爬虫類の中でもワニやオオトカゲやイグアナなんかは大型になるから可食部も多くて食用に適する。
スッポンをはじめとするカメもよほど小型な種でなければ食用になるし、その美味しさと生命力からゾウガメなんかは乱獲され絶滅したものもいるくらいだ。
しかし、小型のヘビとなるとどうだろう。
ハブやマムシのように効能を謳われるようなものでもない限り、あまり食用としては認知されていない。
エラブウミヘビのように食に根ざしたものは少数派だろう。
何故かというと、イメージの問題を除けば、可食部が少ないことに他ならない。
決して不味い訳ではないし、見つければ捕まえるのは至極簡単なものが多い。
しかし実際に食べるとなると、肉は殆ど背筋のみ。
あとはほぼ骨と皮だけといっていい。
だから、ただ焼いても背中しか食べられないので背骨をよく叩いて骨までカリッと焼くなり揚げるなりしないと無駄が多くなる。
なんか労力に見合わないのが浸透しない理由かなと思う。
今回ガイアナで捕まえたヘビがいた。
多分アマゾンツリーボアってやつなんじゃないかという話。
日本だとハブが比較的樹上生活することが多いが、このヘビはほぼ樹上専門のヘビ。
かなり高い所にもいて、尻尾で強く巻きついている。
目の前の獲物はもちろん、ピット器官を持っているので下に獲物の体温を感じると飛び降りて襲い掛かる。
だから人間の体温にも反応して降ってくるらしい。
夜の漁に出ると水辺に張り出した枝にもわりといるらしく、漁師の警戒の的だった。
よく考えたらこの時も汗だくで木を揺らしたりせず、真下で
ほぅら僕の胸に飛び込んでおいで!
ってやってれば簡単に捕れたんじゃなかろうか。
あぁ、かわ・・・可愛くないなぁ。
一瞬可愛いと思ったが円らじゃない猫目な瞳に噛む気満々な攻撃性。
しかもキリキリと本気で首を絞めこんでくる。
こいつぁなかなか生意気だ。
そういえば樹上性のヘビって食べたことないな。
この時点で既にヘビ独特の尿臭さみたいなものはあるし、どうせ同じような味なんだろうな。
でも、アナコンダは保護対象だから捕まえても食べられないが、アマゾンツリーボアやエメラルドツリーボアはペット輸入もされてるし特別に保護されてる訳でもないから食べてみるか。
生意気だし。
むきむき~っ
うん。
普通のヘビと同じでペロンと剥ける。
若干、マムシより皮の密着が強いかな。
これなんだろう?
精巣? 脂肪?
前1/3くらいは背中にも殆ど肉がないが、中心付近だけは背筋が厚い。
ここは焼いて食べても美味しそうだけどなぁ。
しかしここからはキャンプ地の対岸で一人野宿。
火がない。
湿っていて火を起こせるものもない。
つまり焼けない。
袋も持ってなかったので生かしておけないから剥いた訳だけど、どうすんべ。
荷物の雨凌ぎにと持ってきた折り畳み傘で干す。
案の定、夜明け前にスコールが振ったけどやり過ごすことができました。
翌朝はキャンプに戻るも時間がなくて調理できず。
普通に干しておくとハエだらけになって腐るのは目に見えていたので、切って持ち歩いていたら船上で干物化。
ここまで乾いてしまったら急いでも仕方がない。
カビないようホテルの電子レンジでチンして完全乾燥。
思いのほか凄いニオイが出て部屋が大惨事に。
乾燥ヘビって肉やジャーキー扱いにならないよね?
アメリカ経由しないから関係ないか。
帰ってから食べよう。
出汁も出そうだったのですが、めんどくさかったので骨まで食べられるよう全部揚げてしまいました。
・・・うん。
パリパリしてて美味しい。
味は思いのほか濃い。
何も味付けしてないのに肉の味が非常に濃い。
でも普通にヘビ味だな。
樹上性であろうが、やはり小型のヘビは小型のヘビの味でしかなかったようだ。
サバイバル条件下だったら食材としてアリだと思うが、ボアに限らず天然のヘビやカエルは皮剥くと一目でわかるほど寄生虫だらけなので生で食べられないのが欠点だ。
できれば素材の味がよりわかるよう、剥きたてを焼いて食べてみたかった。
ライターくらい持って野宿するべきだったなぁ。
遠征記事、楽しく読ませて頂きました。
さっき、ちょい見てたdailyportalに、でかい魚記事があって、
せつなさんと同じだぁーと読んでしまいました。
いや、魚大きいんですね。あんなのじゃ、ルアーがダメになりますねぇー。
食べたいのが居たかと言うと、ちょっと勇気がいるものばかりでしたが、お腹壊さなくて良かったですね♪
あれくらいデカいのが釣れたらよかったんですが。
魚はどれも素直に美味しかったですよ。
日本の川魚のニオイが異常に感じるほどに向こうのは臭味がなかったです。
寮を出て一人暮らし中なので料理のレパートリーに魚以外の変温動物が加わる予定です。
かなり参考になりました。
カエルとカメがいちばんいいんじゃないかな。
せつなさんはじめまして。
旧ざざむし時代からヲチさせていただいています。
今回の海外編は完全に別世界の出来事で大変ワクワクさせていただきました♪
(まぁ国内でのご活動も自分にとっては異次元的なんですがw)
自分はここ数年、東南アジア方面にいる事が多いのですが、両生類や獣は問題無く食すのですが未だに昆虫には手を出せません。
近いうちに壁を超えて、ぜひ味を知りたい!
パリッ、ヌチャッ!んほぉっ⁉︎みたいな。
あーでもキモいよーこわいよーw
昆虫は地味に有毒なのがいるので海外だと売ってるもの以外は下調べが大変ですよね。
アジアは昆虫がやたら多いイメージあるので羨ましいです。
食べる方向性抜きにしても。