せっかく釣ったホウキハタだし、隅々まで食べます。
でも奇をてらうようなことは不要で、むしろそんなことはしないほうがいい。
なんせ味はお墨付き、市場価格もクエに迫るハタ科魚類の上位群にいます。
魚の味となると、今では参考にする人も多くなったぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑でも表記上はクエと同じ5つ星かつ「究極の美味」とされている。
でもやっぱり個体差はあるので食べないとなんともいえない。
前回釣ったのは激ウマだったけど、その前のは明らかにアカハタ以下だったし。
とういうことでバラしていきます。
生きているうちはバス持ちなんてできないです。
指が終了してしまいます。
キッチンでやる時は小物や少量の時で、そんな時はウロコが飛び散らないようにしていますが、大型の時や大量にある時はめんどくさいので外で普通のウロコ取りで一気にバリバリやって水で流しています。
ちまちまやってらんないよね。
そろそろ1mくらいのまな板もなんとかしたい。
で、鰓なんだけど、外側の赤い部分がガス交換をするところで、内側の白いのを鰓歯(さいは)といいます。
この鰓歯を見ればその魚がどんな食性なのかある程度の傾向がわかります。
この面だけでも大型の動物を食べているんだなというのはわかるのですが
ホウキハタの場合はこの裏側にも鋭利な歯が生えています。
だからここまで大きなものでなくても、手で鰓を引きちぎろうとするとこれが刺さって痛い。
捕らえた獲物を絶対逃がさない意思を感じます。
更に、胃への入り口にある咽頭歯もこんなに激しいです。
体の一部が一度喉まで入ってしまえば奥へ向いたこの歯のせいで魚は脱出不可能です。
丸呑み型なので甲殻類も食べはするのでしょうが、より魚好きなんじゃないかなという想像ができる構造です。
魚の食べ方や食性は口の形状から咽頭歯までを見るだけでもある程度の想像をすることができ、エサやルアーの選定からアタリからアワセまでの間(ま)や動作など次の釣行の為に着実な糧となります。
売っている魚をさばく時に注意しておくと、初めて釣る魚にも役立つことがあります。
平坂さんもどこかで「獲って食べることでその動物のことがわかる」みたいなことを言っていた気がしますが、こういうのもその一例だと思います。
肝臓と胃袋です。
上がってきた段階で裏返ってうっ血していた胃袋も外側は問題なさそうです。
肝臓はちょっとハズレ肝かな。
頭とカマどうしよっかな。
気持ち的には焚き火で丸焼きしたいところだけど。
僅かな中落ちも勿体無いのでスプーンでこそぎましたが、半分脂なんじゃねーかコレ。
身はサクにしていきます。
ある程度以上大型のハタの場合は半身3本、計6本のサクにします。
中骨を切り出す流れで2本にしたら
背側を手で引き裂くだけで更に2本になり、計3本。
左右やって計6本のサクになります。
背身でもこの脂の乗り。
不味い訳がなかろうて。
いただきます。
頭はやはり皮のゼラチン質が勿体無いので焼かず、寸胴で丸ごと煮付けました。
唇うまい。
皮ぷるんぷるん。
しかも甘味が強く、煮汁とのコンボがやばい。
頬肉。
繊維がしっかりしているのに、しっとり上品にほぐれる。
口の中全体に超うまい。
外皮よりずっと好きだな。
どこにそんな大量の脂がってくらい溢れる脂。
寸胴の煮汁にもかなりの層になっているのだが。
煮汁は煮汁で何かに使おう。
うまいのはいいけど多すぎて食べきれないので半分は朝食べようと思ったらこの強度 pic.twitter.com/3Z5NVVoAQf
— ざざむし。の人 (@nekton27) 2016年11月8日
大型のハタといったら鍋は欠かせませんね。
昆布を浸して沸騰する前に取り出し
沸騰したところでアカハタの背骨を入れます。
この段階でもうなんかいい感じになってきます。
ある程度出汁でたかなというところで骨を取り出し、具材を詰め込みます。
蓋をして再沸騰するまで待ちます。
待っている間に出汁殻でも食べて暇を潰します。
薄い昆布出汁で茹でただけでもアカハタの鰭って本当に甘いよね。
できあがり。
うっほぉぅっほほ!
第一陣は蒸したような状態から。
プリップリホクホク、皮目や筋っぽいところは溶けて脂と化し、ハラミは脂の旨味の濃さがヤバイ。
おかわりはいくらでもあります。
しゃぶしゃぶしてレアなものもいいけど、ギリギリ熱が通りきったくらいのがいちばん美味いかな。
あまりの美味さについつい鍋2杯食べてしまいました。
一人鍋最高です。
締めはうどん2玉ぶっこんで香る醤油ひとたらしで優勝です。
いくらでもあるのでどんどん食べます。
手前板前さんを参考に、和食界で禁じ手らしい味噌汁を作ってみました。
中骨や腹骨などをまとめて火にかけ、塩と生姜と日本酒だけ僅かに入れて弱火で加熱。
5時間は煮出すという話だけどそんな長時間火の相手していられないので、保温鍋を使って時々再加熱しながら10時間煮出しました。
同じのではないけど、こういうの ↓
保温鍋はカミツキガメの時にも使いましたが、時間はかかるけど圧力をかけないので旨味も壊れず、手間がかからないのに煮崩れもしないのが良いところです。
もう20年くらい使っているけど、ガス代も節約できて余裕で元はとれたなと思います。
蒸発しないので煮汁が濃くならないというのは長所にも短所にもなる特徴ですが、どう使うか次第ですね。
10時間煮出したフュメドポワソンめいたスープは既にかなりイケてるのですが、沸騰しないように気をつけながら更に追い鰹。
カツオ出汁が出たら少量のネギを投入し、味噌を溶きます。
そして、がっつりと禁断のおろしニンニクを投入。
ホウキハタのニンニク味噌汁です。
あぁ・・・ね。
ずるい味だわ。
唐揚げです。
唐揚げなんて勿体無くてどうしようかとか考える必要もないくらい肉量があるのですが、やっぱり勿体無いので尻尾のほうと頭のほうの端を塩胡椒して揚げてみました。
そうきますか・・・
ちょっとホタテかと思ってしまった。
繊維は太く、柔らかさとしっかりした肉感が絶妙のバランス。
そして皮のプリプリ感が鍋では感じられなかった良さを放っている。
これだけしっかりしているのに脂でジューシーな白身。
胃袋です。
よく洗ったものを半分に割り、茹でます。
きゅん
刻んで小ネギと酢味噌で和えただけ。
手前のは湯引き。
わかっちゃいたけど、やっぱり皮付きの湯引きは小型のハタ用ですね。
皮が硬すぎ。
皮が柔らかくなるまで湯通ししたら白くなりすぎちゃうよ。
でも写真でも一目瞭然、白身なのにサシが入っているのがわかりますね。
あまい。
そしてなにより胃袋の酢味噌和えがクッソ美味い。
なにこの素晴らしいコリコリさ。
そして酢味噌に和えられてもなお、噛むごとにわかる旨味。
これだけで酒が止まらなくなるよ。
あと、皮ももちろん食べます。
沸騰した湯に入れてクルクルまるまった後、シュンとなる一瞬があるのでそこで取り出して氷水で軽く締めます。
まだ冷え切らないうちに側線鱗だけ骨抜きで引っこ抜きます。
この鱗の先で水流とかいろいろ感知しているのですが、普通の鱗より抜けにくいんで取らないと食感が悪いのです。
冷め切る前なら簡単に抜けます。
食べ放題な物量です。
これだけブ厚いとさぞや良い歯応えでしょう。
うめーーーーーっっっ!!!!!
(◎▽◎)
胃袋とはまた違ったコリコリさ、そして優しい甘さ。
皮ポン最高かよ
イシダイほど直球ストレート170kmな甘さではないんですが、キャッチャーに向かって横から不意打ちで翼君がシュートしてくる感じです。
刺身はまぁ、美味しいんだけど思ったほどではなく。
どっちかっていうと前回釣ったやつのほうが脂こそ少なめでも身質がしっかりしていて甘味を強く感じた。
今回のは脂は凄いが身が柔らかすぎて薄くするのが辛いってか無理だし、薄くないほうが美味い。
ちなみに前回のはこれ。↑
部位が違うことを除いても、同じ魚なのかと思うほど肉質が全く違う。
ただ、今回のほうが圧倒的だったのはこのエンガワ部分。
鰭の付け根の骨側ではなく、ボディーの筋肉の外側についている脂の塊みたいなところ。
これがでっかくてガッツリ取れた。
これまた違ったコリコリさと弾力で、噛む間に体温で溶け出す脂が鼻でわかる。
んふー
洋風味見セット
左から
・塩のみソテー
・塩バジルでムニエル
・塩とがっつりブラックペッパー
・照り焼き
全部うまい。これだけ胡椒だらけにしても潰れない美味さ。
セビチェ。
刺身を玉葱と青唐辛子で和えて塩で調味し、ライムをがっつり絞って食べるもの。
柑橘の酸でマリネっぽくなるが、やっぱりこれも青唐辛子があってこそ。
うまいんだけど、ホウキハタでやる意味あるだろうか。
ヒラスズキで十分な気がする。
正解を探して食べ続けます。
平作りでのブ厚い刺身・炙り・皮なしの湯引き。
結局のところクエだって身質は個体差があるし、ホウキもさばいてみて肉質次第で考えるしかないんだなという結論。
何故だか炙りは普段よりガス臭くなった。脂の質の違いが影響してるのか?
今回に関しては完全に湯引きの圧勝。
この白く見える筋が加熱することで全部脂と化すから、揚げると美味いんだね。
でも普通に焼くと不思議に平凡な味わいになってしまい、いまいち良さが立ってこない。
そんな訳で、身を太く切り出して揚げてハタチリ。
もっとプリッとするかと思ったら、物凄くソフト食感。
そして外のチリソースと内包された脂の美味さが口の中で混ざるとやばい。
これはバカになる。
そして、ちょっと冷めてくるとまた食感が変わり、皮のプリプリ感が強調されてきてこれまた美味い。
米の消費が危険。
ほんと、結局のところシンプルがいちばんだなと。
最初に頭を煮た旨味たっぷりの煮汁が大量にあるので、それでカマと里芋を煮てついでに煮卵も。
冷めてもしっとり柔らかくて美味いとかなんだこの身。
そして皮と甘い醤油の相性はやっぱり最高というほかない。
唯一、鰭を覆っている皮だけはアカハタのほうが美味いかな?と思ったが、他は総じて比較にならない美味さだった。
ホウキハタを釣った帰り、「やっぱり温泉入ると足の疲れが全然違うよね」って話から、「そういえば立ち乗りする船釣りで太った女の子って見たことないよね」って話になった。
釣りしている時は気にもしないんだけど、終わってみると結構足腰の力を使っていたんだなとわかる。
自分の意思とは無関係に揺れ動く船上で無意識に立ったままバランスを取り続けなければならない訳で、そりゃぁバランスボールやスキーで使うような筋肉を乗船中は常に自然に使っているんだろうなと。
楽しくて美味しくて太らないとか・・・めちゃくちゃいい趣味じゃね?
もしかして大食いな人なんですか?
量がすごすぎる。何日かけて食べるんですか?
あと、料理うますぎる(。>д<)
25くらいまでは毎食3合飯でしたがさすがに最近は小食です。
基本ぼっち飯なので大きな魚や大量ゲットしてくると冷蔵庫の限界値によりしばらく釣り禁止になります。
料理は見よう見真似で簡単なものしかできませんので・・・
1食3合Σ(゜Д゜)
若くても普通の人には無理な気が……
食べるのが好きなんですね(^^)
これからも美味しそうな料理楽しみにしてます(*´ω`*)
うらやま~~野食会
大食いなんて燃費悪いだけで何の得もないですね。
似たような料理しかできませんがボチボチやってまいりますのでー
保温鍋、シャトルシェフの安いのを買ってみました。
せ、せつなさんの影響なんかじゃないんだからねっっ!!
でもこれ凄いですね、もっと早くに買っておけばよかった。
煮玉子も手間いらずだし、ベーコンもほったらかしでホロホロに。
最近よく魚のアラで味噌汁を作っていたのですが、
これがあれば大幅にガス代節約できて、しかも味もよさそう。
今週末はアジたくさん釣るぞ!!
きっと釣る!!
11時間夜釣りしてセイゴ1匹とか本当に凹む(笑)。
煮詰めることもないから焦がさないし、圧力かけないので旨味も壊れない。
逆にカレーやシチューなどは最初から水分を少なめに作らないと、規定量で作っていくと薄くなってしまうので注意が必要です。
これからの時期ならおでんなんかもいいですね。濁らないし。
一昨日しこんだクロダイの煮付けが超薄味に(^^;)。
でもケミカルチックな皮のニオイも分解されてるし、
煮込みが進んでもブヨブヨにならないのは素晴らしい。
鳥のもも肉なども煮てみましたけど、肉の繊維は
ほぐれるけど歯ごたえは残ってるんですよね。
これは良い物ですよ、小さいのも欲しくなってきました。
anovaみたいなサーキュレーターが今一部で爆売れしてるけど、あれとは使い分けできますしね。
慣れてくると放置で最終的には冷めてくれるというのも長所になりますし。
anovaって知らなかったのですが、
こういう道具もあるのですね。
加熱される鍋・蒸気の上に電子機器を配置している
事に、若干の不安や疑問を感じますが(^^;)。
こっちは本当に料理が好きな人が使う道具かなぁ。
簡単とはいえ、器具のセットがまず手間になりますし。
シャトルシェフは入れて蓋するだけですからね。
anovaは上限設定ができて温度維持できるのが強みですからね。
安全で美味いギリギリが攻められる武器ですね。
ちっくしょう!釣りに行きたい!
裏山鹿
行きませう
これは羨ましい!とは言ったものの、やはりこれはその場に足を運んで自ら釣り上げたからこその特権ですよね
渓流釣り専門なんだけど、海もやってみようかなあ
渓流は渓流で、あの空気と水の軽さは代え難いですよね。
海は異常に種類があるので自分に合ったものから入れるといいですね。
一度夕飯前に記事を見て地獄の苦しみを味わったので夕飯後に出直してきました…!
これか噂のクチビルなんですね。ムハー、早く出会ってみたい…。
なんか魚介系のうまいもんって、恍惚としますよね…
何が辛いって、全部が全部うまそうに見えて飯後というのに苦しいことです。
しかしチリが合うのはなんか意外。でも大好きだからすごく苦しい。
フググ…(‘A`)
やっぱ私は肉より魚介がいいですわ。
たまに肉で。
一読目はスルーしてたけど、ハタチリのとこのご飯の量すごいですね!
ハタチリと一緒にかっ込みたくなります
エビチリの味付けって反則的ですよね。
豆板醤切らしてたのでコチュジャン+デスソースで誤魔化しています。
旨そうで旨そうで夜中の3時前なのにヤバいお腹すいてきた…
テンション爆上げなのがよく理解できましたわ
ご飯が日本昔ばなしな所とか芸が細かいっ!
食べ過ぎて後で腹が苦しめですw
はい、飯テロ注意
飲んで帰ってきてこの記事読んだだけで腹減ってくるとかこんなのおかしいよ…!
腹へってる時に書くもんじゃありませんでした。
初めまして!
面白くて面白くて、ブログの最初から一気読みしました。
楽しかった!ありがとうございました。
私は、釣りは東京湾奥で仕事帰りのスズキルアー釣りか、ファミリーフィッシングをやるくらいで、あと一歩踏み出せませんでしたが、絶対船釣りに行こうって気持ちになりました。
ハタや鰆にすっかり魅せられました。勉強して道具揃えて挑戦しようと思います。
お礼を申し上げたく初コメント致しました。
これからも通わせていただきます。
私も昔は陸ッパリonlyだったのですが、やってみると船は船の難しさがあって、掴むと差が大きく出るので面白いです。
でもやっぱり陸からのほうが面白いと思うものや、陸からで必要十分に釣れるものはわざわざ船ではやらないですけど。
最初は元がとれそうな面白さか味の釣りを年何度かのつもりで始めてみるのがいいかもしれませんね。
ほんとにもう、目が肥えて肥えて♪こんだけ品数出来るってこた~、さすが旨いもん良く知ってらっしゃいます!山盛り飯もすぐ無くなりそう(笑)
もう少しタイラバ作っていこうかとおもったけど、そろそろ沖に移動しちゃうかな~・・・
間に合え!!俺!
品数あるように見えてもよくよく見たら簡単なものばかりなんですけどねw
今年は相模湾の奥の奥までオオモンハタやクエが多数上がっていてなんだか変な感じです。