ざざむし。

怪しい話を耳にしたのでシュロを食べてみた

シュロはヤシ目ヤシ科ヤシ属の総称で5種以上が含まれる。
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時に黄色い細かな実をたわわに実らせ、鳥に運ばれるのかあちこちに生えているのを見かける。
常緑で低温にも乾湿にも強く、成長は遅いが大きく育つので増えすぎると駆除が大変な帰化植物だ。
幹を取り巻く皮の荒い繊維は腐りにくく、耐火性や耐潮性もあり手間がかからないので各地に植えられているが、放置するとひたすら伸びる。
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放置しておくとどんどん伸びてこんな状態になったりする。
そのうち電線ごとなぎ倒しそうだ。

ある日、知人が頼まれて伐採したシュロを燃やしていた時に良い匂いがしたそうだ。
あまりに良い匂いなので「これ食べれるんじゃね?」と、二人で試しに食べてみたらとても美味しかったらしい。
しかし問題はここからで、その後二人共4時間くらい全く記憶がないそうだ。
それ食っちゃアカンやつなんじゃないの?www

これは試してみねばなるまい。
シュロは先端部分しか成長点がなく枝分かれもしないので、切ってしまうと枯れてしまう。
庭先のシュロなどは伐採依頼でもなければカットする訳にいかない。
が、探せばあちこちに野良シュロが見られる。
%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%83%ad02こんな感じの竹薮とか
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放置されっぱなしの河川敷とか。
美味いかどうか知らないが、あんな小さな実でも鳥のエサにはなっているんだろうね。
草刈ついでに少し頂いてきた。
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最初はシュロの芽の部分と聞いていたのだが、改めて飛び出ている芽の部分を切ってみると、明らかにこれじゃない。
広がる前の薄い葉が扇子のように束ねられた状態で生えてくるだけで、明らかに焼いただけで美味しくなりそうにはない。
というか、とてもじゃないが食べられそうにない。

「伐採して燃やしていた時」ということだったから、幹に埋もれている部分なのではないか。
ということで幹の上のほうを試食用に鉈でぶった切ってきた。
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ほほう。
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ほうほう。
これは確かにひょっとするとひょっとするんじゃなかろうか?

さて問題である。
本当に昏睡に至る可能性があるとすると、食べる量を誤った場合、深昏睡を超えて戻ってこれないかもしれない。
昏睡とは、脊髄反射以外、外部からどのような刺激が加えられても反応がない状態とされる。
意識障害の深度の分類である Japan Coma Scale(JCS)で100~200程度で済めばいいが300を超えて便も無意識に垂れ流す状態になったら相当ヤバイ。
そうなったらいっそ戻ってきたくない。
あまりに得体が知れないので、さすがに少量ずつしか試せないな。

ひとまず、焼いてみてから考えよう。
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ファイアー

一瞬で表面は燃えるんだが、表面の1~2枚の皮が炭化するとそれ以上は全く燃えない。
不思議だ。これが耐火性というやつか。
それでも熱くはなってるので中身は焼けているとは思うのだが、生焼けで中毒とかいうのも困る。
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ダンボールやそのへんの枯草を盛って更にファイアー。
なんやかんやで1時間くらい焼いたはず。
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あぁ、確かになんかイモっぽい香りがする。
しかし、掘り出したシュロの皮を数枚めくってみると全く焼けた気がしない。
これは凄いな。
シュロそのものは様々に利用されているけど、この性質や構造もやっぱり何かに利用する為に研究されたりしてるんだろうか。
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食べられる部分が出てくるまで剥いていきます。
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剥きます。
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剥きま・・・・・・えぇっ・・・
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しかも食べられそうなのはこの柔らかく曲がる部分から根元だけか?
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曲がる部分より先を噛んでみると、硬くなりすぎたホワイトアスパラみたいに外が硬く、中だけがかろうじて食べられる感じ。
面倒だから捨てよう。
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結局、3本焼いて食べられそうな部分がたったこれだけ。
まったくもって労力に見合わない。
左の長いのが葉の素、右が幹の成長点周りだと思われる部分。
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まずは細い部分、葉柄と言ったらいいんだろうか?
デンプン質にほのかな青さを含んだ甘い香り・・・なんだろう。どこかで嗅いだような感じがする。
茹でトウモロコシの胚とヒシの実の味を足して、更にタケノコの姫皮の香りを加えたような風味か。
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葉が束になった所の歯応えは繊維が切れるザクザクという響きがなかなか面白い。
ただ、ちょっと欲張りに切り出すと硬い部分が混ざってくる。
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次いで本当の成長点にあたる部分。
見た目は生姜みたいだが・・・
タケノコの根元のほうの薄切りを食べているような歯応え。
焼いていた時の香りが染み込んでいるのか、サツマイモのおこげのような香りがする。
甘味は葉柄ほど強くなく、何食べてるのかわからない。

うーん。
悪くはないんだけど、なんともインパクトが弱い。
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天麩羅にしてみたらどうなのか。
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おふぅっ

どこから出てきたこの苦味
甘さの中からブワッと広がるほろ苦さ。
このほろ苦さは好みだ。
ザクザクという歯応えはそのままだから、ベビーコーンをクセのある山菜っぽくしたような感じに近いか?
かなりアリ。
でもまぁ、草刈ついでの副産物ならまた食べてもいいかなと思うけど、手間を考えるとあえて採って食べるほどのものではないな。

で、問題の副作用が出るのかどうか。
眠らないようにしようと思っていたのだけど、気付いたらいつもより早く落ちてて6時間寝てた。
でも普通に疲れていたし、原因がこれというには全く説得力がない。

シュロの若い花序は食用になるらしいから、そんなに怪しい成分が入ってたらとっくに問題になってる気もするんだよね。
とはいえ、一部のキノコのようにアルコールと同時摂取すると中毒するなどの食べ合わせが問題になる食材もあるので未知のものはあまり一度に食べ過ぎないようにはしたほうがいいかもしれない。よだれキノコが脳裏をよぎる。

いままでシュロなんて食べ物として認識したことがなかったから、今度は素直に手間のかからなそうな花序を食べてみたいね。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 16 )
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  1. また体を張ってますねー(;^ω^)
    しかし2時間も焼いて煙を吸っていたら、煙でトぶ可能性もありますねw
    笑いが止まらなくなるとかでなく、記憶が飛ぶだけだと利用価値は低いですが・・・

  2. ミッキーアイル

    新しい麻薬成分なんかも見つかるかもですね(^-^)

  3. もうちょっと長いやつですよ〜
    1mくらいのを焼いてたらうまそうな匂いがしてね。
    2時間ぐらいストーブで焼いてた記憶が、、、

    • 3本中1本だけ、あの写真のやつだけが本当の幹の芯らしきものが残っていました。
      要するに芯が全部食べられそうですね。
      確かにあそこだけ焼き芋みたいな香りがしてましたし。

  4. 近所の街路樹なんですが樹皮やら葉が散乱して近隣住民のヘイトを集めてます。

  5. 毎年春になるとシュロの花芽?を旨そうだな~と眺めていましたが、やはり食用になるのですね。
    色々調べて来年食べてみよう。

    エンゼルトランペットやハシリドコロの誤食で同じように意識が飛ぶと聞いたことがありますが…
    シュロも季節によってスコポラミンでも蓄えるんですかね?

  6. なんだかとんでもなく人生を楽しんでますね
    僕もこういう楽しみを知りたかったなぁ…

  7. ヤシの実と聞くと台湾でかじったビンロウを思い出しました。
    口の中が真っ赤になって心臓バクバクして刺激的な体験でした。
    凄い不味かったのを覚えてます。

  8. こいつの樹皮を黒焼きにして鼻に詰めると鼻血が止まるらしいですね。
    ヤシ類の新芽の中には中毒するのがあるとか言いますのでご用心くださいませ。

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