ざざむし。





美味しいウチワサボテンを頂いたのでいろいろ試してみた件

サボテン料理というとメキシコという程度の知見しかない私ですが、日本の外食では一時流行った時に一度だけ食べたことがあるくらいでいまいち正解がわからないでいます。あれも殆ど味を覚えていません。
そんな私にある方が美味しいウチワサボテンを送っていただきました。


でかっ
同じ植物でもそこらに生えていて探せば大丈夫な野草と違って、誰かの敷地にしか生えていなさそうなものはとても嬉しいです。
実家にもサボテンはじめ多肉植物はいくつかありましたが食用としての認識が広まる前のものなのでアロエはじめみんな苦い。そういえば屋根越えちゃった柱サボテンもあったけどあれの味見してないから試さないといけない。どうせ繊維硬すぎな気がするし苦いんだろうな。

アロエはじめ、本体は苦くても花は何故か苦くないことが多いような印象があり、愛でる気がないなら摘んで食べてしまっても良いと思う。

アロエなんかは肉質がヌルヌルしていて食べても面白い。
夜間にしか咲かない月下美人や柱サボテンの花も、どうせ夜間に見る予定がないなら咲く直前に蕾を積んで料理してしまうのもアリかなと思う。酢の物なんかもいい。葉は酸っぱくなってしまうので天婦羅向きじゃない。


ウチワサボテンについては南国に行けばあちこちに生えているんだろうけど、こと関東や東北ではやはり限られる。
たまに何故こんなところにってところで見かけることがあるので、その都度齧ってみるが苦いものと苦くないものの違いが見た目でわからない。これなんかは全く苦くなかったんだけど、いかんせん薄くて調理がかったるい。

やはり美味しいウチワサボテンを食べるには南国で探すか、美味いとわかったものを育てるかしかないのか。


そこで今回送っていただいたサボテンですが、とにかくブ厚いです。
無棘タイプなので扱いも楽チン。


無棘といっても棘座の中には短い棘が詰まっているようなので、皮剥きのついでに目立つものだけ取り除きます。
皮を剥いて少し齧ってみたのですが、すごい。全く苦味がない。

縦に道管が走っていて硬いから抜いたほうがいいという話ですが、このサボテンに関しては付け根近辺以外はそれすら殆ど無視することができました。めんどくさいから根元のほうは横にスライスして使ってしまえばいい。


有名なのがステーキなので、味見程度にサイコロ状にしてバターで軽く炒めて塩胡椒。
なるほど、若干の酸味が発生するけどヌメリと優しいサクサク感が残って面白い。
熱を通し過ぎると酸味が増すようだ。


大量にあるのでとりあえずピクルスと浅漬けを仕込んでおき、その間にいろいろやっていきましょう。


ヌメリがあるとはいえ単体でとろろにできるほど強い訳でもなく、若干の青い風味があるので何かで消していきたい。
サボテンおろしにしてもずく酢に合わせてみた。

ヌルヌル感がどちらも同じくらいなので食感はまるで違和感がない。
しかしサボテンの青い風味が青臭さとなって浮き出る感じで少々よろしくない。決して不味くもないんだけど、なんかチガウ。いなくていいんじゃないかって言われると悲しいじゃないですか。そんな子を作ってはいけない。


ワサビならどうか。
アオリイカとワサビとサボテンおろしを和えてみたが、イカオクラより緩い粘りで歯応えがイカのみという感じ。オクラの適度な歯応えのバランスの良さを再確認してしまう結果に。


生でいくのはやはり単純なのがいちばんらしい。
スライスして鰹節と醤油をかけただけ。

混ぜると緩めのぬめりが出てきて歯触りも優しく、醤油と鰹の風味で青さが生きる。
簡単だから和風なサボテン料理としてこれはテッパンなんだろう。


テッパンといえばステーキもなんだけど、サボテンに合うソースの知見がありません。
バター醤油とか塩胡椒だけとか、いくつか試してみたけどわりとなんでも美味しい。
中でも仕上げにとろけるチーズを散らすだけというのが酸味との間を取り持ってくれてなかなか美味かった。
ブ厚いのでさいの目状に切れ目を入れるのも容易で、味の染みやすさや食べる際の切り易さもUP。


漬けておいた浅漬けですが、一晩でめちゃくちゃ水分が溢れ出た。
しかし味は凡庸。歯応えが良い訳でなし、風味が際立つでもなし。若干出てきた酸味ができそこないの漬物感あって微妙で、更に何かかけて食べないとイマイチな感じ。これは何が合うんだろうか。

どうにも苦く酸っぱい不味いサボテンと違って、苦味はなく酸味も僅かにしか出てこないのだけど、少し手を加えてしまうと発生する弱い酸味をどうするか考えないと料理にマッチしてこない感じ。(味覚は個人差があります)

最初から酸っぱくて香り強い料理ならどうかと、ヤムウンセンに。

生でスライスと、サイコロにして湯通ししたもの両方たっぷり入れてみたけれど、まわりの香りや歯応えが強すぎて存在感が埋もれてしまった。でも青い風味の落ち着き方は悪くない。歯応えが弱いことをうまく使えたらなんとかなりそう。


トムヤムクンやフォーのスープにして煮込んでしまえばいいんじゃないか。
元々柑橘たっぷりで酸味のあるスープならば加熱して酸味が出てもマッチすると踏んだのだけど、わりとアリ。それでも青い風味が少し浮き出るので大粒に入れるよりは細かく擂りおろしたほうがよく、まるでタマリンドを多く入れたかのようなトロミがついて面白い。
ただし、煮るとサボテンおろし自体は沈んでしまうので混ぜながら食べないと青いのが底にめっちゃ溜まる。


漬けておいたピクルスは数日後からかなりうまい。
歯応えは相変わらず特筆するほどのことはないんだけど、勝手に出てくる酸味とワインビネガーの相性があってこの味なんだろうか。


最終的に、手軽に食べるならサラダがいちばんいいかなというw
ドレッシングは何でも合う感じだし、サイコロにするだけで適度なサクサク感、酸味も苦味もなし。
庭にあれば好きな時に先っぽ少し切り取って食べるということができる訳で、非常食的にとても優秀。
この食べ方だとクセがないので、来客なんかにしれっと出して、後で「サボテンどうだった?」などと聞くと面白そう。

ということで、頂いた中から小さめの1枚は適当に植えました。
冬の雪がどうなのか不明なのでとりあえず大き目の鉢に挿したけど、順調に育ってきたらどこに移すかは考えよう。あとは北陸でも同じ味に育ってくれるかどうかで、植物は環境で味が変わってしまうこともあるので心配なところです。こればっかりはやってみないと何ともいえないのでがんばれウチワサボテン。

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Comments & Trackbacks

  • コメント ( 11 )
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  1. バーバンク団扇ですね。無霜地帯じゃないと地植えは難しいですね。耐寒性はけっこうあるので、凍らなければ越冬はできるんですがね。

  2. 日本で皮剥かずにそのまま肉みたいに普通に焦げ目つくくらい焼いて食うステーキと、メキシコで塩ゆでは食べた。

  3. アステカの少女

    サボテンチーズなるものがあるようです!
    どうやって汁を絞るのでしょうか…?

  4. ウチワサボテンといえば、スペインではウチワサボテンの実を食べるらしく、ラマンチャ地方に行くと街道にサボテン畑があったりした思い出。
    タネは多いがサッパリさせた洋梨のような味らしいので、無事育って結実した際は是非。

  5. ゴーヤチャンプルーみたいな味付けして炒め物にするとかなり旨いですよ

  6. 是非とも食べてみたいものですね

  7. 北陸の冬を越せる南国果実はポポーぐらいじゃないかな?
    ジャボチカバからグァバは要温室、アボカドもそのうち棒になります。
    これを水分豊富なサボテンに当てはめると……

  8. 春日井市の特産品ですね。
    何度か売っているのを見ましたが、とても気軽に買える値段ではなかったです。

  9. ウチワサボテンと言えば、果実のツーナも美味しいので、機会がありましたら是非。

  10. 立派なウチワサボテンですね!子供の頃九州でドラゴンフルーツなどと
    合わせたサボテンジュースを飲んだことがあります。青くさすっぱ甘い
    微妙な味だったのを覚えてます。

  11. 採取や栽培が期待できないのなら、内輪で楽しむしかないのがネックですね。

コメントしたければしてもいいのよ?(カエストハイッテナイ)

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