ざざむし。

コナガニシは小さな横綱

富山でワタリガニを探している時に偶然引っかかってきた貝がいた。


ナガニシか?と一瞬思ったが違和感がある。
最初に掛かってきたのは手前の個体だったが、微妙にソフトな感触で、それは産毛のような表面仕上げを施されたルアーに似た優しさがある。
種はともかく明らかにこいつはバイ同様のスカベンジャー。狙えば釣れるのでは?
と思ったらあっけなく写真上の2匹目がとれ、不思議触感の原因が表面を覆うカイメンのせいだとわかる。

表面がカイメンに覆われるナガニシっぽいやつ・・・コナガニシか。
しかしこいつ底引き網で捕る貝じゃなかったのか。なんで漁港ですらない場所の目の前にこいつらがいるのか。

漁港なら水揚げ時に漏れたものが定着してるだけとも考えられるけど、漁港でもないのにトゲモミジガイの猛攻に耐え続けていたら11匹も捕れた。
これは本気で狙ったらもっとガッツリ釣れるかもしれない。

さて、ボウズコンニャクさんのレビューでも非常に美味で星4つになっているので期待が膨らむ。
しかし調理法を確認すると刺身だっていうじゃない?
こんな小さな貝を刺身???
めんどくさっ!
ニシの類は口の周りがテトラミンで辛かったり、内蔵がエグくて食べられなかったりするものがいくらかいるが、コナガニシも内蔵がエグくて食べられないんだとか。
そりゃ殻ごと煮たらアウトだよね。ということは何するにしても剝き身にしなければ始まらないということか。
仕方ないのでハンマーでかち割って筋肉だけにし、口周りを取り除き、よく揉んで洗った後、仕上げに塩で揉んで流した。

小さな貝をこんなに洗いまくって味がどれほど残るのか。
色味は赤くてとても美しいけど味は果たしてどうか。

うまっ!
あっま!!!!!
なんだこれめっちゃ美味いやん!
そりゃこんな小さくても貝殻割ってでも刺身にするわな。
歯応えも硬すぎずとても心地よくはっきりとしたコリコリ感、そして一気に広がる濃厚な甘味。磯臭さはなくクセが殆どないので万人向けなバランスで、これは間違いなく上位の味わい。個人的にはサザエやアワビよりずっと好きだよ。

加熱でも美味しいっていうけど、サイズがサイズだけによほど美味くなけりゃ勿体なくて使う気になれない。でもとりあえず試してみないとなんとも言えないから釣ってこないと。


夜ならトゲモミジガイの猛攻を避けられるかと思ったんだけど、夜は夜でウミケムシとヤドカリの攻撃が酷くて数とれなかった。
これなら昼間のほうが効率よさそうな気がする。

鮮度抜群なうちに加熱調理も試してみましょう。


なーるーほーどー
なるほどなるほどなるほどー?
巻貝なだけに小柱より強めで食べ応えがあり、玉葱とかき揚げにしても甘味と旨味がはっきりわかる。色味も良いし、確かに美味しいんだけど、刺身ほどのインパクトはないなぁ。
炒めて食べるにも満足度を得るには相当量が必要だし、自家調達物を加熱調理に使うには勿体ないかも。


うん!
やっぱり刺身一択だね。尊い。

ちょっと調べてみたら富山県では砂浜の貝だという。底引きといっても浅いのか?と思ったら20m以浅にいるらしいので、なるほど急深な富山湾なら余裕で届く訳だ。お隣の石川県では種苗生産試験もされるほどだが、それもそのはず資源量は減少傾向で時にキロ1万円を超えるとか。
えぇっ!?
関東では安いみたいだけど、減ってるんじゃ普通は高く売れるほうに流すよね。石川県七尾では標準和名のアカニシではなくコナガニシをアカニシと呼んで地元でも人気らしいが、他にはどうやら広島県でこの手の小さな貝が好まれるそうで、山陰のコナガニシは結構広島に集まっているらしい。
広島県民いいもの知ってるなぁ。ずるい。

採集する上で漁法以外に重要な点としては、貝なので共同漁業権魚種でないかどうかという点は確認しておく必要がありますが、富山県遊漁マップで確認できる限りでは問題ないようです。ただ、食性が似ているゆえに同じことやって釣れてしまうバイは管轄によって違反になるから、誤解されないようエリアがかぶる地域では狙うのを避ける注意が必要。探してみたいという富山県以外の皆さんは何がどこまで安全に楽しめるのか各自で調べてくださいね。
全国的に減ってるようなので場所や採り方は公開を避けて細々と利用していきたいと思う。

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Comments & Trackbacks

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  1. 貝類は大好きです。食すのもさる事ながら(スーパーで売ってるレベルしか食べた事ありませんが)僕は貝殻に魅せられる所が大きいです。恐らくは子供の頃に百貨店で見た世界の貝殻展の責任です。
    貝殻下さいw

    • この貝殻だとカイメンもこもこのやつを選んだほうが面白いでしょうね。
      貝殻目当てだと破壊せずに取り出さないといけないので茹でてエグ味が移るのかどうかも試してみたいところ。

  2. こんばんは。
    地元広島の住んでた地域では夜鳴き貝と言ってました。
    夏に産卵のためか浅瀬に来るので、大潮の干潮時に拾い歩いてました、35年前ですが。
    表面についている海綿が独特の匂いを発していて好みは分かれますが、自分にとってはとても美味しい貝でした。
    環境変化に弱いのか、底引き網で採り尽くされたのか、突然見なくなったように思います。
    そんなわけで資源管理の大切さは小学生低学年から教えるべきかと…
    息子たちには山川海での遊びのたびに、懇々と教えています。

    • 昔はよかったですね(遠い目
      しかしそんな浅瀬にまで寄るというのは驚きです。
      時期的にもう深場に落ちてしまう可能性もあるので来年は早めの時期からチェックしてみたいですね。

  3.  twitterで見て、この刺身は赤貝のヒモかな、でも白っぽいからちょっと違うかな、なんて思ってましたが、そんなマイナーなやつでしたか。

  4. なるほど!あのシビれる様な苦味?辛味?はテトラミンっていうんですね!
    昔、おばあちゃん達が「コレ食ったらタバコの味がして美味しいったい。」って言ってたイボニシガイのあの辛味も同じものなのでしょうかね。
    いずれにせよアノ辛さが苦手でこの手の巻貝は避けていたんですけど、こんな風にして食べたらいいんですね!全然しらんかったです!

コメントしたければしてもいいのよ?(カエストハイッテナイ)

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