ざざむし。

大型アカヤガラは絶対に買い。

アカヤガラはヤガラの仲間で最も大型になるもの。
定置などの網にも入るし、知名度が上がってきたのでそれなりに流通しているがわりと高値。
そして1/3は頭、体の半分くらいまでは硬くて曲がらず、腹に少し身があるだけ。
主な可食部位は後ろ半分だけで、当然尻尾は食べない。
体長の半分以上がまともに食べられないという異常な歩留まりの悪さ。
この歩留まりの悪さが寿司などでの末端価格を吊上げる原因のひとつだと思う。
単純に考えて、原価だけでもグラム単価が倍以上になるってことだからね。
アカヤガラ01ちなみにこの頭、漢方では乾燥させて煎じて飲むと癌に効くとか腎臓にいいとか言われてるっぽいけど、タツノオトシゴ(海馬)の延長っぽい安易さを感じて効果の程は眉唾。

今回はたまたま同船者が釣ったのだけど、いらないというので頂いてきた。
魚としてはさほど珍しくもないが狙って釣れるものでもないしね。
このタイミングで釣れたアカヤガラが転がり込んでくるとか・・・
古い記事を書き直せということですか?

実はアカヤガラが釣人にイマイチ好かれない理由もある。アカヤガラ02ヌメリが凶悪なのだw
それはもう半端ない。
カギムシが攻撃に使う粘液があるが、握ったところが全部あんな感じになると思っていい。
釣った直後、空気に触れることでどこを掴んでも一瞬で吸い付かれるように真っ白な粘液が糸を引き、すぐに洗ってもなかなか落ちなくなる。
上の写真は持ち帰ってからのものなので既に攻撃力が微々たるものだが、釣った直後はスタン効果が凶悪。
手洗うだけで数分もってかれる。
ヌメリで有名な魚はたくさんいるが、メダイのヌメリをローションとするなら、アカヤガラのヌメリはゴキブリホイホイだ。
帰ってからのクーラーの中もベットベトw

だがこのヌメリ、何故か魚体からは真水でアッサリ簡単に落ちる。
だから売っているものはそんなヌメヌメしてないでしょう?
一時の苦しみの後には天国が待っています。
できるだけ触れないようにクーラーにぶっこんできましょう。アカヤガラ03長くておちょぼ口で相変わらずのマヌケ顔。
こんな顔して魚食性。
どうやって餌を捕まえてんの?と普通の人は思うかもしれない。
釣りだとこのくらいの大型はエサに魚を泳がせていたり、ジギングで釣れることが多い。
ジギングというのは要するに鉛や鉄だけでできた金属棒でできたルアー(ジグ)で釣るのですが、アカヤガラが釣れる釣りだと100g~200gくらいのジグで釣れることが多い。
水中を高速で沈む金属塊をこんな口でどうやって捉えるの?
と思うかもしれませんが、口を開く構造を見ると少し想像できると思います。アカヤガラ04口が開く瞬間に口内の容積が4~5倍になっていると思います。
ダイソンもびっくりのバキューム力。
頑張る時だけ太くなる様相はまるでちん・・・なんでもないです。

あとは、とにかく長いから一般家庭でどうしたらいいのかわからないのかもしれません。
今回ので約120cm。
まな板には乗りませんが、前半分は殆ど食べられないのでぶった切ります。
アカヤガラ05あぁもう美味そう!
細長60cmならもうどこの家庭でも調理は簡単。
多少失敗しても身が横にブ厚いので、捌き苦手な人にはむしろ普通の魚より楽かもしれません。

構造的にはアバラなし、前半分に小骨が少し。
肉質はしっかりしており切りやすく、皮も薄く丈夫なので容易に剥けます。
アカヤガラといったらまずはなんといっても生食でしょう。
アカヤガラ06刺身と霜皮造り。
血合の色も鮮やかで白身とのコントラストも美しい。
筋繊維がきめ細かく肉質がしっかりしており、厚切りでも薄切りでも小気味良い歯切れは損なわれず、甘味旨味が素晴らしい。
こってりな甘味ではなく、あくまでも爽やかな甘味。
その旨味は薄切りであっても醤油やポン酢に全く隠れることない主張をするのに、余韻を残してスーッと消えていく。
特にサシが入って見える訳でもないのに、脂を思わせる甘さなのです。

丈夫な皮も薄く、一瞬の湯引きで柔らかくなるので霜皮造りでも実力は十分だ。
霜皮造り全般に言えるけど、加熱される部分が少し加わることで味の複雑さが増す。
アカヤガラ07煮付け。
正直、煮付けにはあまり向かないというか、筋肉が締りすきてしまい、味も染みにくいので勿体無い。
でも刺身用に引いた皮、肝臓、胃袋が勿体無いので毎度少しは煮付ける。
肝臓はハズレ鮟鱇の肝みたいなサッパリ系。
胃袋から腸は腹の中にまっすぐ入っているだけで短いが、体が長いからそれなりの長さ。
でも薄くて硬めなので個人的には魚の胃袋の中では評価低い。
アカヤガラ08蒸し物。
紅白は見た目に美しいけど、加熱しすぎると硬くなるので難しい。
団子は刺身の端切れと中落ちを集めて摺ってみました。
繋がないツナギに山芋少し入れてるので口の中でほぐれます。
刺身ほどの甘味は感じないけど、加熱でよい出汁が出るので蒸し汁に出汁と柚子を加えて餡にしてみてます。
アカヤガラ10吸物。
やさすぃ~ん
これは絶対はずせない。
口の中で溶けるようにほぐれながら甘味が広がる。
ヤガラの切身に片栗粉を打って、出汁の中に仕上げに落として余熱で熱を通すくらいで十分。
あまりの優しい口あたりに勝手に表情が緩む。
アカヤガラ09ほかになんか新しいもの考えようかと思ったけど・・・ダメだわ。
強烈な生の美味さの誘惑に勝てず、結局残りも全部霜皮造りで。
真ん中に乗せたのは端切れを梅肉と大葉で和えただけなんだけど、なんでこれだけでこんな完成度高い味になるのか。
むしろ今度からこれだけ大量に作ってもいいな。
高級魚扱いされている魚の中には、単に希少性だけだったり、時期や地域の条件限定だったり、料理人の腕ありきだったりして納得のいかないものも多い中、鮮度の良いメーター以上のアカヤガラに関しては高級魚の名を無条件で冠して良いと思うね。

やっぱり鮮度いいアカヤガラは刺身と吸物に勝てるものはないかなぁ。
寝かせるまでもなくこの旨味を持ち、透き通ってて歯触り最高でいて見た目も美しい。
旨味甘味は醤油やポン酢の味に負けない。
もちろん毒もない。
非の打ち所がない魚だと思いますね。
歩留まりとヌメリ以外は。

要するに
年収1000万で容姿端麗だけどマザコンでした
みたいな魚だな。
人間と一緒で完璧なんていないんですよw

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 8 )
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  1. 昨日、市場で507(+消)で味は良いんですけど、ヌメリがやっぱりヤバイですね❣️PPAP

  2. 隊長、昨日スーパーで見つけたので買ってきました!!
    105cmで780円+税、うひゃっほいっ!!

    難しい事は出来ないので刺身にしてみましたが、これは、うまい。
    うー、まー、いー、ぞーっ!!
    きめ細かい身質、プリッとしてるのにゴリゴリしない歯切れ。
    臭みも無く、甘く、上品な白身の香り。
    これは今まで食べた中で最上級の刺身だったと思います。
    こいつぁやべえ(^^;)。

    アラを丸ごとシャトルシェフにぶち込んでみましたが、
    なんでか分からないけど甲殻類っぽい味の出汁が??
    カニ寄りにも思えるしエビっぽくも思えるけど、
    今までに経験した事の無い強烈な濃さの出汁が出てます。
    なんとなく、うどんが合いそうな予感。

    熱い出汁に刺身を数切れ落として、軽く熱が通った状態でも
    食べてみましたが、生とは違ってジョキッとした歯切れに。
    それこそなんだか甲殻類の身を食べてるような感じでした。
    なんなのこのコ、もっとほしいですぅ。

    • 1.5m超えるので1m以上推奨って感じでしょうかね。
      売れるようになってきた地域では高値に移行していくでしょうが、知名度低いところではまだまだ安いと思います。
      安いのを見つけたらら買いでしょう。

  3. 懐かしくて感動

    サイトが復活したと早速何個か記事を拝見させて頂きましたが驚きました
    同じ魚なのに前と文章が違う! 昔より画像が奇麗!(失礼) あと料理の盛りつけとかの腕が
    上がってて感動しました(笑)
    若干昔より毒が消えた感じですが反面別記事ですがサラッとジョロウグモの旬とか難易度も
    上がってて笑いましたw

    後日時間をかけて残りの記事も読ませて頂きます
    それでは失礼致します

    • 同じネタでもやっぱり過去は過去で、今では通じないものとか変えるべきものはできるだけ変えていこうかと。
      シビレエイくらいになるともう機会ないだろうと諦めてるのでw

      毒はねー
      どうでもよくなったというか、慣れて感動しなくなったというか。

  4. アカヤガラ、シーズン外れるとただ同然でもらえます@鹿児島
    この魚の良いところはどんな時期でもうまいんすよね、臭いとかってことがない
    キビナゴを口から出す様は触手系のアレを思い出してグロいですが

    • 小さいのは各地で捨てられ放題みたいですが、大きいのが貰えるのは羨ましいなぁ。
      網獲れの口の中ならまだ食べられるのもありそうだから、レアな魚が入ってるなら歓迎なんですけどね。

コメントしたければしてもいいのよ?(カエストハイッテナイ)

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