ざざむし。

拾ったスッポンを雨の中で御飯にしてみた件

沖縄で激しい雷雨の折、散策していて前方に目に入ったものがあった。
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野良スッポンである。
沖縄にいなかった動物であるから、本来なら飼われているものしかいるはずがないのである。
だからこいつは紛れも無く野良スッポンなのだ。

そんなことより、こいつこんな所で一体何してるんだ?

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近付いても全く逃げない。
産卵しているのかとも思ったが土を掘ってるでもないのに動かない。
川からは越えられない柵も鋏んで離れている。

よくわからないが御飯に決定なのは確かである。

大雨なので川も殆ど濁流だし、調理に向きそうな水源の確保に困る。
前日走り回っていて気付いたイレギュラーな水源がふと思い浮かび、移動した。
うん。
飲料水には向かないと思うが、なんとかなりそうだ。

沖縄スッポン03(-人-) 命、いただきます。
口をフィッシュグリップで挟み、引き伸ばし、まず斬首。
以下、雨の中で傘差しながらやっててめんどくさいのでしばらく写真なし。
スッポンのさばき方なんて調べればどこでも見られるだろうし、問題ないでしょ。

背甲とエンペラの付け根に沿って背中を刳り抜く。
膀胱と胆嚢を絶対潰さないよう注意しながら消化管を取り除き、肝臓と心臓を取り分ける。
腸は裂いて洗う。
四肢を取り外す。
卵も取り分ける。

沖縄スッポン04大量のキンカンに混ざって殻付きの卵が32個も入っていた。
やっぱり卵を生みに来たのかと思われる。
殻付きのスッポン卵は初めてなのでどうしようか。

沖縄スッポン05甲羅に盛って、解体終了。
スッポンは捨てる所が少ないし、解体が楽なので優秀な食材ですね。

ちなみにどこで解体していたかというと・・・

沖縄スッポン06工事現場で地下から汲み上げ出しっぱなしの水でした。
ちょっとアルカリっぽい感じだったかな。

解体さえ終わってしまえばどこでも調理できるので、山を挟んで風下の海岸に移動しました。
まず海水を少々沸かして甲羅や手足など、表皮のある部分を軽く湯引きします。
海水も時化のせいで若干濁っていましたが、ここで使用する分には問題ないです。
湯引きしたら海水は捨て、ようやくミネラルウォーターを沸かしにかかります。

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ミネラルウォーターが沸騰するまでの間に、湯引きした甲羅などの表皮を剥いていきます。
日焼けの皮を剥くようにペラペラと気持ちよく剥けますので、手足、頭まで取り残しのないよう全て剥きます。
これを怠るとせっかくのゼラチンの食感も悪くなるし、臭味の原因となります。
逆に言うと、血抜きと薄皮剥きさえしっかりしてあれば、汚い場所で捕れたものでない限り泥抜き飼育をしていなくてもそんなに気にならないことも多いです。

沸騰したら、具材を放り込み、煮込んでいきます。
今回は何にでも使えるだろうと初日に買った僅かなものしか材料がありません。
野菜はネギのみ、調味料は醤油、そして塩ラーメンの粉末スープ。

インスタントラーメンは緊急食材として有能で、それ単体を食べることも勿論なのですが、スープを使って調理し、最後に麺を入れて締められるので一つ持ち歩いていると非常に重宝します。
油揚げ麺ならば最悪の場合そのままバリバリと食べることもできますしね。
塩ラーメンか醤油ラーメンが食材に対する応用力は高いですが、行くフィールドによって遭遇する可能性の高い食材に合わせたものを想像して準備しておくと役に立つ時が来るでしょう。
たまにしか行かない遠征先で、いちいちバラで調味料なんか揃えたって使いきれず無駄になりますからね。

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煮込んでいきますが、スッポンが大きすぎて甲羅が鍋に入りきりませんでした。
ギリギリまでエンペラを削ぎ落とし、ほんとにギリギリ落し蓋状態に格納成功。

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いい感じに出汁が出てきました。
野菜がもう少し充実してるなら醤油だけでもいいのですが、今回のようなケースでラーメンスープの存在は完成度を容易に上げてくれるので助かりますね。

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しかし時間がかかります。
あのスッポンのプルプル感はちょっと煮ただけでは現れてきません。
最低でも1時間以上、できれば2時間は煮込みたい。

暇すぎる。
ということで、この間にアフリカマイマイを拾ったりしてました。

沖縄スッポン11そのうちまた雨が酷くなり、傘を鍋に奪われた。
マジでやることがない。

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完成~♪
ちょっと水分減りすぎたので、この後濃縮還元しましたがw
仕上げにカラムシの新芽を適当に入れて共に頂きました。

いやぁ、プルップルです。
味も申し分ないですね。
生姜も何もない、ネギだけだったのにこの臭味のなさは幸いでした。

沖縄スッポン13仕上げは残った麺を放り込んで一煮立ち。

確定した食材ありきでない限り、万能性を求めるならばノンフライ麺はダメなので注意しましょう。
今回のような場合はノンフライだと悲劇を生みかねません。
私はノンフライのほうが圧倒的に好きなのですが、ケースバイケースというやつです。

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ちなみに卵ですが、32個全部茹でてみました。

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卵管に入ったままだったものなので、茹でたらアクが出ましたが食べるのは中身なので関係ないです。
しっかり茹で、割ってみましたが白身が殆ど固まらない。
カメ全般にいえる共通点のようです。

正直なところ、カメのキンカンは煮ても美味しくない。
鶏のように黄身が締まって食べ応えが強くなったりはしないんですよ。
膜の中で分離したように固まって、口の中で液体と共に粉になるようなよくわからない物体なのです。
だから食べるなら生なんだろうけど、いろいろ安全性を考えると野生動物の生摂取は控えたい。
特に淡水生物はヤバい。

ところが、殻付きの卵はしっかり茹でたにも関わらず、卵黄が半熟のようにトロリとしていて濃厚でした。
これはいい。

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食べきるのも勿体無いし、満腹状態なので無理。
ということで、醤油漬けにしてみた。

キンカンのほうも美味くならないのがわかっているから一部しか鍋に入れなかったので、大部分を生のまま高濃度のザラメ醤油漬けに。
まだ数日は冷蔵設備のない状況で過ごすけど、これならなんとか保存も効くんじゃないかと。

そして、実はスッポンが大きすぎて足2本が鍋に入らず余っていたので、これも軽く醤油漬けにして散策を再開したのです。
半日後の御飯時、再びスッポンの出番です。
例によって外で適当に作ります。

途中のコープで食材の買い足しができました。
まぁ、最小限にしか買わないんですが。
片栗粉と、袋いっぱいに入って200円というバカ安だった青パパイヤの線切り、やっすいパプリカ、あとは100円の黒酢炒めの素を購入。
素系は普段の料理では使わないんですけど、やっぱりこういう時は残らなくてとても便利ですね。

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軽く醤油漬けになっていたスッポンの手足の肉をバラし、片栗粉をつけて少量の油で炒め揚げにします。
表面がこんがりしてきたところでパパイヤ投入。
熱が通ってきたところでパプリカ投入。
全体にいい感じに熱が通ったところで黒酢炒めの素を入れて一気に仕上げ。

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ばい。
文句なしに美味い。
もっちりしていて弾力があるのに歯切れはよく、それでいてかなりジューシーで旨味が強い。
何に似てるかと言われてもスッポンはスッポンでしかなく、あえて言うならカメ味なのです。
単に唐揚げで食べるのもいいけど、実はスッポンは酢豚風にしても美味いのです。
私は酢ッポンと呼んでいますが、酢ッポンが美味いならこれでも美味いだろうと思ったら大正解でした。

実は鍋いっぱい出来ちゃって、2食これで済ませることに。
文明の利器も適度に使うと効率が良くていいですね。
安上がりな割にはわりと満足のいく食事になったので、スッポンの存在に感謝。

 

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 8 )
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  1. アオダイショウ

    はじめまして
    いつも楽しく拝見させていただいております。
    ウチの地元では、スッポンを捕まえていると百姓が「すっぽんは俺たちが放流してるから採るな」と怒鳴ってきます。ちなみに高速道の高架下の水路でも因縁つけられました。あいつら天然ものと自分達の放流したものをどうやって見分けてるんでしょうかね。

    • 地域によっては漁業権魚種になってるところもあるみたいですね。
      正しい人も間違った人も世間には混在してるので調べてからのほうがいいでしょうね。
      後々めんどくさいし。

  2. スッポンレポートありがとうございます。

    まさかのインスタントラーメン投下、屋外調理法としては実に合理的ですね…。

    ウチのよく行くウナギ&ナマズポイントにもスッポンや、野良カミツキが時たまいるようなんですが、狙うとなるととたんにハードル高くって…釣れども釣れどもメガサイズのミドリガメ!!

    いつになったら調理出来るのやら…(^^;)))

    それにしても、沖縄でリリースした個体、あのはしっこさが本来の姿ですね。

    産卵を意識したメスが拾えるくらいに鈍くなるとは驚きました。

    • あれ?レス忘れてましたね・・・

      ついにスッポン釣れましたね!
      あのサイズなら結構食べ甲斐あったでしょう。
      一人だとエンペラが飽きていかんです。

  3. スッポン、食べた事無いんですよね。

    昨日、沼でスッポンが釣れたんですが、泥抜きで持って帰るには、大きすぎて・・・・。そして威嚇もされて怖かった。

    せつなさんが食べてると美味しそうに見えて、スッポンを調理できればと後悔。

    子供が4人も居るんで、きっと大怪我するからと諦めてリリースしてきました。

    まずは、お店で食べてみよう・・・・(涙)

    • たま~に巨大なの釣れますよね。
      あまり大きすぎても食べ切れなくて手に負えないので私もリリースしてしまいますね。
      パワーも格段に上がるので怪我しないようにだけは注意が必要ですが、慣れたら楽です。
      家族が多ければ大物でもなんとでもなるので、慣れたら是非試してみてください。

  4. 楽しい記事をいつもありがとうございます。

    すっぽんの卵は自分も食べたことありますが、自分の場合は少し癖があるのが気になりました。
    個体差なのか、好みの差なのかよくわかりませんが。
    (数人で食べて、気になったのは自分だけだったので、好みの差の可能性が高いですね)
    目玉焼きとゆでたまごで食べてみましたが、卵の購入先の方は「孵化させて育てるために購入するお客しか今までいなかったんだけど、食べるの?」と不安がってました(笑)

    すっぽんの身、美味しそうですねー。
    うらやましい(笑)

    • 家畜にしても野生動物にしてもエサでだいぶ変わったりしますしね。
      カミツキの卵も同様に濃厚らしいんですよ。
      しかし購入してまで食べてみるとは、なかなか物好きですねw

コメントしたければしてもいいのよ?(カエストハイッテナイ)

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