カメノテは磯の基礎珍味だと思う。
見た目から名づけられたまま、いかにも亀の手のような風貌だが、
節足動物門甲殻亜門顎脚綱鞘甲亜綱蔓脚下綱完胸上目有柄目・・・
要するにザックリ言うと甲殻類で、エビやカニに近いが固着棲なので移動できない生物。
潮が満ちて飛沫がかかりはじめると、この手みたいな部分が半分にパカッと開いて、中から黒い触腕がワシャワシャ掻くように動いてプランクトンなどを捕っているのが見られます。
日本では近年普通に流通するようになったが、スペインではペルセベスと呼んで特に好まれている食材のひとつで、蒸したり塩茹でで食べられている。
茹でても充分に美味しいのだけれど、見た目のわりに可食部が少ないので、やはり強烈な出汁を無駄にはしたくないなと思うのです。
日本各地でも海沿いでは昔から食べられてきたが、出汁が物凄く出て身が縮むのでやはり味噌汁に入れるのが最強に思う。
海岸沿いなら防波堤でも磯でも容易に見つけられるが、人の入り易い所のものは小型すぎて採る気になれないものが多い。
それどころか、関東では知名度が上がった頃には、容易に手が届くところに見つけるのが大変なほど激減したこともあった。
流行りものはだいたい皆すぐ忘れられるもので、ここ数年眺めていて、着実に戻ってきたなと感じていました。
固着生物は回復に時間がかかるので乱獲は避けたいものですが、改めて見ると、ここ10年で相当回復している。
久々に食べてもいいかなと思い、こんもりした山をひとつ取ってみた。
1kgくらいあるね。
問題の本体はどうかな?
めっちゃ育っとるwwwww
これは売ってる大型サイズに近いよ。
これは食べ甲斐がありそうだわー
少し塩茹でと味噌汁で食べてみる。
久々だけど、やっぱ出汁うまいわー
エビともカニともつかない、でもどちらにも強すぎない丸い風味。
珍味に美味いものなしなんて言葉があるけど、カメノテやフジツボはストレートに美味い。
でも
あいかわらず食うとこちっさ!
柄の皮を剥くと現れる、この筋肉だけがメインの可食部。
カニとエビに加えて貝のような風味もあり、噛み応えは貝寄りか。
生だとちょっとカニみたいな筋肉なんだけどね。
これをスペインでは好んでるっていうけど、乱獲とかやっぱ制限設けてるのかな?
この手みたいな部分の中に触腕があり、これも食べる人がいるんだけど、身もほぼ無くて噛めばシャグシャグとあまり心地良いものでもない。
でも柄の筋肉と比べると
こんなにあるんだよね。
いつもは捨ててたんだけど、こんだけあると何とかしたい。
実は、採った帰り道にジョロウグモが結構いたんだよね。
あれも卵が詰まるから秋の味覚だと思うんだけど、どっちかというと益虫だからあまり減らしたくない。
そんなこと考えてたら、
(あ、触腕食えばいいじゃんよ!)
となったので
こんな感じに。
胡椒して小麦粉つけて揚げただけ。
悪かった食感はサクサクのスナック風に。
そして風味はかっぱえびせんそのまんまwww
さすが甲殻類。
しかしこいつらの触腕って揚げても赤くならないのな。
でもこれでジョロウグモ30匹の命は救われたのだw
今回のカメノテはいっぱいあるからいろいろ楽しめる。
塩茹でで出る出汁も勿体無いので、予め薄塩にしておいた出汁を使ってカメノテ釜飯も。
噛み応えは完全に貝になった。
ここまで濃厚な味になっても尖がってこない優しい風味は独特だね。
うん。
文句なしに旨いっす。
ちなみにカメノテは結構高値で安定。
通販でも売ってるけど
これくらいするようです。
まぁ、ミネフジツボよりは安いとは思うけどね。
だからといって、固着生物なので一度採ったら再生までに時間がかかりますから、採集したい方は乱獲だけは控えましょう。
末永く楽しむためには節度ある採取が必要不可欠ですので。
カメノテとカラスガイでとったアツアツだし汁をひやごはんにぶっかけて食べるのが大好きですww一升いけそうなくらい美味しい
カメノテおいしいですね。
でも堤防あたりはイガイっていうんだか、ムラサキガイですっけ?に占領されてるイメージです。
かっこよく言うとムール貝とかいう高級食材なんだかって聞きました。
あれも食うとおいしいですね。個人的にはチヌ釣りの餌のイメージが強いですが。
ムラサキイガイもムラサキインコもミドリもみんな似たような味ですが、どれも相当大きくなったところで出汁要因でしかないですね。
あいつらも貝毒もつから場所によっては注意は必要ですし。
冬の常食食材です。
誰も取らないので、素手で塊をテトラから剥がして取ってます。
誰も採ってないのに美味いのは少し優越感ありますね。
うまいんだけど、めんどくさいからたまにでいいかなー。
はじめまして!!
前のブログからみてましたよ!!
カメノテは磯や、岩礁帯よりテトラ周りの方が脚の袋が長く出汁が多くつまっている感じがありませんか??
あざーす。
最近あまりテトラ帯行かないからなんとも。
売ってるの見てると時々10㎝近くありそうな長い柄のやつがありますね。
採られないところ、採りにくいところ、荒波で落ちないところのが大きいですよね。