ざざむし。





ガイアナ遠征2016春-7日目 ブラックウォーターは人魚の涙

夜明け。
今朝もカショーロは反応しない。
どこ行っちゃったんだろうか。

ベースキャンプ前のシャローで何か気配がするので撃ってみると反応はある。
ミノーなどサイズを落としていくとピーコックだった。
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30~35cmと小型だがいくらでも釣れそうだ。

調子に乗って釣っていると事故った。
ワイヤーを持ったところでピーコックが暴れてミノーのフックが親指の腹に突き刺さってぶら下がった。
90度に刺さった深さは8mmくらいだろうか。
とりあえずピーコを外してリリースし、抜こうとするもピクリともしない。
それどころか痛みと共にミチミチと嫌な振動が伝わってくる。

やっちまったわー

大きいフックはバーブレスにしてきたけど、珍魚用の小型ルアーは全部バーブありで来ちゃったんだよね。
ヘタに引き抜くと組織を破壊して雑菌も入りやすくなり、治りも遅くなるし、最悪の場合悪化する。
こういう場合は・・・
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こうして思い切ってグリッと回して貫いて、プライヤでバーブを潰して引っこ抜く。
親指の腹の表皮はブ厚いから、かなり力を入れてやらないと貫けないけど、ここで躊躇すると後で酷いことになる。
無事抜けたので5匹ばかし釣って朝飯に行く。

朝飯はどんどんショボくなる。
とっとと食べて、今日の釣りの準備。

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H坂さんが昨夜捕まえてたカイマン。
これでもヒトくらいある。

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干されてたピラニアの頭を倒したら、どうやって入ってたんだよってくらい雪崩のように溢れてきたウジ。
激しく動いてるのでザワワワワワワワッって音がする。
マジで瞬間うわあぁぁっ!ってなるレベル。
この通り、2日くらいで1cmを超える丸々太ったウジになる。
成長速度速すぎ。
このレベルになるとそっ閉じも不可能。

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現地の人がどこからか捕まえて持ってきてくれたイモムシ。
でかい!
そしてヒロヘリアオイラガのような毒針のサイズと装備数がやばいw
こいつはまぁ・・・うん。後日食べましたよ。

さて、弁当を詰め込み本日も各ボート毎にそれぞれのポイントへ出発です。
本日はセーヤさんと同船、ガイドは昨日アラパイマに付き合ってくれた人。
しかし自分の興味に逆らえず好き勝手しちゃうレベルが最も高い人でもある。

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途中で寄ってくれた亀の島。
一面に無数の亀が這った痕跡がある。
大きさはまばらだが、中には1mくらいありそうなやつの足跡もあった。
夜になると産卵に上陸する水亀らしい。

不思議なことに、砂浜はどこにでもあるが亀が産卵する浜は集中していて限られている。
これだと、孵化する頃に魚や動物が集まるという現象も起きそうな気がする。
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一見どこに産卵したのか全くわからないのだが、おもむろに掘って見せてくれた。
鶏の卵くらいの大きさがある。

このカメも現地では食用にするのだけど、他のガイドに聞いた話では以前捕まえたカメの中に卵が270個も入っていたらしい。
このサイズの卵が270個入ってるって、一体どんな巨大な亀なんだよw

ちなみに、卵はあんまり固まらなくて全然うまくないらしい。
元通りに埋めて釣りへ。

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砂浜ではうまく隠れてるエイも、岩場では丸見えである。
悲惨な事故が起こるからか、漁師達はエイに対しては本気で容赦ない。
弓があればぶち殺し、オールしかなければ叩き殺す。
それでもいっぱいいるんだから再生産力おそるべし。

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彼、パクーが好きすぎて目撃する度に釣るか射るかしたくなり、全然ポイントに辿り着けない。
現地の人は陸上の動物だけでなく、こんな風に水中を泳ぐ魚を手製の弓で射抜く。
聞いてはいたが、実際見ると昼間のパクーは猫がネズミを追って蛇行しながら駆けずり回るようなスピードで泳ぎ回っていて、あれをこんな夏休みの工作みたいな弓矢で仕留めるとはにわかに信じられなかった。

結局、散々寄り道した挙句、昼過ぎに着いたポイントでは芳しい反応もなく。
次のポイント行こう!
と、お任せで連れていかれる。

ポイントは、すっかり他のピライーバのポイントだと思っていた。
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随分と細い所に入ってくんだな・・・

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伏せないと進めないような所を進んでいく。
これ・・・違うだろ

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赤い!?

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赤い赤い!!!

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ブラックウォーターだ!
木々が水中に堆積することでタンニンが流れ出てブラックウォーターとなるが、このあたりでブラックウォーターのあるエリアはかなり限られているらしい。

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凄い感動だ。
他の場所のようにそもそも濁っていたらこんなふうにはならない。
この上流には水の湧く渓流があるようだ。

つまり、これだけの量のブラックウォーターが常に流れとなって本流に流れ注いでいる。
常にこんな量のブラックウォーターが生産され続けているということだ。

手で掬って飲んでみる。
うまい!
タンニンの味と爽やかな香りがする。
薄い紅茶を飲んでいるようだ。
それも単に薄いだけでなく、ちょうど爽やかさを感じる絶妙な味と香り。
ぶっちゃけ、持ってきてるミネラルウォーターより全然うまい!

H坂さんにも持っていってあげようとペットボトルのミネラルウォーターを飲みきり、代わりにブラックウォーターを詰めた。
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その先は開けた湖面のようになっていた。
ここは大型タライロンが潜むポイントだったようだ。
弁当を食べながらアタリを待つ。
この唐辛子は味のアクセントにかじるのだが、めっちゃ辛い。でも止まらない。

木々は高く聳え立ち、ここだけぽっかり開いたオアシスのようになっている。
ホエザルの喧騒もなく、響き渡るのは小鳥の囀りと背後に注ぎ込む渓流のせせらぎだけ。
見上げるとコバルトに輝くモルフォ蝶がワルツを踊っている。
ガイアナに来てここだけまるで別空間だ。
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痛いほど叩きつけるように急に降り注ぐスコール。
どうせすぐ乾くから気にしない。

ふと、セーヤさんのラインが走る!
しかし木に化ける。
その後私のラインも走ったが、やはり掛けきれなかった。
数m底には相当に倒木が沈んでいるようで、簡単には釣らせてくれそうにない。

そうこうしてるうちにH坂さん達も現れたのでこのポイントを後にする。
来たのなら、さっきのブラックウォーターいらないよね。

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ナマズポイントに移動し、ブッコミ再開。
この日、水深15~40mのエリアなら大抵どこでもコイツが釣れることを突き止める。
夜の砂浜にいたナマズの成体ではないかと思うが、20~30cmのそれはもうゴンズイのように無限に当たる。
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泳いでもらいます。
自然界には切身なんかいないんだから、普段はこういうのを食っているはずなのだ。
気になるのは、ゴンズイの棘を3倍くらい凶悪にしたような頑強な棘が3本ガッチリ立ってるのだが・・・
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セーヤさんにブリンカが食ってきた。
このサイズでもあのナマズを食ってくるんだ。
信じ難いが、あの棘程度なら全く気にする必要ないようだ。
水面下は弱肉強食だなぁ。

結局、この日はたいした釣果も得られないままに終了。
だがブラックウォーターのおかげで気分はそんなに悪くない。

そういえば持ってきたブラックウォーターがあったな。
と、帰る途中に飲んでみる。
くそマズッ!
なんで!?
まだ数時間しか経ってないのに?

やっぱり命の宿る水なんだろう。
あれはあそこで必要なだけ飲むから美味しいものなんだ。
桃源郷に湧く酒であり、持ち出すことのできない人魚の涙だ。

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晩飯。
カレー。
以上。

ここらへんでベースキャンプの冷蔵庫に多めに魚をぶっこんでおかないと魚がメニューに出てこないことがわかってくる。
調理してると思ったら弁当にも入ってなくて現地人の昼飯になってることが多いのだw

晩飯後、カショーロでも狙おうかと浜を見に行くと、Tさんが倒れた竿を回収しようとしていた。
今日の小ナマズ、持ち帰って生きたまま最深部に沈めておいたのだが、セーヤさんの竿のほうに何か掛かっているようだ。
私の竿のほうはエサだけ取られていた。

正体は小さいけどピライーバだった。
やっぱりピライーバもこのナマズ食ってたんだ!
ガイアナ7-39ということで、私が釣ったエサをセーヤさんが投入してTさんが釣り上げたの図w
こいつの親玉が釣りたい!

その後、腹の寂しさを虫探しで癒す。
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突然に湧いた甲虫。
建設中のコテージの街頭周り一面に群がっていた。
帰国してからニュースで見たアルゼンチンのマル・デ・アホ市に降り注いだ数百万のカブトムシってこいつらじゃない?
タイミング的にも見た目にもこれっぽいんだけど。

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ちょっと透明感あるツユムシの仲間

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ちょっとコロギスっぽい原始的な雰囲気も残るキリギリスの仲間?

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これもツユムシの仲間だろうか?
目を見張るような緑が美しい。

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綺麗な緑の蛾

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枯葉っぽい蛾

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スーパーもふもふ蛾

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ちょっとスズメガっぽいけどなんだろうか

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左瞼を刺されたのでこの後真っ二つの刑に処したハチ。
毒は日本のアシナガよりずっと弱かった。

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なかなか重厚でカッコいいカミキリムシ

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ヒマワリの種みたいなコメツキムシ

後で見ると全体につくづくピントが酷い。
毎日酔っ払ってるしなぁw

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虫が多い日だったからか、ヒキガエルも寄ってきた

この後、深夜の対岸にガサガサに行こうということになり、一隻のボートに数名乗り込む。
オールがないので網と木の枝で漕いで対岸へw

すぐにセーヤさんが何かを発見。
上で何かの目が光ってる。
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近づくとボアだった。
エメラルドツリーボアだかアマゾンツリーボアだか知らないが、木の枝にいかにもな感じで絡んでいる。
普通は下に獲物の体温を感じると飛び降りて襲い掛かるらしい。

しかしみんなハイテンションで逆に襲い掛かる。
木を揺らしまくる私w
おびえて必死に枝に掴まるヘビw

どうやっても落ちないので、長い枝でうまく伝わらせると難なくゲット。
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本気で首絞め込んでくるけど可愛い!
全然可愛げのない顔してるけどw

その後、木から落ちた人がいたりして早々に戻ることになったのだが、私は一人朝まで対岸に残ることに。
明け方の巨大なボイルの正体を突き止めたいからだ。
ルアー用と超大物エサ用タックルは持ってきたので朝まではガサガサで暇を潰し、高めの岩場で寝ればいい。
前方のワニと背後のジャガーにさえ気をつければ平気だ。

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  1. 自分も全身全霊で遊んで集中してふざけ倒したい…

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