ざざむし。

アフリカマイマイは普通に食える

沖縄のあちこちにいたアフリカマイマイ。
1932年に食用として持ち込まれたもので、実際、戦後の食糧難には結構食べられたらしい。
なんやかんやあって広まり、放置され、いまや世界中で侵略的生物として悪役となっている。
日本でも食用として認知されなくなって久しいと思う。
それはやはりイメージの問題だろうか?
どんなイメージだろうが、それが異常に美味ければ食材として定着はしたはずなのだ。
また、もともと食料として導入された生物であっても、現在自然繁殖している状態のものが問題なく食べられるかどうかは別問題なのです。
美味かろうが不味かろうが、一度は食べておきたいと思っていた。

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調達には事欠かない。
沖縄ならどこにでも・・・というと御幣はあるが、かなりいろいろなところで目にした。
しかし植物防疫法では有害動物指定を受けており、外来生物法でも生態系被害防止外来種に指定されている為、生きたままの持ち出し移動はできない。

おまけにナメクジやカタツムリの類は広東住血線虫の中間宿主となる。
人間に寄生すれば好酸球性髄膜脳炎を引き起こす危険があり、場合によっては死に至る。
ちなみに、小笠原に繁殖しているアフリカマイマイは広東充血線虫の寄生率が高く、より危険だそうです。

これだけ揃うと、現地で何らかの処理をする機構がなければ食品流通なんて成り立たない。
現在はそれをするだけの価値なしとされているということである。

なおさら、せっかく沖縄に来たのだから食べない訳にはいかなかろう。

と、いうことでスッポンを煮込んでる時間が物凄く暇だったので拾ってみました。
雨だからあちこちに這い出てきています。

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でかいwww
こんなにデカいのもいるのかというほど大きなのもいた。

注意しなければならないのは広東充血線虫。
どの程度の確率で寄生しているか不明だが、素手で触れないに越したことはない。
まぁ、素手ですが。
ナメクジを手一杯に握るでもなし、殻を持つ一瞬でやられるくらいなら這い回ったコンクリや地面や野菜を触ったってやばいでしょ。
極度に恐れすぎるということも壁を作ってしまう原因の一つではないでしょうか。
手に怪我のある人も避けたほうがいいだろうし、あまり弄り回さず、手は速やかに洗いましょう。

さて、調理ですが、まずは身を分離します。
エスカルゴでもそうですが、基本的に陸棲の巻貝は腹足だけを食べます。
特に今回のように枯葉やらコンクリの表面やらまで削って食べてるような生き物は、絶食させる時間もなく、飼育もできなければ肝は食べられません。

ということで

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スッポン鍋を洗うついでに海水掬って加熱してるところを、沸騰させて投入。
こんなの中身抜くだけだからこれで十分です。

みるみるうちに白いものがエクトプラズムのように噴出されてきます。
あまり煮ると塩味も染みそうだし、全体に熱が通り広東充血線虫を殺せるまで加熱されればいいので5分でOK。
変に煮込めば未消化物の風味まで身に移ると考え、最短時間で良いと思っています。3分でもいいか?
湯を切り、串で刺してクルリと抜き出します。

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綺麗に先まで抜けました。
殻ばかり大きくて、中身の大きさにはそんなに差がないのがガッカリです。
熱が通っているのでもう安心、思い切って肝を全て捨て去ります。

やはり若干の土臭さというか、不思議なニオイがします。
そしてなにより、異常にヌメヌメヌメヌメしています。
小型のナメクジの場合はヌメリもそのままに調理したほうが食感がよくバランスよく食べられたりもするのですが、アフリカマイマイの場合はニオイも含め明らかにちょっとよろしくない。

ということで、海水で強く強く揉み洗いします。
手があまりにヌルヌルすぎて写真が撮影できませんでしたが、1.5Lほどの海水が僅かアフリカマイマイ6個のヌメリで完全にローションと化しました。
両手でタプタプと掻き混ぜるアレがそのまま再現できました。
なんだこれwwwww
いや、そういうプレイとかしたことないけどさ。
恐るべしアフリカマイマイ。

海水を換え、2回目で殆どのヌメリは取れました。
茹でただけの時にあった異臭も殆どなくなりましたね。

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これだけ見ると何かの巻貝ですね。
なんかちょっと卑猥さもあってグロいです。
この処理を考えると、やっぱり普通のカタツムリでは手間の割に可食部位が少なくて面倒でしかありません。
アフリカマイマイやジャンボタニシくらいの大きさがあるからこそ許されると思う作業量です。

さて、調理といっても屋外で最小限の準備しかありません。
完全に思いつきだし、どうしましょうか。

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パパイヤソースで炒めたものと、ネギマ(ネギマイマイ)にしてみました。
もう熱は通っているので、最小限の調理で食べた評価がある程度あれば応用もしやすいでしょう。

ちなみにアフリカマイマイを6個茹でたのに5個しか無いのは味見したからではなく、盛り付けの際に落ちてコロコロと転がり側溝の穴に落ち、雨で増水していた激流に乗って光速で彼方に旅立ってしまったからです。
キミのことは忘れない。

さて、問題の味です。
パパイヤソースはガーリックもなくて完全に有りものだけで適当に作ったので味のバランスが酷いものでした。
ただ、アフリカマイマイの味自体はべつに悪くもない。

これならネギマは期待できます。
タレと塩の2種作ってみました。
まずはタレから。

・・・おぉ、かなり良い感じにコリコリですね。
不安だった臭味もない。
ただし旨味も薄い。
たったあれだけ煮ただけなのにこんなに味薄いの?
っていうか沖縄のザラメやたら美味いな。ザラメと醤油だけでこんなにタレ美味くなるのかよ。
完全にタレに負けていて、アフリカマイマイである意味が感じられない。

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顔もキュッと引っ込んじゃってて、黙って出されたら何だかわからず普通の貝だと思って食べちゃうでしょうね。
松崎しげるやボビーの顔が出てきても違和感なさそうな黒さはちょっと微妙ですが。

では塩ネギマのほうはどうか。
塩といっても、茹でる際とヌメリ取りの際に海水を使ったので染みてるだろうと思い、そのまま焼いただけですが。
・・・。

ほほう

これは・・・

普通に食えるじゃん?

まさに若干の塩味だけなので、弱いながらもアフリカマイマイの旨味がわかります。
そしてやっぱり嫌な臭味はない。
海水で5分茹でて、揉んで、ただ焼いただけなのに。
これは捕りたて鮮度抜群だったからということはあるのではないかと思います。
ヘタに通気の悪い環境などで飼育したりするとナメクジやKGBはカビ臭さなどを吸収してしまいがちですので、アフリカマイマイでも同様のことは考えられます。

まぁ、取り立ててぶっちぎり美味い!というものではないけれど、この小気味良い歯応えは評価点。
そして、それなりに大きく道具の限られるフィールドでも海水と火だけで十分に食べられるというのは、野食において大きな評価ができるものです。
旨味の弱さは欠点ですが、逆に考えれば、正しく下拵えさえすればクセがないのでいくらでも調理方法は広がるでしょう。寄生虫にだけ注意してもっと食べる人が増えて、乱獲して棲息数を減少させても良いんじゃないかなと思いますね。
いちばん不要なのは先入観だけ。

くれぐれも寄生虫にだけは注意してどうぞ。
死ぬので。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 10 )
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  1. 御幣

    語弊

  2. 故水木先生が戦時中に南方戦線でこいつを焼いて食ったとか本に書いてました。
    サザエにも劣らないとか。

  3. ミッキーアイル

    見た目はバイ貝ですね。

  4. 昔、「探検をレストラン」という番組でこれを調理した時には(フランス人のシェフだった)、ゆでる前に塩と酢を思いっきり振りかけて揉みこんで(ぬめり取り)ました。

    • 酢を使うなら塩は不要だと思いますよ。
      このテのヌメリは塩でやるよりも数十倍早く簡単に取れます。
      下味をつける意味もあったのかもしれませんね。
      なんにせよアウトドア環境で酢は普通持ち歩いてないのでどうしようもないです。
      蓚酸ならどうかとも思ったのですが沖縄にはイタドリが無いそうで、ギシギシも近くになかったので仕方ないですねー

  5. 女性の陰部にみえますね…卑猥。

コメントしたければしてもいいのよ?

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