ざざむし。





湯上りビールにアブラゼミ

昆虫食としては物凄く基本的なものなので早めに。
初めて食べた頃の話は過去のざざむしでも見てくだされば。

セミの幼虫も、植木屋でもない限りは完全に旬の食べ物となる食材。
イナゴ・ハチノコ・ザザムシ・カイコ・サクラケムシと並んで、昆虫としては比較的まとまって採れるから食材として成立する部類だと思っています。
セミは初夏の日暮れから木に登り始めるので、そこを襲います。
せっかくこれから大空に羽ばたけるのに、そこで採ってしまうなんて残酷だという話もあります。

でも時間軸だけで見れば、5年前後生きてきて最後の2~3週間です。
人間なら79年生きてきて余命1年と宣告された時、
「わしゃ空が飛びたい。スカイダイビングしたい!」
と言って家族に反対されてショックで1週間後に他界しましたみたいなもんです。
仕方ないねー。

よく出る場所なら日没から30分~1時間歩けば数がまとまります。

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あとは揚げるもよし、煮るもよし。
でも、何度かやって思ったのですが、何をするにしても一度塩茹でしてからが良い感じ。
素材の味が主張強い訳ではないので、軽く塩味がつくことでセミの風味が生きてきます。
揚げるにしても、一度茹でておけば体液が爆発して流れたりもしない。

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夏だ一番ドザエモン祭り。
塩茹では軽くで大丈夫。このまま食べるもよし。
ここから揚げる・炒る・燻製あたりが無難だと思います。

燻製は結構好き。

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生前と見た目殆ど変わらんけどw
気付いたら全部食べちゃってるね。
燻香の中にプリッとはじける蛋白感。
中からフワッと溢れる木の香り。
ナッツっぽい香りという人もいれば、ソラマメっぽいという人もいますが、どちらもある。

最近思ったことがある。
いつもまとめて調理してしまうから渾然としてわからなくなっているのだけれど、木の種類によってこの風味は違うんじゃないかと。

幼虫期は地中で木や草の液を吸っている訳だけれど、どうも師管から栄養分を得ているらしい。
ということは、その植物の特徴がギッシリ詰まった液体を通過させているんです。
魚類、鳥類、哺乳類では餌が肉質や香りに与える影響はいまや誰もが知ることなので、セミでもありうる話です。
こんなに香りよかったっけ?
なんて思う時が時々あるのはそのためなんじゃないかと思い始めてる。
採集段階で樹種によって分けて調理してみるとハッキリすると思うんだけど、まだやったことがない。
このへんがわかってくると
「ここのセミは特に美味いんだよ!」
なんて話もできるようになるんじゃないかな。

アブラゼミ唐揚げ13匹成虫は、なんというかまぁ。
とりあえず、揚げると真っ黒になって見苦しいのをなんとかしてほしい。
味は、鳴く筋肉が味濃くて美味しく感じるからオスのほうが好きかな。

幼虫に比べて、あえて採ろうとは思わないですが、実は条件さえ揃っていれば成虫もなんの苦もなく大量に捕獲可能です。
昆虫の多くは光を背にして飛ぶ習性があります。
アブラゼミが多く鳴いている日の夜中に、その近くの行燈の多い所へ行ってみよう。
周りが暗い場所であれば、足元だけが明るく反射して見えるはず。
できれば地面は白っぽいほうがいいね。
そこにはひっくり返ったアブラゼミが何十匹といることでしょうwww
はい。
元気なアブラゼミ拾い放題です。

しかし他のセミは見たことないんだよね。
アブラゼミには何かあるんだろうね。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 13 )
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  1. はじめまして。このサイトをみて、ただいま初めてのセミ幼虫を実食中です。
    食べる時は丸ごと行ってますか?
    私はちょっと脚が口に残るのが食べづらく、脚を持って身だけ食べています。もっと茹でたりしたら食べやすいのでしょうか。

    塩ゆで、唐揚げ、燻製と食べてみましたが、やはり味が一番分かるのは塩ゆでですね!胸の筋肉が旨みもあり、肉でも食ってるみたいで美味いですね!
    ただ、腹部のクリーミィ感というのが分かりませんでした。恐らくは、初めてでビビって五分も塩ゆでしたのが悪かったのかな、、パサッパサです。

    燻製は、せつなさんのようにツヤツヤでなく、くん液がマダラにくっついてる様な感じになってしまい、煙の味ばっかになってしまいました。
    またリベンジしたいと思います。

  2. 初めてコメントします。
    生物系の大学生で昆虫食に挑戦中です。
    セミ幼虫は初めて自分でとって食べた虫です。
    唐揚げ、素揚げ、塩茹では美味しかったのですが、燻製がイマイチでした。燻製は桜のスモークウッドで温燻です。
    ざざむしさんはどういった燻製法でしたか?
    昔の記事なので返ってくるかわかりませんが教えてください!

    • 燻製は食品全般に言えることだと思いますが、ソミュール・乾燥・燻製の工程のどこかがマズイと不味くなりますね。
      セミの場合はソミュールの段階を茹でるところで行うので、塩茹で、もしくは好みの下味で茹でて冷めるまで放置して幼虫の香りが死なない程度に味を引き締めます。冷める間に味を吸うので茹で時間は殆どなくて大丈夫です。
      その後、鍋からペーパータオルにとって水分をとり、冷蔵庫か陰干しで軽く乾燥。ほんと軽く。
      薫香が付きやすい程度に表面だけ乾燥したら普通に温燻。チップはなんでもいいと思います。

      • やり方はあまり変わらないですね…
        燻製の工程で問題がありそうです。
        また、チャレンジしてきます。

        ありがとうございます!

        • 根本的に人それぞれの好みもありますし完全な万人向けなんてのも存在しないので単に合わなかっただけという線もありますけどね。
          唐揚げや塩ゆでが美味しく感じるのですから味覚障害とかいう訳ではないですし。

  3. はじめまして、セミ漁にいい感じの時期なので読み返させて頂きました。
    手軽でそこそこ数集まりますし、ほとんど下処理も必要もなくて便利な食材ですよね。

    自分は羽化開始から抜け出す前くらいの個体の胸部から上が好みです。
    オスだと腹弁がサクッと揚がって良いアクセントになるんですよねぇ。

    さて、樹種による味の差ですがやっぱりあるのではないかと思っております。
    飛び回る成虫はともかく、茹でて塩振った幼虫だと場所で後味に差がありますね。
    椿やら姫沙羅の多い近所の寺の生垣産だと青臭さを感じるソラマメ寄りの味ですが、
    離れた地点でケヤキやらブナ科広葉樹を登ってる奴らは青臭さがかなり控えめでナッツ味が濃いです。
    同じ場所ならクスサンのサナギも似た傾向がある気がしています。

    アレロパシーで樹下に他の植物がほぼ生えてない桜なんかあれば食べ比べてみたいですね。
    モンクロシャチホコもほんのり桜味で美味しかったですし。

    • やはり差が出るんですね。
      美味いものを探したいのも勿論ですが、何も気にしない人が採ってきた場合にキョウチクトウなんかを吸って育ったのがいたら怖いなとも思ったり。

      クスサンはクスノキのが不味いと思います。やっぱり食草は大事ですね。

  4. こんにちわ!こーめいです。
    長文での返答ありがとうございます!
    とても納得しました。やはり放射線の影響は場所によってですが確実に受けていますよね…
    自分の住んでいる福島市は原発事故後の風向きの影響によって高線量の放射線が降り注いだ地域なんです。あまり報道はされませんが政府から避難指定を受けなかったのが不思議なくらいでした。
    当時、自宅の雨どいの下からは30マイクロシーベルトなんて信じられないような値が検出された時もありました笑
    原発事故前の福島市は自然が豊かで自分も山菜を採ったり川に釣りに行ったりしたもんですが…もう積極的に行く事は無くなってしまいました笑
    話は脱線しましたが、せつなさんのコメントどうりセミの幼虫を捕まえて食べるのは慎重に考えてからにします。できれば専門家の方からも意見を聞いたり、自分で線量の低い地区を調べてから総合的に判断します。時間と手間がかかると思いますが…笑
    それでもセミの幼虫を食べてみたい好奇心があるので笑 無理しない程度に行動してみます。もちろん諦める時は諦めます。笑
    最後になりましたが、貴重なご意見ありがとうございました!また何かあったらご連絡してもよろしいですか?

    • セミ自体は全国的に何かしらいるので福島県内で焦り急ぐこともないですしね。
      無謀な昆虫食から事故が起こるのは避けたいですし、慎重な方は歓迎ですよ。

      私も小名浜と裏磐梯は何度か行ったんですが、あれ以来足が遠のいてしまいました。
      釣ったり採ったりしても食べられないってのはやっぱり大きかったです。

  5. 初めまして!いつも楽しく拝見しています!
    実は今年の初夏、セミの幼虫を捕まえて食べてみたいと思っています。ただ、少し心配な事がありまして…自分は福島市在住なんですが、原発事故後の放射能の影響をセミの幼虫は受けていると思いますか?自分は事故後もう6年も過ぎてるので、大丈夫だとは思っているのですが…

    • これは答えが難しいですね。
      植物は種によって差はあれど放射線物質を吸い上げる傾向あるようだし、セミは樹液を吸っている上、地中で6年くらい成長を続けて成虫になる訳で。
      まさに生まれて直後から吸い続けているものが昨年や今年あたりに成虫になる頃ですから、無害なレベルかどうかは専門家の計測結果を聞いてからにしたいところです。
      私も震災翌年には福島へ行きましたが、濃度差も場所にかなり差がありました。
      あまり気にしないほうですが、さすがに6年生きて食用になる昆虫となると例が少ないので、自分だったら何かの数字が見えない限りは敬遠すると思います。
      魚でもそうなんですが、回遊するものや寿命が短いものは入れ替わりも多く早々に数値が落ち着いていくのですが、寿命が長く定着する傾向の強い魚類はどうしても下がりにくく、だからメバルは最後まで高めな数字で出荷対象にならなかったと思います。
      そう考えるとセミは場所によっては地雷になりかねないので、もし食べるのであれば当時からずっと数値の低いエリアを探してその辺りで採った幼虫だけにするのが良いのではないかと。土の中で大移動はしませんからね。
      そのへんをはっきりさせておかないと、食べたことでの周囲からの反応もかなり変わると思いますので、食べる食べないは慎重にされると良いと思います。

  6. 初めまして!
    面白すぎて一気読みしてしまいました!!
    そこで過去のざざむしを見てみたいと探しているのですが見つかりません(*_*;
    探し方がわるいのかもしれませんが…
    もしよければ過去のざざむしを張り付けてもらえると嬉しいです(*^^*)

    • サイトポリシーにリンク張ってあったと思うのでそちらからどぞ。
      昔のすぎて外来種関係など現在では通用しないものもあるし、現在では当たり前のものもあるので参考程度にしてくださいね。

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