目標の標高を上げて、さすがに近所とは言い難い国有林を目指すことにします。


大好きなサイズのクリタケの群生!
採らずにはいられない。


ナメコ!

エロさがある。

このへんの人がナメコしか眼中になくなる意味がわかった気がする。
発見した時の嬉しさがなんか違う。


特級すぎるナメコ。

なんだこの素晴らしさは。


逆光でわかりにくいですが、遥か上にナメコがびっしり生えています。
測ってみたら地上から8~13mくらいの間に生えてて、その下はムキタケばかり。下のほうは採られてもこういうのが胞子を拡散してくれるから安心感があります。時折、下から上まで全部ナメコに埋め尽くされている木もあるそうで。


ウォォー!!!!!
更に特級追加。
なにが凄いかって

遊歩道の脇なのに手つかずというw
金曜ということも幸いしたんでしょうけど。

それがこの美しさ。
だんだん語彙がなくなってきてるのを実感する。


でゅるでゅるすっごーい!


最初のポイントは随分と苦戦しましたが、後のポイントではあっという間に山盛りになったので早々に撤収。
本気で1日やったら売るほど採れると思う。


赤だしの味噌汁うまい。


せっかくの機会なので一般的に販売されているナメコと比較してみましょう。
左上がイオンの74円ナメコ、左下が木滑りナメコ、右が今回採ったナメコの一部。
サイズこと木滑りナメコと同じくらいですが、いまだ傘が厚いぬめりの膜に覆われている違いがはっきりしています。果たして味はどう違うのか。

シンプルにバター蕎麦つゆで和風パスタで比べてみることに。
1/3くらいクリタケ混ぜてるけど気にしてはいけない。

うまい。
食べ応えが凄い。
香りはいわゆるナメコ臭があるが随分と丸い気がする。香りが丸い。
正直もっとガツンと来るかと思っていただけに少し拍子抜け。

果たして市販品のほうはどうか。

・・・・・。
これうまくね?
むしろ香りのほうはこちらのほうが明確に鋭角で、イオンのパックも木滑りナメコもいわゆるいつものナメコ臭。
普段のこのナメコ臭が美味しさとしてインプットされてしまっていると天然ナメコの香りが物足りなくなってしまうんじゃないだろうか。

大量にナメコ採ってくるとわざわざ市販品なんて買う訳もなくて、案外比べてみる人は少ないんじゃないかと思う。
少なくとも香りに関して市販品は優秀です。小粒でも香りが強く、栽培だってバカにできない。
そして小粒なものはぬめりの量も大差ない。大粒なもののぬめりに関しては天然の圧勝ですが、小粒に関しては市販品どんどん買ってよい気がします。
反して天然ナメコの香りはいわゆる市販品のナメコ臭の他に含まれる土臭さっぽい香りなどのせいか複雑で丸みを帯びた香りがします。今回1度だけでは断言しきれないので次回から注意してみようかと思いますが、木の種類や朽ちる段階、生える高さなどで風味が変わるのかも。少なくとも今回のものは小さな幼菌ほど香りが少なかった。かといって開いて膜がなくなっているものでも市販品より香りが劣った。なんなんだろうか。
もしかしたら切り離してから保管時間の経過で香りが上がる可能性もあるかもしれないので冷蔵庫で保管してからも確認してみることにする。


せっかく巨大なナメコなので串焼きでも食べてみる。

うまい。
焼くことで一度乾燥したぬめりが口の中で戻ってくるのが面白い。


なめこ蕎麦。
なめこ感ありすぎ。
一緒に入れた小粒クリタケがいい仕事して違う風味を補ってくれるのが良い。


キノコうどん。
なめことクリタケとムキタケ使用。
ムキタケもやたら生えてたけど、やっぱり状態のいい小ぶりなものだけでいいね。


キノコごはん。
詰め込み過ぎ。


冷蔵庫で2日保管したものです。
香りに変化はあるでしょうか。
・・・若干香り高くなった気がする。


なめこおろし。
うん、やっぱり若干香りが立ってる。
それでもやっぱり市販品のほうが尖った香りが強いなぁ。天然は野性味のある香り。

ところでナメコは使い勝手を考えると冷凍以外でどうやったらうまく保存できるんだろう。
エノキタケ使ったなめ茸みたいにできないかと思って作ってはみたものの土臭さが強化されてしまって、それはそれで独特なんだけど料理に流用しようと考えるとちょっとクセが強すぎて。塩漬けは塩抜きが面倒だし、冷凍庫スペースには限界があるし、まだ1か月以上もシーズンが続くことを考えると何か保存食を作りたくなるのですよね。

いろいろ慣れすぎてか脳を溶かすようなパンチはないのですが、発見の醍醐味まで含めての天然なめこかなという感じでした。
シーズン中また2~3回は行くかも。

初ナメコ狩その後


雪が積もりはじめ車の身動きが困難になるまで何度か行きましたが、ありそうでも無い場所があったり、わかるようでわからないので新規ポイントもなかなか開拓が進まず。
それでも近めの場所でポツポツと拾えたので今季は十分に楽しませてもらうことができました。


いい感じのヒラタケも道路脇に落ちてる木に2㎏ほど生えてたし


こっちのクリタケは雪の中でも元気なんだなって驚きから、掌が隠れるほど傘の巨大なクリタケが数百単位で生えてたりとか、クリタケの価値観がよくわからなくなりました。


ナメコも傘が開くとでっかい。
でもまだサイズ的には上の中~下くらい?もっと巨大なのあるし。


でもやっぱりこれくらいの開きかけが美味しいよね。
これも車で走ってて見かけた道路脇。


食べてたら飽きそうなもんなんだけど、なんとなく雪が積もりはじめてからのナメコのほうが美味しい気がしたのは気のせいなんだろうか。不凍成分が増えて美味しく変化するってことはないんだろうか。

コメントでナメコでチョコケーキとかどうですかって話があったので作ってみた。


元ネタのガッテンレシピに従って材料は安いチョコと小麦粉、ナメコに牛乳。これだけ。


サッと茹でたナメコをブィ~ンと粉々にして、牛乳と共に溶かしたチョコと小麦粉をぶっこんで更にブィ~ンとやる。ひたすら適当。
これを型に入れて焼くだけ。
ほんとにこんなんでフォンダンショコラできるんかいなと不安になりつつ待つ。

焼けたら冷蔵庫で冷やして完成。


うまい。
ガッテンのくせにほんとうにうまいのできよったわ。
口溶けは良いし、キノコ臭さも感じないので普通に美味しい。
ナメコのムチンの特性を利用しているので低カロリーというのが女性ウケも良いだろう。
呑みの席で出してみたんだけど誰も当てられなかった上に好評だった。
しかし個人的には洗うのが面倒なのでスィーツを作るのはあまり好きではないのだね。たくさん一度に作る場合はいいけど、これひとつの為に毎度洗い物するのがめんどくさいんよね。誰か作ってくれるなら何度でも食べます。そんな味でした。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 17 )
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  1. めっちゃ参考になります。
    今年からきのこ狩りを始めまして、最近初めて天然なめこに当たりました。
    めっちゃ感動しました〜!

  2. 最近このブログを発見し、楽しく読ませていただいております。
    つかぬことをお伺いいたしますが山菜を取るとき、山の管理者に許可を取っておりますか?
    ホタルイカの記事でそういったことにはきちんと気を配る方だということはわかっております。私もキノコ狩りには興味があり実際にするときに参考にさせて頂きたいです。ぜひご教授ください。

  3. 完全に「キノコ祭り」ですね(笑)
    キノコ狩りなんて20年以上、行ってません。
    牡鹿に遭遇し撥ね飛ばされたり、沢に転がり落ちたり、猪に遭遇して登った木から降りられなかったり、ツキノワちゃんと遭遇したりとトラウマが重なり行かなくなりました(笑)

    私にとってキノコ料理の鉄板は「鍋」ですね!
    ※鶏肉か豚肉で!
    休日2日間はキノコ鍋でつゆは残します。
    その後3日間は朝は蕎麦、昼は会社で白飯にツユぶっかけチンして生卵をおとしてオジヤ風、夜は煮込みうどんにしてました。

    記事を読んでいたら懐かしくもトラウマも蘇ってきました(笑)

  4. 素晴らしい記事!
    ナメコの旨さが伝わってくる!

  5. きのこ類の保存でしたら冷凍以外なら塩漬けはどうでしょう?
    常温保存で良いし1年はもちます
    とれたきのこは片っ端から塩漬けにしても1年経たずに食べきってしまう美味さですが

  6. キノコは可愛いし美味しいし最高ですね~(*^-^*)
    なめこってこんなにわんさか生えてるもんなんですね、キノコに
    詳しい友人がいるので今度採取に連れて行ってもらいます!

  7. もしも食用菊が手に入るなら、是非菊なめこを作ってみて下さい!
    別々に軽く茹でたなめこと菊を鍋に入れ、醤油と麺つゆを2:1くらいで味付けし弱火にかけて少しグツグツしたら完成です。
    なめこの香りと菊の香りが見事に合わさって美味しいですよ〜
    冷たくても温かくても美味しいですが、個人的には冷たい方がとろみが強くて好きです。

  8. ナメコ食べたい…ずるいです…(?)
    私は毎年妙高の方へキノコ狩りに行くのですがナメコは激レア枠のイメージです。
    取れるのですが、量がないというか…お写真のような木にびっしりというのを見たことがないです。
    見てみたいなぁ…せつなさんのキノコ狩り1度ストーカーしてみたいです(^_^;)

  9. 大収穫のようで。楽しそうで何よりです。
    >こんなの間違えて採っていく人はキノコ狩りなんて向いてないのでやめたほうがいいでしょう
    というくだりには、学生時代サークル活動に打ち込んでたところ「お前才能ないからやめとけよ」と冷水浴びせられて、結局普通に就職活動して一般企業で骨をうずめることになった人間に共通するトラウマえぐられた気分でちょっとアレでしたが。
    まあよく見れば区別はつく…かな?「クリタケと迷ったらちょっと齧って苦かったら捨てで」って知識もありますが。
    …なんか機会があればキノコ狩りとかやってみたいなと軽い気持ちで考えていたところ、このジャンルは結構敷居が高いぞ(間違った用法)と思ってしまいましたが果たして。
    やはりキノコに詳しい(それもその地域に発生するキノコについて熟知している)人間を探すところから始めないといけないんでしょうか。

  10. 関東が羨ましいと以前言われていた気がしますが、
    これはこれで楽しくない訳が無いですよね(笑)。
    キノコかぁ、そそられるなぁ。

    栽培物でも美味しいのはありますよね。
    サイバイマンもヤムチャ倒せますしね。

  11. 串焼きで「一度乾燥したぬめりが口の中で戻ってくる」とありましたが、だったら思い切って干しなめこ(乾燥なめこ)なんてどうでしょう。シイタケよろしく干すことでうま味が増すかもしれないし、調理時にぬめりも復活するんじゃないでしょうか?保存食の実験として、是非。

    • https://kinokonojikan.com/dry-nameko-10572.html

      乾燥なめこ、あるみたいですね。ぬめりは薄くなるみたいですけど。

      • >擬宝珠さま
        情報ありがとうございます。僕は一度も見たことありませんでしたが、ちゃんとあるんですね~。ぬめらなくなるメカニズムなど、余計に興味がわいてしまいましたw

        では主様、戻してもぬめりにくいとのことですし、乾燥なめこを醤油に漬け込んでだし醤油などつくってみてはいかがでしょう??うま味が出れば、使える調味料になるかも。

  12. >せっかく巨大なナメコなので串焼きでも食べてみる。
    ナメコの串焼きなんて初めて見ました。

    そりゃあ理屈ではそうなんでしょうが、マッタケの丸かじりと同じくらいに違和感がw

  13. 以前ニュースで「売ってるなめこを生のままなめこおろしにしたら腹壊した」なんてのを見た気がするのですが、今回のせつなさんの調理は生のままですか?
    一度加熱処理してますか??

  14. わー、夢みたいです、ナメコ。元気な頃は東京から新潟まで採りに行ってました。あとは塩ナメコ(塩炒めみたいなの)くらいでしょうかね。赤出汁、味噌汁が一番好きですが、あの土臭さは、辛くない程度の少量の一味唐辛子で昇華すると思ってます。市販品は、pH調整剤由来と思われる酸味みたいなのが無ければ美味しいと思います。あとは付いてる樹種で風味の違いあると思います。品種は柄の太いずんぐりしたやつが美味しく感じますがよく分かりません…

  15. 秋田の親戚がとれすぎたなめこ缶詰にしてました。自家製缶詰作れる場所があるみたいです。根曲がり竹も缶詰いけるみたいですね。

コメントしたければしてもいいのよ?(カエストハイッテナイ)

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