タイトル出オチ。
先日のタケノコ狩りの際、竹薮の中の所々にヤブニッケイが生えていた。全然気にしたことなかったけど、これがヤブニッケイなんだそう。
こんな所に生えて大樹になれるとは到底思えないのだが。
なんてことない葉だが、葉を千切って軽くクシャッと揉んで嗅ぐと覚えのある芳香がする。
そう、生八橋そのものだ。
急に生八橋で入れたての緑茶をすすりたくなった。
しかし、実際の八橋の香りであるニッキはニッケイのものでヤブニッケイではない。
ニッケイはいわゆるシナモンと同類なのだが、樹皮や根に強い芳香があり、香辛料にも使われる。
同じような香りはあるがヤブニッケイはそれらより弱いとされ、香油を取る種子以外は建材や庭木にしか利用されていない。
私はどちらの生葉も嗅いだことがないのでどっちがどの程度の香りなのかはよくわからない。
でもこんなに香ってるなら、意外に使えたりしないのかな?
干してみる。
経験上、生の葉を加熱してしまうと青臭さが出てしまうことが多いからだ。
青臭さが飛ぶのと同時にニッキ香も飛んでしまわねばよいのだが。
カリカリに乾燥したものを揉んでみた。
凄い!
まだ全然ニッキの香りが飛んでない。
これだけ香ればなんとかなるかも?
量が少ないので抽出できるほどではないし、そのまま1合のもち米にぶっ込み、炊いてみる。
もくもくと炊飯器から立ち上がる湯気からは猛烈にニッキの香りがする。
隣の部屋にいてもわかるくらいニッキだ。
これは期待が高まる。
蒸らし時間も終わり、炊飯器を開けてみる。
・・・・・なんかちがう。
蒸気はあんなにニッキそのものだったのに、開けたら香りの半分が柏餅だ。
犬に好物を見せてハイテンションになったけどイミテーションだった時に生まれる真顔な雰囲気に包まれた。
なんだこれ
マウンテンじゃないんだから。
見た目は完全に餡子丼でしかない。
しかし失敗とわかってて餅にする気力もない。
口に入れると、柏餅と八橋とおこわを一緒に食べてる味がする。
つまりは全ての香りが薄まって混在していて微妙極まりない。
どうしよこれ・・・
ココナツミルクでらいすぷぷぷぷぷぷでぃんぐにしてみたが・・・
あぁ
これならイケるわ。
ココナツの風味とニッキ香が手をとって柏餅香を踏みつけてくれている。
普通に美味しい・・・けど
これって普通にシナモン振るだけでいいじゃねーか。
ということで、やっぱりヤブニッケイの使い道は微妙だなぁと思っていたら、ヤブニッケイではなく実はニッケイそのものだったらしい。
そりゃ香り強かった訳だよね。
とはいえ、いずれにせよ結果は結果で炊き込んでも美味くない。
だが葉で餅を包んだ肉桂餅は香りが良くて美味いらしいが下処理が不明。
確かにあの香りが活かせれば美味そうだが。
調べてみると、ニッケイもヤブニッケイも油を取るのに有効な部位は樹皮や根皮で、香りの主成分はいずれもシナモンアルデヒド。
ただしその含有量が倍くらい違うようだ。
逆に言えば、2倍程度しか違わないので例えヤブニッケイだったとしても使い方次第では化けそうである。
うんこのニオイ成分のひとつスカトールが薄めればジャスミン茶の芳香になるのよりずっとハードル低くて期待値はある。
うんこからジャスミン茶を作るのはYouTuberさん達にでも任せたい。
蒸らしの段階で入れてみてはどうかという話があったので再チャレンジ。
開けた直後の柏餅のような香りが非常に薄く、ニッキ香が強い!
食べてみると、さすがに八橋ほど強くはないが、それでもニッキの香りはかなり移っている。
しかし
香りが強く移ったのはせいぜい表面1cm程度だけだった。
やはり濃度の問題が大きそう。
月桂樹の代わりに使えるという話もあるし、根本的に葉の用途には限界があるのかもしれない。
採りすぎて丸坊主にする訳にもいかないから、その辺りが妥協点なのかもね。
ヤブニッケイといえば南九州では香りを餅に移して食べる「けせん団子」でよく利用されてますよ。サルトリイバラの葉を使う「かからん団子」もよく見ます。
実際使ってみた感じ、フレッシュな状態の香りが最も爽やかで良かったので、けせん団子はまさに最高な使い方かと思います。
かからん団子はどんな風味なんですかね。やっぱり柏っぽい想像しかできないんですが。
かからん団子の風味ですが…記憶ではけせん団子と同じくニッケイ系の強い香りだったと思います。私は北九州なので常日頃食べてるわけではなくて…。来週宮崎に仕事で行きますので、その時に改めて食べてきますね。
初コメです。
最近こちらのサイトを発見して時間みつけては巡回して楽しんでいます。
最近街から山に移住したので(もともと田舎県の地元民ですが)
自分もあれこれ参考にしてみたいとおもっておりますw
今回のもち米は炊いたんですね。
蒸篭で蒸す方式で、その際に米の下に敷く感じであれば、もっと香りが移ったかも…と思いました。
今後とも楽しみにしています。
実家で餅つく時は薪で蒸してるんですが、単身の借家じゃめんどくさくてですねw
しかし確かに下層に敷いて蒸せばだいぶ変わりそうですね。
炊飯器だと思わぬ弊害も生じて、実はその後3回くらい内部にニッキ臭が残ってしまって米がかすかにニッキ臭いという残念な食事が続きました。
スカトールってなんなんだってばよ!?
と思ったらジョークじゃなかったんだってばよっ!!1!
あっはっは、名前も含めてこいつぁやべぇ(笑)。
このテの成分名って安直な感じなの結構多いですよね。
初めてコメントさせていただきます!
最近この場所を知っていろいろと感動しました!
勉強にもなって楽しいのでこれからもいろいろなものをお願いします!(笑)
ありがとうございます。
気が向かないと何もしませんが、気が向くうちは何か上げてくと思います。
ホットカクテルに浮かべたら行けそう。
いい感じにマウンテン感出てますねwww
焼酎ロックに入れたらひやしあめちっくなものになりそう
画像の植物は本物のニッケイと思われます。ヤブニッケイは葉はもっと短めで匂いも生八橋を創造できるものではないです肉料理にの臭み消しに使えるような匂いです。。
ご指摘ありがとうございます。
本文中にも伝聞めいた表現がある通り、今回はわりと専門の方の案内だったので鵜呑みにしてました。
http://elm3.web.fc2.com/top/ruijisyu-miwakekata-hoka/kusunoki-nikkei-yabunikkei-sirodamo.html
どうもニッケイっぽいですね。
ヤブニッケイの香りは嗅いだことがないのでなんともいえませんが。
このままという訳にもいかないので2~3日中に本文変えておこうと思います。
助かりました。
竹やぶで香る微妙なスーッとした匂いの正体はこれでしたか!タバコ・・・には、なるまいねwww
どうなんでしょうね。
傷つけないと特に香ったりはしませんでしたが、超感覚の人なら感知できるのか?
犬のくだりが柴犬で鮮明に脳内再生されてしまい、麺を鼻からテルっと出しかけました♪
んもぅww
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ
(真顔)
お、おではカシワモチすきでごわす。
ところで1枚目の写真、ワイドめな画角での撮影と思いますが、
後ろの竹とかを見るに歪曲が少なくて気持ちがいいですね。
あー、久しぶりに写真撮りに行きたくなってきた。
柏餅は柏餅で好きだけど、混ざってるからアソートパックの匂い移りみたいな感じが。
写真はあんまり意識して撮った訳でもないですけどね
ヤブガラシは辛子の代わりにはなりません。それと同じですね
あれはあれで美味しく食べられる用途あるけど芥子じゃぁないですね
ヤブミョウガがミョウガの代わりにならないのと同じですね。
ヤブはヤブ医者に使われるくらいですしね