ざざむし。

ヒメハブとアカマタを簡単に食べ比べてみた

ヘビ食として日本だと有名なのはハブとマムシくらいしか聞いたことがない人が多いと思うんですが、そもそもヘビって食べる価値がどれくらいあるのかっていう話。
1)手軽に捕獲できる
2)食材として美味しく食べるには扱いが特殊
3)栄養面では評価できる
私は大きくこの3面から考えます。

1)手軽に捕獲できる
探していつでも見つかる訳ではないですが、いれば簡単に捕獲できます。
種によって攻撃性や攻撃方法が変わりますが、噛まれなければどうということはない。(海外の絞め殺される系大型種は別)
あとは毒を飛ばすタイプもいるので頭を持った後であっても絶対に正面からは観察しないこと。
有毒種は勿論、無毒種でも口中は雑菌の温床ですので噛まれることはあってはなりませんが、慣れれば容易です。
慣れる前に死ぬな。

2)食材として美味しく食べるには扱いが特殊
ニシキヘビやアナコンダみたいに大型になるならともかく、日本産のヘビは小型。
否応無く無数の背骨と肋骨に対峙することとなります。
快適に食べるには骨までカリカリにするか、粉々にして再構成、または粉末にすることになります。
骨までカリカリにする代表例は炭化である黒焼き、叩いて干物、唐揚げなど。
分解再構成はハンバーグやつみれの類、粉末は麺などに混ぜて食べたり。
アウトドアでの食材とするには少々敷居が高いと考えるのが実情、家庭料理向けではないでしょうか。
フードカッター万歳な食材です。

3)栄養面では評価できる
昔から精力剤のイメージがあるヘビですが、蛇肉にはシスタチオニンというアミノ酸ペプチドが多い。
シスタチオニンは老化を防ぐ物質とされ、グルタチオンの前駆物質。
人体内では肝臓のグルタチオンが毒物や異物に結合して消費されると、γ-グルタミルシステイン合成酵素が活性化されグルタチオンが合成される。
グルタチオンは細胞内の抗酸化物質として最強といわれているものらしく、体内に進入した活性酸素は細胞を酸化させる前にグルタチオンと結合して無害化してしまう。
だから肉体疲労時の栄養補給にシスタチオニンが多いヘビを食べることが「疲れている時に効く」ということなのだろう。
シスタチオニンは肉や魚にも含まれているが、その量はマムシなら牛肉の80倍ウナギの2000倍らしい。
シスタチオニン自体は必須アミノ酸であるメチオニンから生成されるけど、この桁違いの含有量を考えるとヘビを食べることは即効性が期待できるものだと思います。
単にペニスが2本あるからという印象操作だけではないようですね。

ちなみにシスタチオニンですが・・・他のヘビでも多いらしい。
もしかして精力剤扱いで有名なスッポンも?
てことはもしかして爬虫類全般なのかもしれないが、気になるので誰か計測してください。

と、
いうことで、そんなに食べ甲斐はなくても状況によっては食べる価値はそこそこあるというのがヘビです。

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本当はハブとヒメハブとアカマタか何かで恒温動物食毒蛇・カエル食い毒蛇・雑食無毒蛇の食べ比べ参考にしたかったのですが、この時はハブが見当たらず仕方なくヒメハブとアカマタのみ食べ比べてみました。
「どうせ食べるなら美味しい種を絞っておきたい」というのが今回の趣旨です。
何種も同時に食べ比べる機会はあまりないのですが、単体で日を跨ぐとどうしても他の要因で印象が変わりがちな微妙なものは食べ比べほどわかりやすいものはありません。
沖縄で走り回って車中泊3日目、そこそこ疲れてるので食べる価値もあるでしょう。
この2種はわんさかいたので少し頂きます。

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まずヒメハブから。
小さく見えますがこれでも60cmくらいあります。
首をハサミで切り落とし、皮を一気に剥き、内臓も取り外します。

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アカマタも同様に首落として一気に剥きます。
・・・剥きたいけど、長すぎて摩擦抵抗がありすぎアカマタのほうが苦戦します。
ちなみに、アカマタは触ると臭いと言われますが、剥いてしまえばべつに臭いませんでした。

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剥いても放っておくと30分~1時間くらいは動いてます。
まぁ、ヘビなら普通です。
akamatahead切り落とした頭も同様で、触れるとおもいっきり反応して噛みにきます。
ハブやマムシの場合は1時間くらい経ったからと油断して毒牙にやられないようにしましょう。

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アカマタは無毒ですが好戦的な絞殺系ハンターなので倍以上長いですね。

ちなみに橋の下でやってたのですが、突如の爆風スコールでいろいろ吹っ飛ばされ、内臓が側溝に落ちて流れてしまいました。
苦甘い胆嚢の味比べもしたかったのに残念。
ズブ濡れになってしまい、暴風で火も点かないのでどうしたものかと思ったのですが、30分程度でカラッと晴れたので続きを行います。

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ヘビやカエルは餌丸呑みタイプなので寄生虫がわんさかいます。
生食は絶対に避けましょう。

本当はミンチにして美味しく食べたいけど、アウトドア環境では難しいです。
しかも、いつまた爆風になるかわからないので悠長にしていられません。
仕方が無いので今回は簡単な調理のみにしました。

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アカマタ(左)とヒメハブ(右)のバター醤油焼き。
ただ焼いただけです。

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まずアカマタから。

うーん・・・(´・ω・`)
よく言えばジューシーなんだけど、悪く言えば旨味薄く水っぽくて、身離れが悪いのが最悪。
臭味は全く無いんだけど、肋骨や背骨ともしっかり癒着している感じでとにかく食べにくい。
料理法も向いてないんだろうな。

ではヒメハブはどうか?

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明らかに身離れがいい!
しかも目瞑って食べさせられてもわかるくらい、こっちのほうが肉の味が濃い。
一緒にまとめて焼いたのにこんなに変わるものなのか。

2匹を同じ味で食べ続けるのも飽きそうなのでもう1品作ってた。

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アカマタ(左)とヒメハブ(右)の塩焼き。
ただ焼いただけです。
串は燃え尽きましたが、私も燃え尽きました。

スブ濡れなので早く宿に行ってシャワー浴びたいんです。

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うむ、ヒメハブ美味い。

両者の味の違いや食べ易さの差はバター焼きと大差なし。
ただ、調理法としてはこちらのほうが合っているようで、どちらも更に身離れがよくなった。
それでもアカマタはやはり味が薄めなので、もう今後食べなくてもいいかなという印象。
皮を剥くのも若干苦労するし、労力に見合わない。

それに比べてヒメハブは結構美味しい。
背中の身は写真のように大きく剥ぎ取ることもでき、より味わい易くなった。
塩で焼いただけなのに、どこからか脂が滴るので蛋白ながら脂が乗っているんだろう。
鳥のササミような魚のような、なんともいえない白身は噛み応えはかなり強く、噛むほどに味が生まれる。
少量ながら満腹感も誘ってくれる感じだ。

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ヒメハブに至っては、こんなサイズなのに背側だけでなく腹腔内の肉まで簡単に剥ぎ取って食べられる。
余裕があったなら残った骨も干して揚げ焼きしてパリパリいきたかったところ。

ということで、今回は明確にヒメハブに軍配が上がった。
正直ここまで差がつくとは思っていなかったが、こうなるとハブとの比較が気になって仕方がない。

ところでハブといえばハブ酒も有名なのだが、沖縄を歩き回っていて驚いたことがひとつ。
売ってたハブ酒の約半分がヒメハブだったw
とんでもない値段してるのだが、買う人はどっちでもいいと思ってるのだろうか?
まぁ多分、ハブとヒメハブの毒性は雲泥の差があれど有効成分はそんなめちゃくちゃ違わないんだろうなとは思うけど。

ちなみにグルタチオンのシステインをバリンに変えたグルタミルバリルグリシンはグルタチオンより更に10倍のコクを感じさせるそうです。
旨味の強いホタテや魚醤にも微量に含まれる成分らしいので、ヘビで醤油を作ったら物凄いものができたりしないだろうか。
イラブー汁の原料であるエラブウミヘビ燻製の旨味成分にも影響しているのかもしれないと思うと、やってみたいことにキリがなくなるね。

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Comments & Trackbacks

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  1. はじめまして
    本土…というか、自分の地元産だと
    アオダイショウ→くさい、旨くない
    ヤマガカシ→不味くはないが、わざわざ取る価値はない。
    マムシ→普通に旨い、食べられる納得
    てな感じで、やっぱり食生の差なんですかね?
    蛇食は意外と種類による情報無いからこういった記事は面白いです。

    • 実家周りにはヤマカガシいくらでもいたんですが、こちらに来てから一度も見ておらず食べたことないんですよね。
      どうでもいい感じなんですね。
      シマヘビは味そこそこ、薬効十分みたいですけど。

  2. ヒメハブはホンハブやサキシマハブと比べても明らかに美味いですね
    こいつだけ薬用ではなく食用!って感じ(捕まえやすいし)

  3. ヒメハブが我が家のセイブシシバナヘビに似ています(笑)。
    ふと短くってかわいい。

    以前、タカの仲間が子育てにヘビを与えているのをテレビで
    見ましたが、ヘビだけだと雛の成長が良くないらしいです。
    与えていたのは無毒なナミヘビばかりに見えましたから、
    もしかするとナミヘビって薄味(?)揃いなのかなぁ。
    「薄味=低栄養価」かどうかはわかりませんけど(^_^;)。

    • ヘビに関わらず、食べ物が偏れば栄養は偏りますよね。
      エサが雑食や草食ならその栄養も摂取できるというのはあると思いますが、そう考えると一定の種のヘビだけでは偏りそうな感じもしますね。

      マムシとかヒメハブとか短いヘビはちょっとツチノコっぽいのがいいですね。特に尻尾とか。

      • そういえばヘビ飼育の話なんですけど。
        マウス食いのヘビに比べて、魚食いや爬虫類食いのヘビは
        痩せ易く、大食漢なので比べると飼い難い種が多いんですよ。
        身のたんぱく質はそう変わらないでしょうから、皮下脂肪や
        内臓に含まれるビタミンなどの違いが大きいのかなぁ?

        ミミズ食い、魚食いのヒバカリにヒナウズラを食べさせる事が
        出来たのですが、基本的に食べない系統のエサだと思うので
        うまく消化できず、ほとんどそのまま糞で出ちゃってました。
        ヒナウズラも良いエサなんですけどね~。
        食えばそれで解決とはいかないようでした(^_^;)。

        • 魚食いはヒバカリくらいしか飼ったことありませんが、確かに燃費悪かったですね。
          逆にマムシはサンマだけで随分生きたから丈夫だったなぁ。

  4. 数年前にベトナムで2m近くありそうな長い蛇をレストラン(特殊食材料理屋)でいただきましたが、胆嚢、生き血、ピクピク動く心臓をベトナムウォッカと割って飲んだんですけど…
    心臓生食はヤバかったですかね?
    変わらず元気に暮らせてますが^^;
    皮付きの肉はポリッジに入って出てきましたが、プニョプニョしているだけであまり味も感じられず…正直姿焼きで食べたかったです。

    • 寄生虫に関しては、いないから常食している場合と、いるけど無知で常食してる場合と、いるけど無効化して常食してる場合があると思います。
      なんともないなら大丈夫だったんじゃないですかねw
      心臓につくやつでそのまま寄生されるやつは聞き覚えがないですが、生は避けるに越したことはないと思ってます。
      日本でもカエルやスッポンを刺身で出すところがあるけど、養殖環境は知りたいですね。

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