ざざむし。

ミナミコメツキガニは水が甘くなる以前に不味い問題

ちょうど沖縄にいる時、ネット上にミナミコメツキガニを食べると酸っぱいものも甘くなるという話題が上がった。

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酸っぱいものが甘く感じるというと、有名なものはミラクルフルーツ。
甲殻類ならばオニヤドカリなど一部のヤドカリの仲間がそうだ。

本来甘くないものを甘く感じさせるというのは、甘味を感じる受容体になんらかの影響を与えることで味覚に錯覚を起こさせることで起こる。
ミラクルフルーツはミラクリンが、オニヤドカリは花王によって特許出願された味覚修飾物質(取り下げられたみたいだが)がその役割を担っているが、ミラクルフルーツは酸と結合することで甘く感じさせ、オニヤドカリの場合は酸味の阻害と同時にそのもの自体も甘味を有することがわかっている。
ミラクリンの場合は糖タンパク質なので100℃以上の加熱で活性を失ってしまうのだが、ミナミコメツキガニの場合は素揚げですら効果があるという。

味覚修飾物質には様々なタイプがある。
これは試してみねばなるまい。
ちょうど20m前にいるんだし。
なんというタイムリーさ。

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さて、絵に描いたように一面に蠢いていれば楽だったのだが、実際は静まり返っていた。
何かがいた痕跡はたくさんあるが、これじゃない。

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ミナミコメツキガニの場合はこれね。
砂を器用に丸めながら、中に含まれた珪藻や有機物を食べて捨てるのでこのように綺麗な玉が沢山できる。
コメツキガニも同様の玉を作るが、コメツキガニの場合はすぐに隠れられる穴が近くにあることが多い。
ミナミコメツキガニは潮が引ききる前の柔らかい状態で滑らかに砂に潜っていく。
だから、周囲に見当たらないようならばこの玉だけが集中しているエリアを軽く掘ってやる。

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すると5~10cmも掘れば丸まった状態で出てくる。
砂を洗うとすぐに動き出す。
私がテストするだけだから30匹ほどあれば十分だろう。

ミナミコメツキガニ05真ん丸くてわしゃわしゃとカワイイ。
食べちゃうんだけど。

一応、ミネラルウォーターで30分×2ほど泥抜き。
そして高温で一気に揚げる。

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全く赤くはならなかったのが気になるが、普通に美味しそう。
さて、野営中ではあったが、せっかくの実験なので酸っぱいものを買ってきた。

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酸っぱいもの代表: もずく酢
もっと酸っぱいもの代表: レモン
甘いもの代表: よもぎ餅
普通の水分代表: 麦茶

まずは普通にもずく酢を食べてみる。
うん、普通に酸っぱい。

さて、ではミナミコメツキガニを食べてみよう。
2匹を口に入れ、成分が口内に行き渡るよう咀嚼する。

もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃm

まずっ

なんだこれ
今まで食ったカニの中でいちばん残念な味かもしれない。
かろうじて甲殻類風味はあるのだが、主張してくるカニ味はしらす干しに混ざっているメガロパやゾエアよりも弱い。
金属っぽいような土っぽいようななんともいえない風味が含まれていて、そちらの主張が強すぎるようだ。

外で食べる食事は自然の空気という調味料のおかげで多少美味く感じるものだが、空腹でありながらこれは一体・・・。

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まずはもずく酢から。
ズルルッ

(´~`)

(´w`)

(´ω`)・・・。

変わんなくね?

私は酸っぱいもずくで咽るのが好きなのだが、甘くなってしまって
「こんなのもずく酢じゃねぇっ!」
ってなるのを期待していたのだが、完全に裏切られた。
普通に酸っぱいもずく酢である。

新たに3匹咀嚼して口の中をリセットして次に移る。
もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃ

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皮ごと一気に齧ってみる。
ガリプジュワッ
普通に現れる苦味と酸味。

普通と変わらなくね?
元々レモンもそこそこ食える人なのであまり変化を感じない。
僅かに後味に変な甘さが残るが、酸味のファーストインパクトには大差がない感じがする。
拍子抜けである。
もっと酸味阻害してくれると思っていただけに残念だ。

新たに3匹を咀嚼する。
もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃ

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甘い。しかし普通にうまい。
普通によもぎ饅頭なのだが、原材料から想像できない後味が僅かに残る。
何か違和感がある。

再び、新たにミナミコメツキガニをよ~く咀嚼する。
もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃ

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ん~
なんか最初に香るはずの麦茶の香ばしさが失われてる感じがある。
そして明確に後味にステビアやエリスリトールのような甘味料の甘さが来る。
私はあの舌の周囲に甘く浮いた壁を作るような感じが好きではないのだが、非常に似てると思う。
しかしどうにもこれでは結果が弱い。
生で試してみよう。

とりあえず口の中をリセットしたいので茶でよくすすぎ、1時間ほど他のものを食べたりしながら適当に時間を流し、再戦とする。

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もやしもんの菌みたいでラブリーすぎるが、食べることには変わりないので気にしすぎてはいけない。
ちなみに、淡水産の甲殻類は肺臓ジストマの中間宿主となるので絶対に生で食べないように。

同様によ~~~~く咀嚼する。

もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃ

うーん
揚げた香ばしさがないだけに、余計にジューシーに不思議な風味が広がってまるでカニ型粘土を食ってるみたいだ。
吐くほどのものではないが、明確にうまくないと断言できる。
これが不味いというやつなのか。

そして、一通りの食材について再度試した訳ですが、殆ど結果は変わらなかった。
後味の人工的な甘味の強さが僅かに強くなった程度で、各食材の酸味などのファーストインパクトにさほどの差は感じられなかったのです。
間違いなく何かの成分は含まれていると断言できますが、その効果については個体差というより個人差なのかもしれない。

味覚修飾物質には甘味阻害物質・甘味誘導物質・苦味抑制物質の三種類がある。
今回の実験とコーヒーやタバコすら甘く感じるなどという話も上がっていることから、ミナミコメツキガニの場合は酸と結合するタイプの甘味誘導でなく水をも甘くさせるストロジンに近いタイプと苦味抑制物質の複合的性質があるのかもしれない。

私の場合はそれぞれの酸味は勿論、レモンの皮の苦味も普通に感じてしまったのでなんとも言えないのだが。
機会あれば試してみても良いと思いますが、全然美味くないことを承知されていると・・・わざわざ食べる意味はないかもしれませんね。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 4 )
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  1. どうでもよい指摘で恐縮ですが、オニヤドカリの件、花王は特許取ってないみたいですよ。
    特許出願したのが公開されただけで、その後出願は取り下げられています。

    • これはこれは、どうでもよくないですね。
      間違った情報流しっぱなしはまずいです。
      明日帰宅したら修正します。
      ありがとうございます。

  2. ミッキーアイル

    美味しく食べるには佃煮しかないようなサイズですね。離島で遭難して何にも食べ物が無い時に食べてみようかな?

コメントしたければしてもいいのよ?

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