ざざむし。





野食会2016冬(第5回)に参加してきました

参加できるかどうか怪しかったけど蓋を開けてみればしれっと参加してきました野食ハンマープライス主催5回目の野食会。
野食会と銘打ってはいるけれど、主催者のブログの傾向から判断してべつに採集したもの限定でなくても良いと思うのですよ。
流通如何に関わらず採集したもの、流通はしているけどレアなもの、流通しているけど認知度が低いもの、認知度は高いけど意外性のある調理で化けたものなど、ルールから外れなければそういったものなら大抵喜ぶ人ばかりでしょう。

18時開会ということで私は16時頃到着、既に会場に早入りした方々でワイワイやってる。
おかしいな。先月仙台富山で会ったばかりの人もいるがw
さて、持ち込み枠を設けたことで食材持込みの方も手ぶらの方も双方気兼ねなく参加できるのではないでしょうか。
今回自分は面白いネタもないので持ってきたものを切っただけで終わり。4回目にしてようやくほぼキッチンには入らず参加できましたが、たまたまなのかなんなのか今まででいちばんざざむしの人であるせつなとして会話した方が多かったです。
いかついモンスターみたいなのを想像している方もいたようですが、指先で潰せる紙魚のようなただのひ弱なオッサンですので優しくしてあげてください。

携帯を片付けたままでツイートもできなかったので、できるだけ感想もつけていこうかと思います。
ほとんど覚えてないけれどもw


18時乾杯の段階でおおまかに料理が揃いました。

テーブルは全3席あり、まだまだ埋め尽くされますが完成形を撮影できず。

テーブルに乗らない大皿

何言ってたか覚えてないけど乾杯。
乾杯後もキッチンや隅っこで更に調理が進められていきます。

熟成エゾシカのシンタマは小林銅蟲さんがanovaで2時間育てることによりヒンナパワーが溢れ出します。
シンタマは芯玉肉で大腿骨を巻くようについていてステーキにしやすい部分です。
ちなみに小林銅蟲サイン会も行われていたので「めしにしましょう」1巻を持っていった人はお得でした。
kindle購入の方々のつらみが伝わってきました。

完成までに時間があるので先に他のものを食べていきます。

ツキノワグマのワイン煮。
クマは獣パワーがありすぎてうまくないのばかりしか食べたことなかったのですが、やっぱりシチューっぽく煮込んでしまうと美味しいですね。
それでもまだパワーを感じるにくですぱわー。

このへんは文さんの持ち込み。
ラワールは前回もあったよね。うまい。
このへんは完全に守備範囲外なので名前聞いただけじゃサッパリ作れないし。

イノ燻ニンニク味噌和え。
常備菜的なつまみにいい。

イノシシのスペイン風ミートボールと鳳爪。
鳳爪は要するにモミジ。つまり鶏の脚先。
山のように袋詰めされて売っているので「そんなにいらんわ」となって普通の人はあまり買わない食材だよね。

琉球イノシシの骨。
残り肉をしゃぶって食べます。
臭味などは感じない。

アミガサタケの肉詰め。
アミガサタケは山より街中や公園によく出る上、間違えようのないキノコなのでとても優秀。
日本ではまだまだキノコ好きだけのものだけど、ヨーロッパではモリーユという有名な高級キノコ。

価格を知っているとより一層楽しめるのではないでしょうか。
そこらへんに生えてるけどな!

アミガサタケはミートボールっぽいものにも。
旨味爆汁でソースうまかった。パスタにしたら絶対うまい。
アミガサタケはキノコ入門にちょうど良いような気がしますし、これを毒キノコと間違えるような奴ぁ死んだほうがキノコ狩りはしちゃいけない人種。

ベーコンも市販のものだと添加物ガンガン使われているものが多いですが、自作だと全てを自分の好みで作れますね。
ベーコンに限らないですが、人によっては添加物のせいで嫌いになっている食品もあると思います。
味覚が鋭い人には明確にエグ味に感じる保存料は、使わないで作るだけで別物が生まれます。
うまい。塊で食べたい。

ハタハタ煮つけ。
シーズンですしね。卵も成長が進みすぎたゴムボールみたいなのはイマイチ良さがわからない人ですが、これはちょうど良い塩梅でよかったです。

カワリハツ、ホコリタケ、ウスバハギの頭やアラ。
ホコリタケは皮付きでしたが嫌な風味が出ていなくて上手な扱いでしたね。

ホシザメ、ワカサギ、ウスバハギの肝、アカエイの肝の揚げ物シリーズ。
ワカサギは朝釣ってきたスーパーフレッシュな霞ヶ浦産だそう。
ホシザメは気付いたらなかったけど、多分誰が食べても違和感ないものだったのではないかと。
肝はいずれも生でいけるんだけど、こういう会だと食中毒回避優先で全力を出しきれないのが辛いところですよね。

ウスバハギのフライ。
漁獲はそこそこありながら一般人には知名度が低い魚だし、大型になるので身もとれるから大人数のイベントにこういうチョイスは良いですね。
80cmに迫るほど巨大になるカワハギの仲間で、狙って釣るには少々対策が必要ですが相模湾でも船や堤防で釣れます。
しかしよほど集まっている時でもないなら安いので買ったほうが効率は良い魚かも。

ワタリ・イシガニ御飯、サザエ御飯、タコ飯が炊飯器の中で3層になっていました。
なるほどこういう持ってき方もアリだなぁ。

あぶってかも風。
「あぶってかも」はスズメダイを干して焼いたやつ。
スズメダイの肉質も場所によって違う気がするんだけど、ファミリーフィッシングで釣れるような堤防ではコマセの影響もあってか脂の乗りが異常なものが多いような気がします。
スズメダイというとグレ師にとっては邪魔なだけの存在かもしれませんが、味はとても良い。
特にあぶってかものような簡単な調理法で真価を発揮し、焼くだけでその脂の多さで小骨や皮・鱗が揚がるように仕上がってしまいます。
若干スズメダイ以外も混ざっているけど気にしてはいけない。
本当は焼きたてで食べてほしいよね。
数が人数分なかったので今回は手を出しませんでした。

タチウオの生ハム風とタチウオ燻製。
不味い要素が欠片もない。
説明不要にうまい。

朝釣ってきたばかりというタチウオの切身を夏ミカンの果汁で締めて野草のハマダイコンおろしで和えたもの。
これめちゃくちゃ好み。
夏ミカンゆえの単純でない酸味と爽やかだが密度の高いハマダイコンがタチウオの甘味と相俟ってうまい。
途中ずっとつまんでた。

ペンさんが採ってきた東京湾のマテガイ100本がんばりましたで賞。
いるとこにはいるけど、情報が流れないところにはいっぱいいる。
砂を噛まないから砂抜き不要で肉感も強く、採るのも面白くて良い貝です。

自分のタカベ押し寿司。
釣りの流れで他記事でちょろっと書こうと思うので今回は長いから詳細は割愛。

茸本さん作、ウツボ低温調理からのソテー
これ、やるとは聞いてたんだけど全く未知なので結果が想像できなかった。
結果、想像と全く違うレベルで美味かった。
プルプルさは嫌味だけが取り除かれ、くどさも抑えられ、筋肉はとても柔らかくもウツボのポテンシャルが生きている。
これはこれからも更に完成度を高めていける可能性を感じた。
異常な速度で皿上が壊滅したのも結果を表していたと思う。

既に魚の低温調理というのは存在するのだけれども、ここで少しだけ注意点を書いておこうと思う。
「低温調理が美味しい」という言葉だけが一人歩きしはじめると付きまとう可能性があるのは食中毒だ。
単にサクで販売されているものでも勿論、体内増殖型ではなく食材上で増え毒素産生する雑菌の繁殖を促してしまえばいとも簡単に食中毒の素が完成する。
特に新鮮な海産魚類の場合で怖いのは腸炎ビブリオだと思う。
8%未満の塩分と暖海程度の温度で爆発的に増殖するので、ヘタをすれば肉よりも低い温度で行うことになる魚の低温調理はビブリオ増殖器になりうるということを念頭に置いた上で、作ってみたいという人は慎重に行ってほしい。
ビブリオは体表粘液や鱗の隙間に多く、弱点は真水なので皮をつけたままの低温調理の際にはとにかくヌメリや鱗を綺麗に取り去り真水でよく洗ったものを使うというのが前提になるだろうと思う。
うまさと引き換えに死ぬな。(おまいう

コガモ・オナガガモ・マガモのよだれ鳥。
新潟の網猟で捕られたものだとか。
各種一切れずつになってしまうので同じ部分で比較できないから全部美味いというほかないw

猪ロースの角煮・シカ肩肉のワイン煮
いつのまにかシカなくなってた。
うまい。旨味の染みた根菜もたまらん。

あと、左上に見える魔法瓶に入ってるのがオニイグチの真っ黒なスープ。
コウタケの醤油臭さを抜いた旨味とポルチーニ系じゃないイグチの旨味を足したような強い旨味の黒いスープ。
見た目が毒っぽいので採らない人も多いキノコだから知ってると得なやつ。

乾杯前から銅蟲さんが育てていたシンタマが超柔らかく仕上がりました。
61.5度っていうコンマ5はあれだけいつも使っていないと指定しないですよね。

エサに群がる獣たち


なんか親の敵かといわんばかりに叩っ斬りまくった回虫のような物体もありましたが、サナダムシも食べられなくはない私に死角はない。
琉球猪と鶏の脚を煮込んでとった出汁で食べる麺だったらしいが失敗してよくわからないものが生まれていた。
でも味は良い。こんなこともあらぁな。

リンゴと栗のケーキ
気付いたらなかったw

杏ケーキ
これも気付いたらなかったw
途中まで無傷だったのに突然消えるから意味不明。

カキのタルト。
柿が苦手な人でも食べやすそうな味だった。

ジャムとかつけて食べるオシャレな硬く細いパン。
大人の食べ物な感じでうまい。

ヤマモさんが焼いてきたパン。
ミカン・クワの実・セイタカアワダチソウなどなど。

セイタカアワダチソウはもっとクセが強く出るかと思っていたけど、強いからと甘めに作ってきたということでとても控えめ。
個人的にはもっとガツンとくる感じに何か塗る感じのほうがよかったかも。
しかしあんなに忌み嫌われるセイタカアワダチソウですらこんなに食べ易くなってしまうという証明でもある。
乾燥粉末にしてから使うことで穏やかになるんだそうだが、確かにネックは気化する物質な感じはする。

まさかのセイタカアワダチソウの花酒。
キク花酒みたいな感じだとか。
確かに想像はできるけど、帰ってきて飲んでなかったことに気付いた。

うちの近所の知人さんが養蜂で収穫した自家製蜂蜜に庭のレモンをスライスして漬けたもの。
写真とってないけどこの蜂蜜が美味くて、蜂蜜レモンにしても蜂蜜レモンハイにしても美味い。
いつもお世話になっております。
物凄い勢いで漬けたハチミツ空になってましたねw
シロップいろいろ。
このはっさくシロップがめっちゃいい感じで、サワーにすると超美味い。
そこいらにあるはっさくサワーやチューハイがカスに感じるほど美味い。
聞いたらはっさくもワイルド物だそうで、箱入り娘でないところが良い方向に作用しているんでしょうね。

またシャレオツな・・・
ミツバアケビ・リンゴ・ナツハゼ・スイバ・サネカズラ・キクラゲ・ガマズミ・ムベ・ムラサキカタバミのジャム。
全部美味しいんだけど、やっぱりムベやアケビって単体だとオッサンの雑な舌には優しすぎて物足りないかも。
でもミックスを視野に入れると凄く可能性が広がりそう。

中でもこのムラサキカタバミが気になって。
確かにあれ物凄く大きなアフロみたいな株になるけど、あれをジャムにしようなんてこれっぽっちも考えたことがなかった。
ジャムを食べてみてもムラサキカタバミだなんて当てられない。
こういう自分の頭だけではどうひっくり返しても出てきそうにないものに接触できるのがイベントの良いところか。

ムベはジャムになってる。他ははっさく、ゆず、かき、みかんのピール砂糖漬け。
個人的には、はっさくとみかんを交互に食べ続けるのが好き。

奥に見えるナツハゼとゆずが反応して緑色になった炊飯器ホットケーキもうまかったです。

ナツハゼとミツバアケビのタルト。
これも食ってねぇし!
ずっと気になってたんだけどデザートだからか前半誰も手をつけず、後半に気付いたら消滅していた。
ショック。3歳は老けたね。
このタルトやピール、ジャムなどはバケツレコードのしげさん作なので詳しくはそちらを。

ワイワイやっている中、ブイィ~~~~ンと音が響きはじめました。
小林銅蟲さんの人件費と国産トリュフがマッスルドッキングすることで何かが生まれそうです。

マッスルド・・・ッキングしませんね。
大量の材料である牛乳と卵の冷たさのせいか想像以上の温度低下により全く温度が上がりませんw

時々機能停止して見えましたが帰ってトーン張らなきゃとか考えてらっしゃったんでしょうか。
あまりに上がらないので、この後店にあったツイスターゲームの箱が保温の補助をさせられ

トリュフプリンが生まれました。
沈殿して固まったトリュフが黒ゴマ団子のようにえげつない量でしたが、黒トリュフの価値観が崩壊した今年の我々にとってはトリュフの香りだけが移った黄色い部分が美味しゅうございました。
皆からなんとかトリュフを使いきらないといけないという強い意思が感じられて気持ちになります。

今回唯一の昆虫であるオオスズメバチ。
ハチの幼虫も種によってクセが異なり、オオスズメバチは昆虫食の中でも個人的に指3本に入る美味さだと思っている。
これを不味いと思った人はいたのだろうか。
先入観で口にもできない人は損であると断言するが、私は損しないので貴重な食材は人気など出なくてよろしいと常々思う。
あっという間に絶滅。

これはウホッ!トリュフだらけのベーコンオムレツな感じでどんどんトリュフ使いが雑になっているのがわかります。
よかったですね。

終盤にキッチンのほうで何か出来上がってもちょっとゆっくり動いている間に残骸しかなくなっているので何品か食べてない気がする。
当然写真もない。
ツイッターやってる人は「#野食会」タグで検索して参加者の方々のコメントや写真で楽しむよろし。

アミガサタケ・ヤマドリタケ・イボセイヨウショウロ(広義の黒トリュフ)がっつりのパスタ。
ここまで食べてきてもまだ舌に乗せた瞬間から意識を奪っていく。
濃い。

最後のほうに、恒例となってきたコウタケパスタ。
またこんなに使って・・・相変わらずくどいほどに超絶濃厚な旨味爆弾。
コウタケの味が何に近いかよく聞かれるけど、香りは醤油系、旨味はコウタケっていう独立ジャンルだよね。

旨味が強すぎて少しで満足できるものもあるが、単品でずっとつまんでいられるような美味しいものも多かった。
一人で全てをやり込んでいる人なんてそうそういるものではないから、各々が突出したものを持ち寄れると新鮮さがあって良いですね。

食材ってのは一様に管理されて作られたものでもない限り、成長段階による差・季節差・個体差・部位差・地域差など様々な条件によって差があり、その上で更に締め方や採集保管技術から調理技術の違いによって大きな差が生まれます。
「○○○は美味しい」「×××は不味い」など、日頃何気なく使ってしまいがちではある会話ですが、本来それらはポテンシャルを引き出しきったものに対しての評価に使うべきものであって、最近は著名人やメディアなどがいい加減な感覚で発してはいけないような気がしています。
過大評価は肩透かしや乱獲を招き、過小評価は食の多様化の可能性を狭め未利用食材といわれる分野の進出の妨げになります。

「△△の○○○は××すると美味しい」みたいになると一見煩いだけの食通みたいになって嫌ですが、至上主義ではなくダメだった部分も受け止める感覚で食材に対峙していくと誰もが食材の良いところを認めてあげられる結果に繋がり無駄な廃棄も減っていくのではないかと思っています。
そういう意味でもやはり好きで料理している人達っていうのは素材の長所をよく見てるなぁと感じることが多く、食べて薀蓄垂れ流すだけの人と違って気分が良いですね。

あ、前回も書いたけど、普通はこれだけいろいろ食べたことないものを同時に摂取すると万が一アレルギーが発症した際に原因特定が困難だと思うので、そのへんは自己管理のできる大人になりましょうね。
ということで次回は1月下旬だそうですが、また機会があれば。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 6 )
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  1. どれも美味しそうで羨ましいですね。いつかは持ち込み枠で参加したいとか思ってましたが、このレベルの高さはかなりプレッシャーがありそうです‥。

    • 何度か参加してる人がどんどん自分でハードル上げていってしまうのでこうなっていっちゃうみたいですね。
      あまり気にしなくていいと思いますよw

  2. そこはカースマルツゥ持っていかないと。

  3. 本当に楽しいイベントでしたね。皆様との趣味のトークが本当に楽しくて、未だ興奮冷めやらぬという感じです。次回も参加チャレンジがんばります!
    事前イメージは、せつなさんと挨拶できれば御の字という思いだったのですが、あんなにたくさんお話しできるとは思いがけない事で、ウチの連れもその点とっても喜んでおりました。ありがとうございます。
    しかし、楽しかった会の思い出が詳らかに思い出されると同時に、食べれなかったお料理を見せつけられるこの、反芻的つらみ…ナツハゼとミツバアケビのタルト、とっても美味しかったですよ(笑)

    • いつも話す人なんて殆どいなかったので私も楽しかったですよ。
      やっぱキッチンに引っ込んでると声かけにくいのかたまたまなのか。
      タルトふんがー!w

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