ざざむし。





謎の巨大イモムシを食べてみた

ガイアナ協同共和国遠征時、現地の誰かが捕まえてまわってきた虫がいた。

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でかい
(小並感)
そして控えめに美しいカラーリング。
どう見ても刺す気満々の毒虫系の幼虫だ。

例によって全く専門外なので何の幼虫だかサッパリわからない。

有毒生物は大きく分けて2つだと思っている。
1)食われて殺す、または苦しませて学習させるタイプ
魚ならフグなど、鱗翅目ならジャコウアゲハやカバマダラなど。体外に武器はないが体内に強い毒を持つもの
2)食われる前に攻撃して身を守るタイプ
魚ならオコゼなど、鱗翅目ならイラガなど刺すタイプの毛虫。昆虫ならハチなどもこの部類。

1)はどうやっても食べられないか、処理方法を知っていないと食べられないことが多い。
2)の場合、有毒部位が明確なのでそれさえどうにかしてしまえば食べられる場合が多い。
1)2)の複合のものもいるだろうが加熱が無効な複合タイプは数少ないと思う。

毒があるからといって必ずしも警戒色であるとは限らない。
攻撃的でないにも関わらずカンタリジンのような致命的な毒を持った虫も普通にいる。
つまり、全く知らない生物の場合、毒があるという判断がつきにくいものほど安易に食べるのは危険ともいえる。

そこでこの幼虫を見てみよう。
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ヒロヘリアオイラガの毒針に似た形状の硬く鋭い棘が規則正しく大量に並んで装備されている。
見た目だけの毛虫ではなく、明らかに食われる前に殺る系のイモ虫だ。
色は若干、警戒色と捉えられなくもない。

しかしこれだけ食われる前の防御をしているタイプならば、確率だけで考えると逆に食べられる毒虫ではないかと思った。
私の本能がそう囁いた。
刺毒だけならば熱変性するタイプの毒である場合が多いからだ。

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気になるも、電波がないので調べることもできず。
ネットに入れて放置していたら糸を吐きまくり、蛹化しそうな雰囲気になってしまった。
蛹になってしまったら揚げてスカスカ、茹でてどうにかといった想像がつく。
まだ間に合うか?

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おそらく毒は問題ないだろうと考え、しれっと揚げてみたら元のサイズに伸びたw
毒針らしき棘は殺る気満々なままカラッと揚がった。

何故、食べられるかどうかもわからないものを食べるのかと聞かれることがある。
草食の昆虫などはある程度食草が決まっているものが多い。動物でもコアラなどはそうだ。
しかし肉食・雑食の生物となると多くのものは口にして食毒を判断している。
食べられるか否かは本来、生物が生まれ持った判断能力で行っているものだと思っている。
先入観などというものは未知の美味さや栄養素との遭遇への弊害でしかない。
それは危険回避能力を他人に丸投げする退化へと繋がるのではないか?

・・・といった表向きな理由を盾に言おう。
そこにデカい蛋白質があったら食べてみたくならないか?

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イラガでも同じだが、どんなに強力な毒針でも昆虫の毒針なんて揚げてしまえば無力。
バターがあるなら炒めても大丈夫。
同時にタンパク毒だとしたら無毒化もできる。
油がない環境であれば丸焼きにして、焦げた棘を払ってしまえばだいたい問題ないはずだ。

あくまでも、今回は正体不明なので仮定の上だから決して真似はオススメしない。
でも、強力な毒棘を外部に持つものは体内のみに毒を持つものより安全に食べられる可能性が高いので、極限状態ならば、よほどの警戒色でもなければ逆に選択的に毒虫を食用にするのもアリだと思う。
知らない地で食物を探す場合、見た目だけで有毒無毒を判断することは非常に難しいが、私には有毒アピールが逆効果な例だ。
重ねて言うが、これは持論なのでなんの確証もないからオススメはしない。
例外に当たれば死ぬこともあろう。

そんな感じでいただきま~す。

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毒棘らしきものと共にパリパリと咀嚼する。
棘は香ばしくなっている。
皮は若干もっちりしているな。
中身は・・・バッタの卵みたいな味がする。
何もしてないのに味は濃いほうで、蛹化手前になってなかったらもう少し食べ応えはあったかもしれない。
数匹いたら軽く塩振るだけでよいツマミになるね。

人一倍胃腸が弱いので問題があれば簡単に腹を下す自信はあるのですが、結果は問題なし!
ところでこれ、何の幼虫なんですかね?w
これで無毒だったらそれはそれでウケるんだけど。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 10 )
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  1. 画像検索ですとこんなのも居ました、ガイアナの隣のベネズエラの虫っぽいですが
    http://takashi1016.com/wp-content/uploads/2014/04/Automeriszurobara5ltd.jpg

    なんかこの画像の虫はガラガラヘビ並みの猛毒なんだとか。

    • これまた随分似てますね。
      まー、毒あったとしても加熱でどうにかなる毒なら何も問題ないですが、毒成分次第ですね。

  2. >バッタの卵みたいな味がする。

    わかるか。

  3. アニキさすがっすわー!!

  4. それも食べてたんですか!
    さすがです。

    なんて種類なんでしょうね・・
    画像だけで調べたら

    https://www.google.co.jp/search?q=Io+Moth&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjExpvm9d_LAhUBqJQKHSX3AgoQ_AUIBygB&biw=960&bih=537

    これじゃないですよね。
    いもむしは脱皮するごとに見た目が変わったりするし。

    ちなみに以前出てきたバッタは、
    Tropidacris cristata
    っていうらしいです。

    http://gallery.kunzweb.net/main.php?g2_itemId=23762

    • なるほど棘一塊の形状はすごく似ていますね。
      すると同じじゃないとしてもヤママユの仲間なんでしょうか。
      ヤママユの仲間で毒あるやつっていたっけか?
      美味しくて当然みたいな結果になる可能性がw

      • 美味しくて当然!?
        さすがですね!

        • ヤママユっていうとサクサン、エリサン、シンジュサンからモパニワームまで美味しかったり既に食用として定番化してるのが多数いるので美味しいイメージしか湧かないですね。

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