さて、野食会も近いし食材何か用意しなきゃと思ったはいいけど面白いネタもないわ、寒さと歳で野に出るのが億劫だわ、よりによって時化だわで直前まで迷っていました。
野食会は30名なので30名分のネタを準備しようと思うと大きな肉や大型魚介類ならいいんですが、小型魚介類や昆虫となると採集や処理がなかなか大変です。
まだ肉質MAXなサワラには早いし、昆虫はもう終わりな時期だし、数釣れて当たり前すぎないやつっていうと・・・ということでタカベにしようかと思いまして。
タカベはスズキ目の中でもタカベ科に独立していて何に近いかと言われても難しい身質の小魚で、小型のチビキなんかに近い感じがするかなぁとは思うけど余計わかんないよね。
南方系の魚なんだけど東京では「東京都産」と書かれてしばしば販売されているのを見かけ、20cm少々で1尾300円前後、少し大きいと一尾1000円近い店もあるらしい高級魚扱いの魚。
確かに美味しい魚なんだけど、東京で売られているものは東京産と書かれていてもそれは八丈島とか伊豆諸島の離島からが殆どなんだろう。だから輸送費がかなり入っているんじゃないかと思っている。
しかしタカベって実は離島まで行かなくても伊豆で釣れる。
いちばん近くなら網代の堤防でも釣ることはできたけど、あそこ釣り禁止になっちゃったしね。
という訳で、もっと簡単に釣れるところまで行ってきました。
昼間ならずっと釣れるんですが、今回は夜半~朝の短時間しか風が止まない予報だったので夜から行き、朝イチに賭けることに。魚に限りませんが、確実に獲物を得るには自然に合わせることが重要です。
さて、着いたはいいが想像以上に爆風。
アジでも狙おうかとカゴ仕掛も持ってきたが飛ぶ訳ないのでセットもしないまま時間が過ぎる。
どうせウツボはいるだろうと太仕掛を落としてみると
案の定、一撃で釣れる。
バーブレスにしていて抜き上げれば勝手に外れるので、特大が釣れるまでリリースを続けることにする。
延々とウツボが釣れる中、ちらっと海面を照らした時に見覚えのあるシルエットが見えた。
再度照らすと消えている。
しかしあれは間違いなくアレなんじゃないか?
仕掛を換えて狙ってみると
一発で釣れたw
おまえ夜でも釣れるんかい・・・散々釣ってきたけど知らんかったよ。
風も収まってきたのでタカベ狙いにシフトすることにした。
効率が悪いので試行錯誤しながら楽勝なメソッドを確立していき、バラシが多いものの最終的には2投に1尾くらいのペースで釣れるようになった。
こんなの知ってたらいままで時間をもっと有効に使えたのに。
サイズはバラバラだけど、半分くらいはこのサイズなのでまずまずだ。
夏の魚なのでちょっと細いのが気になるが。
そうこうしているうちに、なんだか鈍重な動きで横に走りだしてぶっちぎっていく奴が出現し、何本か切られた。
正体を掴んでやろうと太仕掛に変更、タカベ仕掛と同じ沈下を演出してみる。
君じゃない。
オマエかーっ!!!!
完全にこの引き。最初ウツボかと思うけど横に走りだす。
40cmホウライヒメジ超嬉しい。フレンチの高級魚です。
こんなのが何匹も集まってるのが最初からわかってたら本気で狙ってたんだが。
しかしちょっと太仕掛にした途端、オキアミにもビシバシとウツボがかかりまくりウザいことこの上ない。
おまえら80cm超えてまで小さなオキアミ食ってくるんじゃねぇよ!
とか思いつつ、自分も胡麻とか好きなので仕方がないか。
メソッド確立してから3時間程度で41匹釣ったところで後が面倒なだけなので強制終了。
クッソ寒いのがわかっているので鍋かラーメンでもと思って準備してきたが、爆風でコンロが全く役に立たない。
そろそろジェットボイル買おうと思う。
散々あれの良さは見せ付けられているのでそろそろ限界だ。
しかし今日は今日で無いので
仕方なく刺身をもぐもぐ。
三色団子を食べた串があってよかった。
タカベの刺身って鮮度落ちてからだと全然うまくないので産地で鮮度良いもの限定の刺身だと思っているけど、筋肉にまわっている血が多すぎて活造りには向いてないね。作っておいてなんだけど。しっかり血抜きしてから死後硬直入ったくらいのタイミングで刺身にするのがいちばんうまい気がします。
夜が明ける前に鰓・鱗・内臓を取り去り、足元が更にウツボパラダイスとなりました。
本当は現場で三枚にして塩して、帰る前に酢に漬けてこようと思っていたのですが、まさか夜中に釣れるとは思っていなかったので漬かりすぎる可能性があり予定変更です。
夜明けにアジでも釣りましょう。
・・・と思ったら夜明けからまた爆風wwwww
!?
なんだおまえ可愛いな!
と思ったら、足元に来てオキアミ食いだしたwww
なんだよこの人懐っこいイソヒヨドリは。
本来は堤防や磯でフナムシやらなんやらの小動物を食べている鳥らしいが、堤防に残されているエサの味を覚えてしまったんだろうか。普通の冷凍オキアミはかなり塩っ辛いはずなんだが大丈夫なんだろうか。
みんなちゃんと汚れは流してから帰ろうね。
オキアミ オイシイ デス!
なんという満足げか
結局爆風の中イソヒヨドリを眺めていたら時合も過ぎ、本来の目的であるタカベも十分なので30分程度小魚釣り。
いつもながら歌舞いてるニシキベラ。
無限に釣れる。
他にはアイゴとかスズメダイとか無限にいるけど今回はめんどくさいだけなので総パス。
そういえばウツボをキープしていないので2投2匹で瞬殺して撤収。
結局13~4本釣れたんじゃないか。
とりあえず野食会の食材以外は美味しく頂きます。
ニシキベラとカゴカキダイも2匹キープ。
変り種盛り。
ウツボ・ホウライヒメジ・タカベ酢締め・カゴカキダイ・ニシキベラ・ホウライヒメジ霜皮造り
こうして比べてみると確かにニシキベラは最下位なんだけど、100人に食べてもらって好きなの3つ選べって言ったら3本の指に入れる人が出てくるだろうと思うくらいには普通に美味しいんだよね。
カゴカキダイはよほどの小型でない限りは持ち帰る美味しい魚。
これもタイガースカラーで熱帯魚っぽくて先入観で食べない人が多いけど、知ってる人は珍重する美味さをもつ。
大型で脂が乗ってくるともうかなりヤバいが、小型でも十分に美味い。
ホウライヒメジは言うまでもなく美味いんだけど、こうして比べてみてもウツボのポテンシャルの高さは凄いと実感させられる。
で、当初の目的だった野食会用食材のタカベですが、大きいものを選んで3枚におろし、しっかり塩して締めます。
締まった段階で骨抜きで全ての小骨を抜き、酢締めします。
タカベは現地以外では加熱専用魚みたいな認識でいたので酢で締めるのも初めてです。
半日後、まさかの漬かりすぎ。
夏の魚であり南国の魚だからか冬に脂が乗るという概念がないようで、異常な速度で酢が浸透してしまいました。
そして、そのままだと皮が硬い。あんなに薄いのに硬い皮はどうしたものかと思ったのですが、仕上げに一瞬炙るだけで柔らかくなることがわかり炙り必須という結論に。
1弾があまりに漬かりすぎてカチカチなので急いで残してあった分で漬けなおし、それでも漬かりすぎ気味でしたが幾分マシになったもので押し寿司にしてみました。
会場に持ち込み、仕上げ。
本当に一瞬のファイアで問題ないので皿の上で仕上げ。
わさびと、安全重視で塩強めにしてあるので香りを補う程度に醤油ジュレを乗せて完成。
味は・・・面倒だったわりには特筆することもなくうーんという感じ。
やっぱり夏の魚は夏食べるのがいちばんだね。
結論、イソヒヨドリが可愛かったから許す。
タカベは夏に腐るほど見かけますが、一度も釣ったことないんです。撒き餌のは寄ってくるのにサビキやオキアミには食いつかないような。何かコツあるんでしょうか。
タカベとハコフグの共通点は見える深度や距離ではやたらナーバスになりハリスを細くしないと食わないことです。
だから遠投カゴ釣りや船釣りでは太いハリスでも簡単に釣れるけど、堤防ではハヤ釣りくらいのライトな仕掛けにしないと爆ることができません。
あと鈎もできる限り小さくし、コマセの沈下速度と同調させるだけで1投1匹になります。
イソヒヨきたー!可愛いよ可愛いよ。元は磯の子ですが、近年内陸部にもどんどん増えてるそうで。今年はこちら山梨県ですが、初めて見かけた&子育て成功しました!
ほんとに可愛いです、綺麗な囀りと剽軽な仕草。かなりの肉食系なので越冬だけが心配です。
可愛いですよね。
しかもこの子、食い終わった後も私の背後でずっと座ってた。なんなの。
野食さんの所でウツボに興味を持ち、先日沼津にウツボを釣りに行きましたが、姿を見る事は出来ませんでした。しかし、やっぱりいる所にはうじゃうじゃいるんですね。生息密度が違うのかな?
この記事を参考に来月リベンジします!
いるところに行けば釣った魚の内臓やアラをぽとぽと落としてるだけで10匹くらい群がってきて池のコイみたいになりますよ
イソヒヨドリはなぜか山奥でも都市部でも出会える可愛い鳥です。
あとカワセミも沿岸の水路でよく見かけます。
たべるとおもったよね
どんどん内陸に進出しているって話ですよね。
カワセミは意外に普通に港でよく見かけるんですがあいつら塩分とか大丈夫なんだろうか。
イソヒヨドリに目を付けた時には「まさか…」って思ったのですが安心しましたw
まさか。目の前で突然死でもすれば別ですけど。
初めてコメントさせていただきます
いつも楽しく読ませて頂いております
素朴な疑問なのですが、せつなさんが食べたことのない珍しい食材でどうしても食べてみたいものってありますか?
食べたいと思った時がその時なのでいざ聞かれてもあまり浮かばないですね。
あえて言うなら今興味があるのはマムシの卵黄です。
卵胎生なので体内で子蛇になる前の卵黄がめちゃくちゃ美味いらしいと聞いていますが、タイミングの難易度高すぎて。
生きているタカベは綺麗ですねー、
ビフォーアフターの写真があると凄くはっきりするというかなんというか…‥
自然って凄い。
これ昼間だったらもっと鮮やかで、泳いでると更に鮮やかなんですけどね。
シイラと同じくらい変化してしまうので。
カゴカキダイ美味しいんですね。たまに見かけるので買ってみようかな。
カゴカキは間違いなく美味いですよ。
よい個体になると皮目に脂が層になりつつ、身にも脂が入り、筋肉自体の旨味が強いです。
刺身でも塩焼きでも最高なので是非。
タカベはこっちじゃ見ませんがイスズミの友達なんですね~ホウホウ・・・。見た感じイサキっぽいっすね。味はイスズミ寄りなんでしょうかね?だったらちょっと癖っけのある感じかな~?しかし押し寿司これは涎が出る・・・最近酢を使ってないから酢〆を見直さなくては・・・
※イソヒヨ君は見かけに反して声きれいですからね~♪何処に居ても超癒されますw
wikiにはイスズミ科って書かれてるけどこのへん分類の変更はよくあることなのでスルーするとして、肉質はイスズミとは別物ですよ。
押し寿司は試しでしたが予想外の皮なので炙り必須ですね。
でもやっぱり焼き専用魚だなぁという感じです。
タカベは式根島に旅行した時に食べたけど美味しい魚ですよね
塩焼き美味いですね。