濃尾平野生まれの自分としては昔から図鑑などで憧れだった山菜がギョウジャニンニクやネマガリタケ。
知る限りギョウジャニンニクは20年くらい前から関東でも生鮮で流通しており、当時初めて食べた時は美味さに感動したのを覚えている。今では栽培物が野菜として買える他、苗や種でも簡単に購入できるが、別名アイヌネギと呼んだりアイヌ語でキトピロと呼ばれ親しまれてきたように寒い地域に多い野草なので天然ものはなかなか採りに行く機会がない。近場なら佐渡か。
反してネマガリタケに関しては加工されたものこそ年中手に入ったものの、細くてもタケノコということもあってか実力を活かすには生鮮にしたいが長持ちしないので、今でも地域に根差した季節のものという考え方が中心だと思う。採ってからどんどん劣化するから普通のタケノコだって夕方なんかに買いたくないもんね。
生える季節が限定的ということもあり、それだけを狩りに北陸遠征などする機会もなく今まで過ごしてきた。
それが富山にはいっぱい生えるっていうじゃない?
ネットを掘り返すと全国で理論上生えるはずのMAPが見られるのでだいたいのエリアは絞れる。
富山県ではススタケと呼ばれ、店にも並びはじめた。
でもお高いんでしょう?結構なお値段だこと。
皮剥いたら1000円一袋分でも小さなタケノコ1個分もないんじゃないか。
って、剥いたのは1400円くらいしてる。
生えるって聞いてるのに買う訳もない。
ぼちぼち頃合いだというので妖精さんについていくと、なんと駐車して数分でエントリー。
雨上がりだったので雨露でズボンや頭が若干濡れるものの、いとも簡単にネマガリタケに到達。
この見た目でチンコケースが思い浮かぶ年代は僕と握手。
ネマガリタケはこのように反るように生える姿から由来する長野県や新潟県の別称で、標準和名はチシマザサ。
富山県でいうススタケの語源はなんなんだろうか。
中央左に見える短いものくらいまでの若いものが食べ頃。
藪の中だが既に先行者が通った後のようであちこち折られたばかりの跡が見つかるにも関わらず、気にする必要がないほど採れる。
2時間かからずして強制終了。
剥くこと考えるとこれ以上採っても辛い。
まさかあんなにボコボコ生えまくってて簡単に採れるとは思わなかった。
タケノコ狩りと違って重労働にならないが後がめんどくさそうではある。
剥き方は普通のタケノコと殆ど変わらず、頭のほうを斜めにカットしたら後はバリバリ剥くだけ。
なんせ成長しすぎててダメでしょうってやつまでみんなの分まで引き受けてきたから剥き力が問われる。
300本剥いた。
柔らかい可食部はたっぷりの湯で数分茹でて鮮度低下を一旦止めました。
成長しすぎたものや硬めの根元付近は鮮度のよいうちに塩すればしんなりするんじゃないかと思うので、メンマにならないものかと試しに半割りにして生で仕込んでみる。
メンマは中国の麻竹(マチク)を乳酸発酵させた加工品だから、日本のレシピによくある「メンマ風」ってのは「メンマ風のメンマ風」くらいのものでもうそれメンマちゃうやんっていつも思うので、作り方くらいメンマ風にしたい。
果たしてメンマ化できるのか、またどのくらいまで成長したものがメンマ化に許容範囲なのか、これだけあればある程度はわかるはず。結果は早くても2か月後。
せっかく採った最高の状態なのだから生でも食べておきたい。
チシマザサのタケノコは殆どアクがないとか聞くしね。
うん
アクは・・・ある。
ない訳ではない。弱いけどある。しかし問題なく食べられるレベルで、醤油つければアクセントとして許容できる程度。歯応えはヤングコーンとレンコンを足したような感じで、生食は採りたて孟宗より全然イケる。
でも1本でいいや。
遭難した時にあればバリバリ食える生食材。
これだけ鮮度が良いのならば皮剥いてる間に同時並行でじっくり調理したいものもありますね。
そう、アレです。
焼けました。
部屋中が良い香りで充満しています。
う ま い
エグ味がなく焼きススタケは普通のタケノコよりずっとうまい。
皮からの香ばしい香りを吸って旨味の凝縮した肉は味がとても濃く、歯応えはやはりヤングコーンをシャキッとさせたような。
マヨネーズも味噌も合うし、こんな強いものをつけても風味が負けてない。
下茹でしたものは大量にあるので鍋一杯ずつ異なる味付けで試してみる。
梅鰹煮
土佐煮
味噌煮
全部うまいけど、梅鰹はたくさん食べられないな。料理に1~2本添えるにはいい。
土佐煮は定番の味でいくらでも食べられる感じだが日持ちはしなさそう。
味噌煮はオススメと言われて作ってみたのだが、緑っぽいものまで黄色くなって柔らかそうになる。日持ちもしそうだし、食べてて飽きにくいのでナルホドという感じ。
なんにせよこれらで小鍋3杯あるから当面の常備菜だ。
それでもまだいくらか下茹でしたものが残っているので中華風にも。
ガラスープで水分なくなるまで炒め煮して胡麻油で炒め唐辛子とゴマ加えて仕上げただけ。
うまい。
花山椒入れたりとかいろいろアレンジして楽しめそう。
生で皮を剥いただけのものは天婦羅にも。
やっぱりタケノコ風味のヤングコーンだなぁ。
半割りと切れ目入れただけの2タイプ揚げてみたけどあまり変わらないので、買う人で数人家族なら半割りで作るといいんでないかな。
炊き込み御飯を作っても普通のタケノコ御飯になりそうだなと思ったので、去年採って作り貯めしておいたマイタケ御飯の素を掘り出して・・・
マイタケススタケ飯に。
キノコの香りとタケノコの香りが混ざらず両方生きたまま感じるのは何故だろう。
キノコだけだと単調になりがちな歯応えも補ってくれてうまい。
いやー、しかしネマガリタケは1シーズン1回行けば困るほど採れるのね。
時期さえ間違わなければ簡単でうまい。最高。
ただ普通の山菜と違い、竹と同じで容赦なく採ってもわりと平気な植物なだけに本気で採ってしまうと手に負えない量になりかねないという意味で自制が必要。
ササの仲間は温暖化の指標にもなるみたいで、進行するとチシマザサはこのあたりも標高の低いところから早々に消えていきそうな感じではあります。世の中いろんなことが繋がっているものなので、普段の生活も時々見つめなおしたいものですね。
道産子です。
父が山菜を採って市場に卸す様なことをしていたので、タケノコ採り(ネマガリタケ)は良く連行されておりました。今は熊出没注意、遭難注意の貼り紙を車に貼られたりする程事故も多いですが、それにもめげず(構わず?)タケノコ採り人口は増える一方ですね。
駐車時としてある広場でその場で茹でて皮を捨てていったりするのを見ると、マナーは守って欲しいなぁと思ったものです。
ネマガリタケ、我が家では生のうちに先端から斜めにナイフを入れてそのまま根元へ向かって皮だけを削いで茹でます。そうすると湯で時間短縮と皮剥きも時短になるので便利ですよ、切れ目に両手の親指を添えてくいっと押し込み本体を持ち上げるようにすると綺麗に出て来てくれて嬉しい。
そして味噌煮が大好物です。
青森出身の者です。実家が根曲竹で籠を生産しているので馴染みが深いです。茹でたタケノコと味噌味のモツを炒めるとうまいですよ。じいちゃんなんかはタケノコの中にいる何かの幼虫もうまいって言いながら食ってました。
数日前にはじめて記事を拝読し、はまりすぎて夏風邪ひきながらも読みあさってしまっています笑
どうでもいいですがアイヌ語でギョウジャニンニクはプクサで、キトビロは日本語の北海道方言だったと思います。さらに蘊蓄になってしまいますが、キナはアイヌ語で花という意味なので、ゴールデンカムイでおなじみのプクサキナ(ニリンソウ)はさしずめ花ギョウジャニンニクと和訳できましょうか。オハウの定番具材なのでオハウキナとも言うようです。
なるほどギョウジャニンニクはプクサで祈祷ビルからのキトピロだったんですね。
昔アイヌ料理屋によく通ってた時にそこにキトピロの説明があってすっかり思い込んでいましたが、何故プクサとしなかったのか疑問です。
kito自体はアイヌ語小辞典でもギョウジャニンニクの球根を指す言葉として定着してたっぽいのでいろいろ混ざるうちに方言寄りに偏る地域も現れたのかもしれないですね。
単に店が商売優先で適当だったのかもですが。
こんにちは
カラス瓜の記事より偶然やってきました
新潟のつぬまるともうします
皆さんおっしゃってますがネマガリタケには鯖缶を入れた味噌汁が鉄板でが
昔は鯖缶でなくミガキニシンを使ったらしいです
それですごく気になるのですがネマガリタケの根元のメンマはどうなりましたか?
ワタシは以前根元をゆがいて干した事があるのですが繊維だらけで食えたものではありませんでした。
後日談たのしみです
かなり発酵してきていてまだ途中です。
発酵で果たして繊維が柔らかくなってくれるものなのか、問題はそこなんですよね。
思わず書き込んでしまった道産子です。
以前のサイトから良く見ておりました。
出身地だと、たけのこ=ネマガリな為、逆に普通の孟宗が珍しかったり。
今は九州在住なので、ネマガリもアイヌネギも山わさびも身近に無くて寂しい。。。
でも九州いいじゃないですか。
修学旅行でしか行ったことないからそのうち行きます。
都内在住ですが、この記事をみてから良いタイミングで近所の八百屋で見つけ、即買いしました。慣れがないためか、八百屋のカサ増し戦略か、はたまた鮮度の問題か、根元はさすがに繊維が強く、食不適でした。柔らかい部分は流石に美味く、焼きと味噌汁で堪能しましたが、やはり値段は高いですね。郷里に大名筍というものがあり、ネマガリよりも太いものをよく食べていましたが、近似種なのでしょうか?
チンコケース云々は世代でした。ちりばめられた小ネタにも期待しております。
大名筍も食べたことがないんですがネマガリが生える環境からは外れているので別種だと思います。
筍の類はネマガリに限らず採取時点からどんどん劣化していくので、販売されているものは産地との距離を考えて時間を逆算して納得できたものしか買わないです。
地元でもこれ硬いだろってのも売ってるけど、この硬めの部分を輪切りにして食べるのが好きな人もいるようなので、やっぱりわかってる人向けの食材なんでしょうね。
ネマガリなつかしいですね・・・。
豚こまと油揚げとで炊いてもうまいです。
なんとなく、せつな氏=和食上手、茸本氏=洋食上手、な印象ですがどうでしょう?(^^;
いや、私基本料理しない人なのでどっちもたいしたことないですよ。
金のかからない最小限の調理となると和食寄りになるものが増えるだけのことです。
オリーブオイルの美味さよくわからないですし。
あわわ、生と丸焼きが特に美味そうです。
アクが少なくて食べやすいというのも良いですね。
僕はアクが強めな方が好みだったりしますけど、
アク残しすぎるとお腹がおかしくなりますから(笑)。
タケノコのアク残した味噌汁とかおいしいよなぁ。
いつもシーチキンぶち込んで作るんですけど、
今年はタケノコ食べないまま過ぎて行きそう(^^;)。
あ、でも夏には緑竹っていうのも出てきますね。
カチコチに硬くてタケノコとはだいぶ違うんですけど、
これも味噌汁やラーメンに入れるとなかなか美味いです。
緑竹ってまだ食べたことないんですよね。
地方物で季節も絞られてくるものはなかなかチャンスが厳しいですね。
山菜採り中のせつな殿がツキノワグマと出くわしませんように。
クマさん食べられるから逃げてー的な意味で
先週はクマでもおらんかなーと山の中タラタラ走ってたらアナグマが前を走り抜けました
ネマガリタケが記事になっていたので気になりコメントしちゃいました。
私は長野出身ですが時季になるとよく取りに行ったりしたものです。缶詰工場の知り合いにお願いして
水煮を詰めてもらって一年中楽しんでました。
お礼もタケノコだったりと物々交換で割となんでも揃うのは田舎ならではな気がします。
物々交換は意外に都会でも成立するんですけどね。
最近は余るほど採取することがなくなってきたので物々交換する機会もめっきり減りましたが。
今は竹林持ってる知人が欲しいです。
ネマガリタケ懐かしいですね。富山東部の出身です。
向こうでタケノコといえばこれでした。
連休にワカメをとっておいて、若竹煮にするとこれまた美味しかった。
富山の野食アップ楽しみにしています!
ワカメと一緒に煮たり吸い物にしたら美味そうですね。
ワカメの漁業権がなぁ。
スズタケの水煮はスーパーでもっと安く買えたような?因みに密林とかに千円前後から苗が売ってたりします。
何処に生えてるかわからないから漬物樽か瓶にでも植えて見よう計画してたけど購入を思い直す程の収穫っぷりですね(笑)本当に何処の山なの。
行者ニンニクもノリで苗買った奴がこぼれ種で四倍にポコポコふえて今年も種になりそうです。
山走っても採取するものが全然解らんし、やっぱりスズタケ植えようかな?
小並で申し訳ないけど毎回アッサリ見つけてくるせつなさんすげぇや!
生では400円くらいのところもありましたね。
しかし缶のは1600円くらいしてた。無理。
あれから適当に走ってても道に向かってザクザク生えてるとこいっぱいありましたわ。
ギョウジャニンニクやネマガリタケは栽培や繁茂が安定してるから気にならないですが、相変わらず販売されている苗でも野草は天然物が一定数あるのがはっきりしているので、購入の際は出所までできるだけ確認するようにしています。
今は買おうと思えば殆どの山菜が苗で買えますね。
>みんな違ってみんな良い
そのとおりだと思います!
いろいろな食べ方試していただいてハッピーです!
鉄板です。鯖缶〜ネマガリ〜フキ〜ミヤマイラクサ:ベースは味噌。
また、ネマガリタケは鯖缶同様、馬肉など癖の強い食材とも相性は良いと思います。
馬肉って癖強いでしょうか。
でも食べて馬肉だとわかり易いということはそれが癖ということか。
ネマガリ含めタケノコは調理しても特徴を保っているのでわりといろいろ使えますね。
ジャングルの王者ターちゃんです。
内容は全く覚えてないんですけどね
初めてコメントさせていただきます
遅ればせながら富山へようこそ!
ネタが地元寄りになったので『雲上の君』だったせつなさんが身近に感じられる違和感に馴染めませんw
ウチではススタケは皮付きのまま下茹でしちゃいます
忙しい時は皮付きのまま水に浸して放置です
『とにかく鮮度落ち防止が最優先』といった所でしょうか
なので皮を剥きながらのオヤツにポリポリ
皮剥き作業も苦しいだけではないですねw
調理は味噌煮一択です
生からの焼きも時々しますが、採ってくる人が味噌煮至上主義者なので…
あ、もちろん昆布〆もしますよw
あんまり富山らしいことやってないですけどねw
しかしほんとになんでも昆布締めなんですねぇ。
ウチの地方ではササタケって呼ばれてます!美味いですよねー!私は天ぷら1番、後は肉じゃがに入れてみたり何にしても美味いですね!
ただ結石持ちの私にはあまり食べちゃいけない食材なのが残念ですorzまぁアクのある山菜は大体良くないんですが…せつなさんも食べ過ぎて尿管結石やらない様に祈ってますww
1シーズンのことですし、結石の恐れは毎日ビール飲んでる人に比べれば恐れるに足らないかも。
>どっちにしても使いきってしまってるので今年は試せるかどうかもうわからないんですが。
私は具と一緒にゆでちゃいます。
ネマガリタケ、豆腐、たまねぎの順に入れてお味噌を入れて最後に溶き卵ですが、たぶん順番は影響するのかしないのかわかりません。原理主義の方たちは沸騰してからネマガリタケと鯖缶とお味噌をいれて溶き卵らしいです。レシピだけだと具の多い味噌汁にしか見えませんがなぜか鯖缶と溶き卵いれるだけで熱々のを食べるととてもハッピーになれますので一度お試しになってくださると第三者視点でのタケノコ汁がわかって私もハッピーです。
薬味は入れない方がいいのかもしれません。
参考にさせて頂きました
ネマガリタケ美味しいですよね。もらってばかりですが。山菜のお姫様のように思ってます。
一番好きな調理法はタケノコ汁
うちの地域ではこれからシーズン終了まで鯖の缶づめが不足がちになります。
レシピについては派閥がありますが私はネマガリタケ、鯖缶(汁も入れる)、豆腐、たまねぎで作った信州味噌の味噌汁に溶き卵を入れたものです。タマネギ入れると甘くなって大好きです。
やっぱりそれ来ましたかw
なんというか鯖缶ってサバじゃなくて鯖缶という独自の進化を遂げていそうな何かがありますよね。
ネマガリタケって茹でてから入れるほうがいいんでしょうか、それとも風味を生かすなら生から?
どっちにしても使いきってしまってるので今年は試せるかどうかもうわからないんですが。
天ぷらに添えられた葉は、ユキノシタでしょうか?
どんな味なんだろう?
ユキノシタはモチモチするだけで特筆する味はないですw
ススタケは買う物という感覚は無いですね。とってくる物です。実際市街地から来てうちの山で勝手にとってく人、結構いましたしw
富山に18歳までいましたが、売ってるのを見たことはありませんでした。こんなに高いんですか。
こんなに高いとは思ってませんでしたが、採りに行く手間と熊リスクと時間勝負だから生鮮での販売ロスも考えるとまぁ仕方ないのかなと。
北に行くと筍って小さくなるんですね。
普通のタケノコもあるけど残念ながらこっちの知り合いに竹林の土地所有者がいなかったんやー
行っきたーい!
北海道でタケノコといえばネマガリダケ(しかない・・)
子どものころ、熊と遭難に怯えながら毎年親に連行されたものです。
北海道のシーズンは6月上旬で、毎年タケノコ園が期間限定で開かれていました。
林野庁のHPで開催通知があるのですが、近年開催しない地域が多くなったようです。
さみしいなー
これは間違えようもないし、地元で生えるなら毎年行くよなぁと思いました。
普通の竹はある程度折っていかないとどんどん広がって大変なことになるけど、雪国の笹くらいだとある程度で潰れてそのへんでウロウロ発生し続けるものなんでしょうかね。
あまり考えたこともなかったんですが。
料理のバリエーションがすごーい!!
北海道では函館近辺以外ネマガリなんで逆に孟宗竹がうらやましいですが。
こちらの方はクマが危なくて入山できない地域もあるようで。
孟宗や破竹はあっても土地の問題があって気軽に採れないですしね。
クマは北海道だとヒグマだからシャレになんないですよね。