ざざむし。





イクラが高いならカジカを買えばいいじゃない

今年の秋は野菜も魚も高騰して、値札を見ないと買えない我々一般人にはとても苦しい季節だった。
そんな中、もともと高いイクラもサケが不漁だなんだとなかなか値が下がらなかったり。
でもイクラがなくて困るのなんて寿司屋とかイクラありきの商売くらいで、あえて食べなくてもいいものではある。
余談ではあるが、学生時代は研究室によっては毎度副産物として出る鍋いっぱいのイクラを持って学食に行き、御飯だけ頼んでイクラ丼三昧な学生もいるような学校でしたのでイクラに対する執着はあまりない。
釣れたし。
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それでも今ではたまに恋しくなる味であることも確かで、気が向いては筋子をバラして作るのだけど、今年みたいな状況だと気軽に買えない人もいるんじゃないかな。
しかし実際のところいわゆるイクラも鱒子もベースの味は殆ど同じで、食味は発達段階と味付けに大きく左右される。
だから合法的に釣るか、若干粒は小さくても鱒子が安く売っていたらそれで作ればいいのです。

ところがサケ科魚類の卵では産卵期が禁漁の為に、河川内で一般人が捕獲して自作するということが殆どできない。
各県のルールに従って合法的に入手するしかないが、釣りの人気に伴ってそれも気軽にはできなくなってきている。
しかも最近は売っている鱒子も昔に比べてあまり見かけなくなってきた気がする。
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そこでカジカですよ。
ここまで剥かれてると私にゃなんだかわっかんねぇなコレ。

標準和名のカジカは淡水魚で、同じ仲間で美味しいんだけど、水質汚染と乱獲で一時はかなり減った川も多かった。
淡水魚にしては卵が大きく、釣り餌としても効果が高かったといわれる。
漁期の設定されているところもあるので注意が必要な魚だ。

一方、ここでのカジカは同じカジカ科でも海水魚で、流通上はいろんなカジカが混在している。
東北や北海道で有名な「ナベコワシ」という呼び名は主にトゲカジカを指し、あまりに美味いので鍋の底まで掬おうとしていて鍋を壊してしまうほどだという意味。
しかしトゲカジカ含めギスカジカ属を何種か食べてみたけど、正直そこまでぶっちぎり何かを感じることはなかったので、これは北海道で本当に美味いっていうやつを食べてみるまではなんともいえないと思っている。
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カジカは鍋・唐揚げ・味噌汁なんかが無難なところだと思う。
良い出汁が出て、肉質は加熱することで引き締まるものとほろほろ崩れるタイプのものが種によって違う。
どこでいつ獲れた何カジカのどれくらいのサイズの雌雄どちらが強烈に美味かったのかまで押さえてほしい魚だ。
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卵は煮付けで美味しい。
無難といえば無難だけど、大粒な割にゴムボールのようにならず程良いプチプチ感と旨味がありクセがない。
魚卵としては確実に美味しい部類に入る。

大粒とはいえ、粒の大きさはトビっ子と鱒子の中間程度といったところか。
東北の人には当たり前かもしれないけど、これが醤油漬けでもイケるんです。
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上のパックの中身。
物凄く個体差があってオレンジや黄色っぽいのもありましたが、いちばん鮮やかなのを選んできました。

昔、東北に住んでいた時に何度か作ったことがありましたが久々です。
せっかくなのであの頃には知らなかった必殺イクラ外し「泡だて器」を使って試してみましょう。
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な ん だ こ れ

めっちゃ楽じゃんwww
イクラでも楽になるけど、カジカの卵は小粒だから余計大変なのが一瞬で終わる!
ぶっ壊れた泡だて器なのに!
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しかも何が楽って、この後バラした卵をぬるま湯に入れてかき混ぜるだけで残った膜の切れ端が絡み付いて終了という。
マジで早くて感動した。
ほんと、ここまでが面倒だったのに何の苦労もない。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
僅かに潰れた卵の殻が白く目立つけど、たったこれだけしかロスがない。
卵の表面がうっすら白くなっているのはイクラ同様に漬けると戻るので問題ないです。
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粒が小さいのでザルではなく茶漉しなどで水を切る。
底をキッチンタオルなどでフォローしてやると綺麗に水が切れます。
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味付けは好みで。
醤油・味醂・麺つゆの適当混合が楽。
粒が小さいので1時間も置いておけば漬かります。
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漬かったら丼なり軍艦なり好きに食べるよろし。

あの1パックでこれ2杯分とれました。
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一粒一粒が小さいのでイクラほど旨味の塊が舌を一気に覆いつくす感覚にこそならないものの、プチプチ感はむしろより心地よい。
そしてトビっ子ほど細かくもないのでちゃんと卵の味がわかり、旨味のベクトルはイクラと似ている。

卵だけ売っていてもさほど高くないし、今回のようなパックや姿での購入ならば副産物的な位置で丼が食べられる訳です。
決してイクラとイコールではないけど、魚卵醤油漬けとして簡単に入手できて簡単に作れて美味しいのでオススメ。
生食なので買うならおつとめ品でなく鮮度のいいうちに買って作りたいものですね。魚屋さんの為にもなるし。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 5 )
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  1. 北海道出身の者です。
    カジカはお袋が年一の短いシーズンを心待ちにしてました。
    カジカの卵はとにかく食感が楽しくて好きです。
    自分的には「粒のデカいカズノコ」ぐらいの認識で食べてました。
    身は鍋にして食べるのが我が家の定番メニュー。
    ただ、身の骨が相当多くて食べるのに若干難儀だったのを覚えてます。

  2. 隊長!!
    カジカが売っているのを見たこと無いのであります!1!
    生で売ってる魚卵って生臭くて良いイメージが無いのですが、
    新鮮だったら(?)美味しく食べられるモノなんですね。
    おつとめ品、好きなんですよね。

    • 生食は鮮度第一ですよね。
      あとは天然魚ならば純淡水魚でないことは重要。
      卵が有毒って魚がいるけど、売っている分にはまずそういうのには当たらないので。

  3. か、かじかってそんな一杯いるんですの(‘A`)
    それだけ人の歴史に深かったのだろうけど、今時分も少し表記に気を使ってもらいたいですよね…
    それにしても見事なチビイクラ…。うまそ。卵と言えばゴッコの身と共に卵もうまいなあと思うのですが、火入れて食べたことしかない。未体験のモノを生で食べるのって意外と勇気がいります…。

    • できれば淡水のカジカは再生産が安定するほどよほど環境がよく多数いるところでも採捕はほどほどに抑えたいもんですね。
      ホテイウオの卵ってなんか渋味みたいなのがありますよね。
      あれは生で食べたことないなぁ。

コメントしたければしてもいいのよ?(カエストハイッテナイ)

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